書籍が刊行されました!
『検証・コロナ期日本の働き方─意識・行動変化と雇用政策の課題

JILPTでは、2022年9月にコロナプロジェクトワークショップ2022「検証・コロナ禍の日本の仕事─われわれはコロナから何を学んだか」を開催しました。2021年4月に開催した同様のワークショップの第2弾に位置づけられるもので、2020年3月から2022年3月までの約2年間にわたって継続実施してきた個人調査(全7回)及び企業調査(全6回)のデータを利用して、新たな視点も加えながら、経済学・社会学といった分野で活躍中の12名の研究者の方々が研究成果を報告しました。

本書籍は、そのワークショップの成果を取りまとめたものです。

樋口美雄/労働政策研究・研修機構 編

慶應義塾大学出版会新しいウィンドウ

2023年3月29日刊行

表紙

短期間で激変した個人・企業のデジタル化・多様化の軌跡を追う!

コロナウイルス蔓延から3年。この間、人々の働き方やウェルビーイング(幸福度)に対する意識、企業の経営マインド、新技術の導入など、経済社会に広汎な影響を及ぼした。何が変わり、何が変わらなかったのか。専門家がさまざまな角度から変化の軌跡と雇用・労働政策の課題を明示した、わが国コロナ期労働市場の総合的分析。

  • 「コロナ」は人々の働き方や生活意識、企業経営、労働市場に何をもたらしたのか? 個人と企業の連続したパネル調査から、災禍前後の変化を読み解く。
  • コロナ禍が国民に与えた影響は様々だが、各種格差の固定化や人々の意識変化については、回復過程でのより詳細な研究が必要となっている。この状況を受けて本書では、経済社会における多様化の進展状況を分析。労働市場での格差拡大、将来に対する不確実性への不安拡大の実態について詳らかにする。

目次

  • 第Ⅰ部 パネルデータで見るコロナ期日本の労働市場の軌跡
    • 第1章 コロナ禍における労働力をめぐる動向 (戸田)
    • 第2章 企業経営の動向と経済の概要 (中井・前田)
    • 第3章 コロナ禍に伴う働き方や意識の変化 (渡邊・多和田)
    • 第4章 雇用労働者における労働時間・収入の変動 (高見・山本雄)
  • 第Ⅱ部 パネルデータによる労働市場・働き方の変容と政策効果の検証
  • [パートⅠ] 個人の多様化と変化(就業形態・就業条件・リスクに対する意識)
    • 第5章 コロナ禍での正規転換 (周)
    • 第6章 コロナ禍での生活困難と支援制度の役割 (長松)
    • 第7章 自営業者の事業継続と生活・失職に対する不安 (仲)
  • [パート2] 企業の多様化と変化(採用と雇用調整、技術革新)
    • 第8章 コロナ流行初期の企業支援策と中期的な企業パフォーマンス (福田・山本勲)
    • 第9章 コロナ期の将来見通しの不確実性と雇用行動 (小林)
    • 第10章 コロナ禍でどのような企業が新技術導入を行ったか (荻島・権・児玉)
  • [パート3] 労働市場の多様化と変化(所得、労働時間、生活・仕事満足度)
    • 第11章 コロナショック後の所得変動 (黒川)
    • 第12章 コロナ期の働き方の変化とウェルビーイング (高見・山本雄)
    • 第13章 コロナショックにおける「レジリエンス」 (鈴木
    • 第14章 テレワークは転職を増やすのか (加藤・大竹)
  • 終章 全体の総括と雇用に関する政策提言 (樋口)

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