超過労動と労働市場政策をめぐり、使用者連盟とSPDが対立
使用者連盟(BDA)と連立与党(SPD)との間に、超過労働時間の制限と期限付き雇用の助成等に関する労働市場政策をめぐって、新たな対立が生じている。
BDAがディマプ(Dimap)研究所に委託したドイツ企業1000社の調査にもとづき、ディーター・フントBDA会長は、2001年11月19日、期限付き雇用の助成強化等を要望し、これに対して超過労働の制限の立法化には明確に反対した。
フント会長は、2001年の超過労働160から170億時間は、数年前に比べて少なくなってきており、超過労働の削減で雇用が創出できるという議論は意味をなさないとしている。同会長は、調査対象企業68パーセントが、大量失業にもかかわらず職場に適した求職者が見つからないことに苦情を述べていることを挙げ、超過労働が雇用を奪っている訳でないことを指摘している。適正な求職者が見つからない理由として、約3分の2の企業が求職者の資格不足を、約4分の1が求職者が職場の移転を好まないことをあげ、求職者の高齢を理由に挙げた企業は9%に過ぎなかった。
これに対して、SPD執行部は、使用者を失業の削減に向けてもっと義務づけねばならないとしている。フランツ・ミュンテフェリンクSPD幹事長は、超過労働削減のためには今やいかなる道具がより有効か考えねばならないと述べ、SPDに属する雇用者のための労働協会(AfA)のオトマール・シュライナー会長は、超過労働削減のための法律の制定が考えられねばならないとしている。またこれとは別に、ブジルスケVerdi委員長は、労働協約の拘束を受けない企業についても超過労働削減の立法措置を要望している。
SPDが留保する期限付き雇用の助成強化については、フント会長はその理由として派遣労働を例に挙げ、調査対象の3分の2の企業が人員不足を派遣労働で補い、そのうちの4分の3が派遣労働者を派遣期間終了後に正規雇用で採用していることを指摘している。
同会長は、これは派遣労働が第1労働市場(正規雇用)への跳躍台になっていることを証拠付けると強調している。
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