労働政策研究報告書No.34
パートタイマーと正社員の均衡処遇
―総合スーパー労使の事例から―

掲載日:平成 17 年 6 月 15 日

概要

本報告書では、パートタイマーを積極的に活用し、人事処遇制度の面で新たな動きが出ている大手総合スーパー5社の労使にヒアリング調査を実施し、均衡処遇に向けたパートタイマーに対する雇用管理事例を実証分析したうえで、均衡処遇推進にあたっての課題を明らかにすることを目的にしました。

ヒアリング調査は、いずれも近年、パートタイマーと正社員の位置づけにかかわる制度見直しを行っている企業を対象に、(1)賃金制度の見直し(2)パートタイマーの質的基幹化(3)社員区分の適正化(4)パートタイマーの組織化――の4つの観点から、各社の特徴を抽出しました。

その結果、パートタイマーを積極的に役職登用したり、またパートタイマーと正社員の中間的な社員区分を設ける事例が見出された一方、パートタイマーの仕事は定型業務のみに限定し直す事例があるなど、各社の均衡処遇に向けた取り組みの進捗には大きな違いがあることがわかりました。

報告書では、そうした違いは人材活用戦略や、賃金制度改革の進行状況などによって生じているものの、いずれの事例もパートタイマーか正社員かを超えて、仕事・働き方と処遇の対応関係を明確にしようとする向きにある点では共通していることが明らかになりました。

これらの結果から、本報告書では、仕事や働き方の実態を踏まえて、可能な部分から処遇との対応関係を見直すことが、均衡処遇を進めるうえで重要だとしています。

本文

研究期間

平成 16年度

執筆担当者

荻野 登
労働政策研究・研修機構 主任調査員
高畑 いづみ
労働政策研究・研修機構 調査員
渡邊 木綿子
労働政策研究・研修機構 調査員

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研究調整部 研究調整課 お問合せフォーム新しいウィンドウ
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