キャリア公務員の解雇容易に 5万人対象/トランプ氏
トランプ米大統領は18日、重要な政策決定や機密性の高い職務を担う連邦職員の雇用規則を改定し、解雇の容易な「任意雇用」区分に切り替えると発表した。対象は約5万人で、全職員の約2%に当たる。トランプ氏は「政府がついに企業のように運営される」とSNSにつづったが、意に沿わない官僚の排除が狙いとみられている。
新規則は、「業績不振」や不正・汚職、大統領命令への不服従を理由に「迅速な解雇」ができると規定している。「政府効率化」を掲げるトランプ政権は1月の発足後、試用期間中の職員解雇や、自発的な離職を呼び掛けるなどして公務員削減を推進。今回、官僚の政治的圧力からの保護を縮小し、さらに踏み込んだ。
米国では大統領が交代するたび、政治任用の職員3000~4000人が入れ替わるのが通例。ただ、トランプ氏は非政治任用の職員も標的にしている点や規模の面で異色だ。
トランプ氏はキャリア官僚に政策遂行を邪魔されたと不満を抱いており、「ディープステート(闇の政府)」と敵視。1期目の末期にも同様に、公務員を解雇しやすくする雇用区分を新設したが、バイデン前大統領によって撤廃された。
新たな区分案は、トランプ氏側近のミラー大統領次席補佐官や、ボート行政管理予算局長官ら、保守強硬派が主導。保守系シンクタンクがトランプ氏に忠実な人材を選考し、代替職員の候補を確保してきたとも伝えられている。
(ワシントン時事)
2025年4月19日