労働政策研究報告書No.69
ドイツにおける労働市場改革
―その評価と展望―
概要
ドイツでは「ハルツ改革」と呼ばれる諸施策により、失業給付制度の内容、運用方法、実施主体を抜本的に変革することとなり、その政策決定から施行に至るプロセスは多くの議論を呼び起こしました。中でも05年1月に施行された「ハルツ第IV法」は、長期失業者への給付と生活保護に相当する給付の制度を統合するもので、広範な議論を引き起こしたところです。
ドイツの労働市場改革についてとりあげた本報告書では、とくに、こうした「ハルツ改革」の具体的内容を検討し、日本の労働市場施策を構想する手立てとすることを目的としています。「ハルツ改革」の特徴としては、(1)ドイツの戦後労働市場政策の基本姿勢に大幅な変更を迫る内容だった、(2)職業紹介システムの本格的再編により、雇用創出の方向に大きくシフトすることが意図された、(3)ドイツの労働契約法制史上はじめて、雇用創出という観点から規制緩和が行われた、(4)失業者に対する給付制度の改革を、社会保障と雇用政策との機能的統合を通して、失業者の保護から労働市場への再編入の促進という目的の変更に沿った内容で行おうとした、ことを指摘しています。
本文
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研究期間
平成 17 年度
執筆担当者
- 野川 忍
- 東京学芸大学教授
- 根本 到
- 神戸大学助教授
- ハラルト・コンラット
- ドイツ・日本研究所副所長
- 吉田 和央
- 前労働政策研究・研修機構 国際研究部主任調査員
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