政府、未成年者の不法就労問題でジレンマ

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

ブラジルの記事一覧

  • 国別労働トピック:2001年11月

ブラジル政府は2001年6月にILO(国際労働機関)に対して、16歳未満の未成年労働禁止法に従って不法就労の取り締まりを行うと約束しているが(本紙2001年9月号参照)、国内ではこれで政府の立場は微妙になったと分析している。未成年者の不法就労対策の実施は事実上、非常に困難でありながら、他方、政府として約束を達成しないと、ILOから約束不履行の国として指摘されるし、貿易上からも未成年就労を許容している国として、輸入をボイコットされる可能性があるからだ。

既に1995年に、製靴の輸出に際し、14歳未満の未成年労働者を使用しているとして、先進国から輸入をボイコットされたことがある。当時は14歳から見習い名目の就労が可能であったが、今後は16歳未満の就労が違法となるために、再度調整の必要がある。

最も新しい公式資料によると、99年に10~14歳の児童が250万人、15~17歳では350万人が働いていた。15~17歳の総人口1,038万8224人のうち55,7%は通学のみであったが、22.8%は働きながら通学、10.3%は通学を止めて労働のみ、8.6%は通学しないで家事手伝い、2.6%は通学も仕事もしていない、となっている。

2001年11月 ブラジルの記事一覧

関連情報