公共サービス改革の「破壊者」発言をめぐり労組が首相に反発
ブレア首相は2月3日の労働党春季大会の演説で、一部の労組と党の活動家が保守党と結び、政府が進めている公共サービス改革を頓挫させようとしていると述べ、これら「破壊者(wrecker)」「小文字のcではじまる保守派(conservative)」は断固打破しなければならないと厳しく非難した。
医療や教育など公共サービスの改善は、昨年6月に二期目の政権担当を果たしたブレア労働党の優先課題だが(注1)、民営化もふくめて大胆に民間活力を導入する方針であることから、公共部門と関連のある労組や党員らは反対してきた(本誌2001年8、10、12月)。
首相の今回の「破壊者」発言に対して、労組は強く反発し撤回を求めている。これまで改革反対のキャンペーンを張ってきた全国都市一般労組(GMB)は、首相の発言のあった翌日、看護婦の横に「彼女は破壊者の一人なのでしょうか」と書かれた広告を新聞に載せた。また英国最大の公共部門労組ユニソン(Unison)のデーヴィッド・プレンティス書記長は、ユニソンは「小文字のc保守派」では断じてない、と首相の発言に不快感を露わにした。
注
- 重点分野に掲げられているのは、①中・高等学校教育、②国民医療制度(NHS)が運営する病院、③警察・司法組織、④鉄道網で、例えば、教育分野では、教師を対象とした講習や設備の導入などの学校運営を民間会社が請け負う。(本文へ)
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