FSUとグループ・デ・ディスが提携を模索
労働団体の再編がまた話題になっている。教員組合を組織する統一組合連盟(FSU)とグループ・デ・ディス(G10)(連帯・統一・民主組合=SUDなどを傘下におさめる組合連盟)が一緒に「闘争拠点」の形成を目指しているからである。合併でもなく、両組織を統合する新連盟の設立でもない。提携を推進しているSUD-PTTのピエール・カルファ氏によると、FSUとG10を結ぶ柔軟な構造の実現だという。G10は昨年10月の全国会議のときに、FSUとの「職業横断的な恒久的組合間協力」をスローガンとして採用したが、これは労働総同盟(CGT)など、他の労働団体へも提案されることになる。FSUの共同書記長モニク・ビュエラ氏によると、連絡委員会の形になるという。
この考え方は、とくに目新しいものではない。1995年12月のゼネストの後、CFDTの反主流派、G10、FSUがすでに「変化のための組合拠点」の創造という同様の計画を暖めていた。しかし、当時はCFDT左派が脱退の意向を固めておらず、FSUも将来を賭けようとはしなかったために、CGTの反発を浴び、その提携計画は葬り去られた。
現在、いくつかのファクターがFSUとG10へ再活性化を促している。第1に、2年前からCGTがCFDTと同盟関係にあることから、社会的に影響力を行使するような組合闘争の実施がきわめて難しいとの認識がある。G10と同様、FSUも、「この展開がCGTのまったく無力化という前代未聞の状況を生み出した」と言う。したがって、CGTの行動に影響を与えるために、両団体が力を合わせることが重要になる。
FSUの指導部はまた、G10との提携により、内部危機を克服したいと考えている。この教員組合組織は、派閥争いによる内部対立が深刻で、連盟構造を存続させることが難しくなっているからである。同業組合主義的埋没という不安に脅かされているFSUは、そこに職業横断的な参加が可能になる手段を見いだそうとしている。一方G10の場合も、追加的な一歩を踏み出すことが重要である。カルファ氏は、「G10を発展させるだけでは、労働組合運動に提起されている諸問題へ対応することができない」と考えている。
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