工業の生産設備利用率向上

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年6月

内国工業連合会の発表によると、国内工業の2000年第1四半期の生産設備利用率が平均80%に達しており、生産能力の限度に近づいていると判断している。また平均80%という指標から一部は生産能力の限界にきているとしている。この高利用率は経済安定計画を実施した後、消費ブームがピークに達した1995年の水準と同率となる。これ以上の稼働率を要求されると設備拡張投資が必要となり、2000年のうちに投資が開始されると見ている。

しかし、生産増加、設備遊休減少が、雇用増加を起こすことはないと評価した。2000年に入り経済回復傾向を背景に、失業者の求職活動が非常に活発になっているが、経済回復の速度がさらに上昇したとしても、雇用増加の期待はないと、連合会は見ている。東南アジア、ロシア危機に続くブラジルの為替大幅切り下げによる経済の冷え込みと輸入品との競争のために、企業は厳しい合理化を実施して生産性を向上させており、雇用増加なしで増産できるようになっている。また求人が始まったと聞くと、潜在失業者が一斉に求職行動に出るために、失業率が減少することはないと考えられている。

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