改善の兆し見える雇用状況

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

スウェーデンの記事一覧

  • 国別労働トピック:1999年5月

1999年1月の雇用統計

スウェーデン統計局(Statistiskc379 Centralbyran)の労働力調査によると、1999年1月の雇用者総数は395万8000人で、1年前より11万1000人増となった(いずれも季節調整値)。雇用者数の伸びが見られたのは主に民間部門と地方自治体であった。

失業率(労働力人口に占める失業者の割合)は6.2%、失業者総数は26万人で、1年前に比べ4万6000人減った。労働市場政策対象者も1万7000人減少し、17万4000人であった。

アジア経済危機等の影響

以上の数値で懸念される要素は、特にアジアとブラジルの経済危機によって苦しんでいる輸出産業の状況である。製造業では、過去4カ月間に1万1000人以上の労働者に対しレイオフの通告が行われた。その半数以上は、エリクソン社が主導的地位を誇るエンジニアリング産業に関係していた。

公共部門、すなわち主として健康・社会、教育・訓練各部門における新規採用者の需要は、政府公約のおかげで極めて高い。社会民主党に投票した人々は公共部門に多くいるためである。

若干楽観的な観測材料としては、若者が仕事を見つけやすくなったことが指摘できる。国家労働市場庁(AMS)は、産業界が提供し得る職務に対応できる者を増やすためにより進んだ教育体制に焦点を当てる予定である。資格のない労働者に最低限の訓練を提供することは政治的には受け入れられるかもしれないが、失業者にとってはあまり役に立たないためである。

1999年5月 スウェーデンの記事一覧

関連情報