ジャーナリストの組織化

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年11月

独立ジャーナリスト連合(AJI: The Independent Journalists Alliance)はインドネシアの報道記者の組合員を集め、各事業所にジャーナリスト組合を設立すべきであることを会員に呼びかけた。これは1999年5月から6月にかけてジャカルタ勤務の70社、250人のジャーナリストを対象にしたアンケートから、多くのジャーナリストが「使用者に対しての交渉力が弱いと感じている」ことが明らかになったためである。ちなみにこのアンケートはジャーナリストの福利を調査し、組合設立に関するジャーナリストと使用者との間の労働問題を明らかにすることを目的に実施された。

このアンケートの中で56.5%のジャーナリストが「自分の勤務する会社が労働争議に巻き込まれた場合、どうしてよいか分からない」と答えている。

AJIのルーカス・ルワルソ事務総長は、この結果から判断して、いままでジャーナリスト達は各事務所に組合を持つことの重要性を認識していなかったのではないかと推測している。しかし、各報道機関に1つずつ組合ができれば、AJIが上部組織になれると述べた。

さらに、このアンケートによって、250人の回答者のうち34.4%しか使用者が組合の設立に同意していないことがわかった。しかし、使用者の多くがジャーナリストの福利に関しては口を開きたがらないなかで、使用者の中には、ジャーナリストの組合は従来存在していなかった、またはそのような組合は必要ない、と言う使用者もいたという。

インドネシア法的救済・人権保護協会(PBHI)のジョンソン・パンジャイタン弁護士はAJIのアンケートの結果を支持し、ジャーナリストが労働者と変わりないものであることを認識すべきであるとし、ジャーナリストが組合を結成することで使用者に対して交渉力を持つことができるだろうと語った。

コンパス・デイリー(Kompas Daily)の報道協会のブディマン・タヌレジョ会長は、組合の設立に関しては否定的で、企業が従業員の声に耳を傾けてくれている限りでは、「組合」という形態は問題ではないと述べている。

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