資料シリーズ No.55
企業外における個別労働紛争の予防・解決システム利用者の実態調査

平成 21 年 6月 3日

概要

当機構では、中長期的な政策課題について研究するプロジェクト研究として、2007年度から新たに取り組んでおり、その一つとして、「労使関係が個別化する中での安定した労使関係を構築するための総合的な研究」を実施しています。

近年、特に個別的な労働紛争が増加していることが指摘されていますが、このような中、行政機関、司法機関において紛争の予防・解決のためのシステムが整備されてきており、また、民間部門でも様々な取組が見られています。

一方、多様なシステムの整備が進んでいますが、複数の機関がそれぞれどのような役割を果たしているのかは必ずしも明らかになっていないのが実情です。

こうした状況を踏まえ、企業外の個別労働紛争の予防・解決のための様々な機関の果たす機能・役割、運用の実態等についての解明を行うため、2007年度に個別労働紛争問題に直接携わっている関係機関・団体からのヒアリング調査を実施しました。

引き続き、2008年度は、前年度の関係機関・団体、すなわち、システム運用者の側から把握した情報を前提に、実際にシステムを利用して個別労働紛争の解決を試みた利用者(労働者等)について、利用の動機、利用に至るまでの経緯、納得度等の調査を行い、各システムの機能・役割・相互関係、システムを巡る周辺環境との関連等を立体的に把握することとしました。

調査の対象としては、裁判の前段階で労働問題に特化して簡易・迅速・低廉な紛争処理を担う都道府県労働局及び都道府県労働委員会の各あっせん制度を代表的事例と鑑み、その利用者に対して行いました。

この問題については、なお多くの解明すべき点が残されていますが、本書が、行政担当者を始め、個別労働紛争の予防・解決システム等の問題に関心を持つ人々の議論の参考となるとともに、実際にシステムを利用しようとしている人々の参考になれば幸いです。

本文

執筆担当者

濱口 桂一郎 
JILPT 労使関係・労使コミュニケーション部門 統括研究員
大塚 崇史
JILPT 労使関係・労使コミュニケーション部門 副統括研究員
鈴木 誠
JILPT 労使関係・労使コミュニケーション部門 アシスタント・フェロー

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