首相、公共サービス改革で労組に警告
「改革しなければ公共サービスは破綻する」「どんなに多くの反対があっても、私は決定を取り下げるつもりはない」―。ブレア首相は2001年7月16日、ロンドン市内の病院で行った演説で、2期目の最重要課題に掲げている「公共サービスの全面改革」プランについて、「労組には一切拒否権はない」と警告を発した。公共サービスに民間活力を導入する計画も含まれていることから、2期目の政権担当を果たした6月の総選挙以来、関連労組や公共部門労働者らの反発が日増しに強くなっていた。
重点分野に掲げられているのは、①中・高等学校教育、②国民医療制度(NHS)が運営する病院、③警察・司法組織、④鉄道網―で、たとえば、教育分野では、教師を対象とした講習や設備の導入などの学校運営を民間会社が請け負う。
民間活力の導入について首相は、改革プランの一部にすぎず、サービス改善につながる場合にしか適用しないと保障したものの、演説の翌日、GMB一般労組は、25万ポンド規模の反対キャンペーンを立ち上げたほか、労働党への献金削減も決定する運びだ。
もっとも、公共部門の労働者が加入していない労組の反応は別で、たとえば製造科学金融組合(MSF)は、首相の演説を歓迎し、改革に抵抗している労組に自重を促している。
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