米雇用、55万9,000人増に加速 失業率は5.8%に改善/5月

[海外]

米労働省が4日発表した5月の雇用統計(季節調整済み)は、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数が前月比55万9,000人増となった。回復に急ブレーキがかかった前月(27万8,000人増に改定)から伸びは加速したものの、市場予想65万人増は下回った。失業率は0.3ポイント下がり、5.8%に改善。新型コロナウイルス危機後で最も低い水準となった。

就業者数の増加は5カ月連続。好調の目安とされる20万人を大きく超えた。ただ、手厚い失業給付などが復職を遅らせているとされており、雇用の回復と人手不足の解消に時間がかかる恐れがある。

業種別では、経済再開やワクチン普及を背景に、レストランなどの娯楽・接客業で29万2,000人増えた。部品の供給障害が響いていた自動車・同部品を含む製造業は2万3,000人増と、プラスに転じた。

コロナ危機直後に失業した人のうち、今なお約3割が復職できていない状況だ。一方、経済活動が再開する中、企業は労働者の確保に苦労している。一部の州は失業給付の上乗せ措置を9月の期限前に打ち切り、失業者の復職を促している。

中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は15、16両日に金融政策会合を開く。雇用回復やインフレ動向を見極めた上で、量的緩和策の縮小に向けた議論を始める可能性がある。

(ワシントン時事)
2021年6月4日