資料シリーズ No.67
政労使三者構成の政策検討に係る制度・慣行に関する調査
―I LO・仏・独・蘭・英・EU 調査―

平成22年 3月31日

概要

研究の目的と方法

  • 厚生労働省の要請を受け、労働立法過程における三者構成原則のあり方を確認することを目的として、フランス、ドイツ、オランダ、イギリスの4カ国とILO、EUの2国際機関について調査を行った。
  • 調査では、ILOにおいて三者構成主義がすべての場面に適用される根本原理であることを確認した上で、各国の政(公)労使三者構成制度の有無について調べるとともに、三者構成による協議機関の設置や労使からの意見聴取を義務づけているILO第26号条約(最低賃金決定制度条約)、第88号条約(職業安定組織構成条約)、第144号条約(国際労働基準の実現促進のための三者間協議条約)などを取り上げ、これら条約の批准状況、批准国における「協議機関の設置」や「労使からの意見聴取」の実態を把握することに努めた。

主な事実発見

  • 具体的な実施方法は異なるものの、いずれの国においてもILO条約の規定にしたがって、何らかの形で協議機関の設置や、労使からの意見聴取を実施していることが明らかになった。

政策的含意

  • 近年三者構成原則に対してその正当性に疑問を呈する議論が提起されてきたため、改めてその正当性の根拠をきちんと整理し、規範的理論として再確認する必要が高まっている中で欧州諸外国や国際機関の三者構成主義の在り方を調査してその実態を明らかにした意義は大きい。
  • 今後、労働政策決定のあり方について、とりわけ三者構成原則の評価について議論がなされる際には、本報告が明らかにした諸知見を踏まえた上でなされることが期待できる。

政策への貢献

  • 労働分野における立法システムの在り方についての議論に貢献。

労働分野に係る政策立案過程(各国比較)

図 労働分野に係る政策立案過程(各国比較)/資料シリーズ No.67

本文

執筆担当者

濱口桂一郎
労働政策研究・研修機構 統括研究員
吾郷眞一
九州大学大学院法学研究院 教授
町田敦子
労働政策研究・研修機構 主任調査員補佐
飯田恵子
労働政策研究・研修機構 研究交流課長補佐
水島治郎
千葉大学大学院人文社会科学研究科 教授
樋口英夫
労働政策研究・研修機構 主任調査員補佐

研究期間

平成21年度

お問合せ先

内容について
研究調整部 研究調整課 お問合せフォーム新しいウィンドウ
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