公務員のベースアップ

カテゴリー:雇用・失業問題

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  • 国別労働トピック:2006年8月

政府により公務員のベースアップが計画されていることが明らかになった。主要各紙の報道によると、連邦公務員16万人に対し、5~20%の給料引き上げが計画されており、この暫定措置で、2006年だけで14億レアル(約6億ドル)の追加人件費が必要という。また近日中に軍部へ10%のベアを与えるために12億レアル(約5億ドル)の追加支出も必要となる。さらに選挙対策として、残る公務員も全員、ベア引き上げを発表する予定。

第2の措置は、三権すべての公務員の賃金に均衡を持たせるために、三権代表による委員会を設置した上で作業グループを組織し、賃金テーブル及び職階昇進制度を検討することである。以前から司法、立法の賃金体系の不均衡を指摘する批判があった。政府によると、行政の公務員の平均賃金は3389.79レアル(約1973.82ドル)であるが、立法は9917.59レアル(約4312.00ドル)司法は9113.59レアル(約3962.43ドル)となっている。委員会設置により、司法10万9252人、立法3万4653人に比較して、行政112万3773人と、絶対数で多い行政の公務員に、司法、立法並みの賃金を期待させる効果があるという。

さらにこの一括措置には5項目の暫定措置が用意されている。連邦警察、ブラジル地理統計資料院(IBGE)、行政支援サービス従事公務員などに、最大29%までのベースアップを与えることである。

ルーラ大統領は、10月の総選挙の再選を狙って、連日選挙運動を行っている。公務員のベースアップに関する一連の施策は、選挙目的ではないかとの憶測がでている。

参考

  • 当機構海外委託調査員

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