(香港特別行政区)失業率低下の中、若年者雇用訓練計画が進展

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年11月

政府発表の8月17日の統計によると、香港の5~7月の失業率は6%で、前期比で0.1ポイント低下し、失業者数は21万6000人を記録した。失業率の低下は2期連続となった(時報1999年10月号参照)。不完全雇用率は2.9%で、不完全雇用者数は10万3000人だった。

タン・クォン・ユウ政府エコノミストは、新規労働市場参入者が前期の1万4500人から大卒8000人を含めて2万3000人に増加したが、その多くが雇用されたことが失業率低下に影響し、装飾・建造物整備部門、飲食業、卸売業、小売業などの部門で景気が改善したことも影響したとしている。ただ同氏は、労働市場の改善は景気の本格的な回復に待たねばならないとしている。また、工連会(FTU)出身の立法会議員チャン・ユエン・ハン氏は、失業率の若干の低下は労働市場の回復を示すものでなく、特に不景気のさなかに賃金カットされた多くの労働者の生活が改善されていないことをもっと考慮すべきだとしている。

このような中で、政府の若年失業者のための職業訓練計画が具体的な進展を示している。同計画は、50の訓練施設・民間企業・非営利団体・研究機関等の協力を得て運営され、15歳から19歳の中等教育終了者に6カ月の職業訓練を与えるものである。7月21日の政府会議で1万6000人に対して訓練期間に1000ドルの手当を支給することも決定されているが、8月25日までに260の使用者から7500人分の職業訓練の場が約束されており、その約50%は民間企業の申し出によるものである。

2万4778人の中等教育終了者が9月1日から同計画に応募し、リーダーシップ・自己訓練・チーム形成、就職活動訓練、コンピューター応募訓練、特殊職業訓練の4つの部門の中の様々なコースから、各部門で1つのコースを最高4つまで選択できる。各コースは1週間から19週間にわたり、コース終了後には証明書が交付され、その後更に1カ 月から2カ月間、使用者が提供する職業訓練の場で指導を受けることになる。

マシュウ・チャン労働コミッショナーは、使用者からの協力の申し出、特にその約半分が民間企業からの申し出であることに満足の意を表明している。

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