NSW州労使関係委員会、ペイ・エクイティに関する判断を示す

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年6月

州労使関係委員会の決定

NSW州労使関係委員会は、3月28日に図書館司書や図書館専門員、記録保管係といった女性が多い職種がジェンダーに基づき歴史的に過小評価されてきたと認める決定を下した。さらに同委員会は、こうした職種の技能や責任が近年増しているにもかかわらず、それが賃金決定に適切に反映されていないとの考えを示し、これらの職種が専門職として認知されるよう求めた。

その上で同委員会は、これに対する救済が非常に複雑であることを考慮し、同決定を実行するための仮アワードの作成を命じた。仮アワードは、NSW州政府機関とTAFE(Technical and Futher Education)により雇用されている図書館司書、図書館専門員、図書館助手、記録保管係を対象に、職務分類体系と賃金率を定める。

決定の背景と反応

NSW州労使関係委員会は2000年にジェンダーに基づく賃金衡平(ペイ・エクイティ)原則を定めた。今回の決定は公共事業労組の申請に基づき行われたもので、同原則に基づく初めてのケースということになる。決定によれば、図書館司書等には最高で25%の賃金引き上げが認められる。

オーストラリア労働組合評議会(ACTU)はこの決定を歓迎する意向を示し、看護や保育、理容などの労組も同様の申請を行うと考えられている。

ただ使用者サイドは、今回の決定が民間部門に波及することはほとんどないとの見方を示している。

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