技能労働者不足にらみ、新しい就労許可制度導入へ
政府は、技能労働者不足に対応する一環として、新しい就労許可制度を導入する。デービット・ブランケット内相は、英国内に職を求める外国人のために合法的な入国・就労ルートを確保することで、人材不足を緩和する一方、偽装亡命者が国内で不法に就労し続け、既存の労働者の雇用を脅かす状況を是正したいとしている。
英国は1950年代以降、大量の移民を受け入れてきたが、「1971年移民法」で原則移民を禁止した(例外は、英国内で血縁者と居住する者、亡命志願者、英国内に多額の投資をする者)。ところが近年になって、情報技術(IT)分野などで人材不足が恒常化するに至り、政府は2000年に、就労許可証の発給規制を一部緩和するなど、30年間続けてきた「閉鎖」政策を転換した(本誌2000年11、12月号参照)。
今回の決定は、こうした開放政策をさらに押し進めるものだが、新たな就労許可制度の具体的な仕組みとしては、オーストラリアのポイント制やアメリカのグリーン・カード制がモデルケースとしてあがっている。
ブランケット内相は、教員、看護婦、情報技術者などの技能労働者以外にも、公共・民間の両方で低技能労働者も不足しており、まずは、短期・長期の人材不足の状況を把握するため、使用者団体との検討会をまもなく開くとしている。
2001年8月 イギリスの記事一覧
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