プラットフォーム労働者法案、従業員と同等の労災補償/シンガポール

[海外]

シンガポールで配車サービスや料理配達の単発の仕事を請け負うプラットフォーム労働者(ギグワーカー)の保護を目的としたプラットフォーム労働者法案の詳細が9日、議会で発表された。可決すれば、2025年1月1日以降、ギグワーカーは従業員と同等の労働災害補償を受け、ギグワーカーと雇用者は中央積立基金(CPF)への拠出が義務付けられる。10日付の経済紙ビジネス・タイムズが伝えた。

ギグワーカーはこれまで自営業に分類されていたが、従業員や自営業とは異なる法的分類「プラットフォーム・ワーカー」に分類される。

ギグワーカーと雇用者のCPF拠出率は、25年1月1日より5年間で段階的に引き上げる。CPF拠出は1995年1月1日以降に生まれた労働者に義務付けられる。95年以前生まれの労働者は、25年11月からCPFへの加入が可能。不加入を選択する場合でも、CPFの医療費積み立て「メディセーブ」への拠出は必要だ。

労働災害補償については、配車または食品配達のプラットフォームから得る純収入に基づいて計算する。配車と食品配達の両方に従事する労働者は、過去90日間に収入が多かった方の純収入に基づいて計算する。補償金の拠出方法については現在、議論されている。

低所得のギグワーカーに対しては25年以降、労働者への助成金「労働所得支援制度(WIS)」を毎月支給する。これは従業員への支援と同水準になる。

シンガポールのコー・ポークーン上級国務相は議会で、23年時点のギグワーカーは約7万人で、労働人口の3%を占めると説明した。

(シンガポール時事)
2024年9月10日