労働基準法施行規則の一部を改正する省令(厚生労働一五八)
2022年11月28日

厚生労働省令 第百五十八号

 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第二十四条第一項の規定に基づき、労働基準法施行規則の一部を改正する省令を次のように定める。

  令和四年十一月二十八日

厚生労働大臣 加藤 勝信

   労働基準法施行規則の一部を改正する省令

 労働基準法施行規則(昭和二十二年厚生省令第二十三号)の一部を次の表のように改正する。

(傍線部分は改正部分) 

改正後

改正前

第七条の二 使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金の支払について次の方法によることができる。ただし、第三号に掲げる方法による場合には、当該労働者が第一号又は第二号に掲げる方法による賃金の支払を選択することができるようにするとともに、当該労働者に対し、第三号イからヘまでに掲げる要件に関する事項について説明した上で、当該労働者の同意を得なければならない。

第七条の二 使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金の支払について次の方法によることができる。

 一・二 (略)

 一・二 (略)

 三 資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号。以下「資金決済法」という。)第三十六条の二第二項に規定する第二種資金移動業(以下単に「第二種資金移動業」という。)を営む資金決済法第二条第三項に規定する資金移動業者であつて、次に掲げる要件を満たすものとし て厚生労働大臣の指定を受けた者(以下「指定資金移動業者」という。)のうち当該労働者が指定するものの第二種資金移動業に係る口座への資金移動

 (新設)

  イ 賃金の支払に係る資金移動を行う口座(以下単に「口座」という。)について、労働者に対して負担する為替取引に関する債務の額が百万円を超えることがないようにするための措置又は当該額が百万円を超えた場合に当該額を速やかに百万円以下とするための措置を講じていること。

 

  ロ 破産手続開始の申立てを行つたときその他為替取引に関し負担する債務の履行が困難となつたときに、口座について、労働者に対して負担する為替取引に関する債務の全額を速やかに当該労働者に弁済することを保証する仕組みを有していること。

 

  ハ 口座について、労働者の意に反する不正な為替取引その他の当該労働者の責めに帰することができない理由で当該労働者に対して負担する為替取引に関する債務を履行することが困難となつたことにより当該債務について当該労働者に損失が生じたときに、当該損失を補償する仕組みを有していること。

 

  ニ 口座について、特段の事情がない限り、当該口座に係る資金移動が最後にあつた日から少なくとも十年間は、労働者に対して負担する為替取引に関する債務を履行することができるための措置を講じていること。

 

  ホ 口座への資金移動が一円単位でできるための措置を講じていること。

 

  ヘ 口座への資金移動に係る額の受取について、現金自動支払機を利用する方法その他の通貨による受取ができる方

 

法により一円単位で当該受取ができるための措置及び少なくとも毎月一回は当該方法に係る手数料その他の費用を負担することなく当該受取ができるための措置を講じていること。

  ト 賃金の支払に関する業務の実施状況及び財務状況を適時に厚生労働大臣に報告できる体制を有すること。

 

  チ イからトまでに掲げるもののほか、賃金の支払に関する業務を適正かつ確実に行うことができる技術的能力を有し、かつ、十分な社会的信用を有すること。

 

②・③ (略)

②・③ (略)

第七条の三  前条第一項第三号の厚生労働大臣の指定(第七条の六から第七条の八までにおいて単に「指定」という。)を受けようとする者は、申請書に、第二種資金移動業を営むこと及び同号イからチまでに掲げる要件を満たすことを証する書類を添えて、厚生労働大臣に提出しなければならない。

(新設)

第七条の四  指定資金移動業者は、第七条の二第一項第三号イからチまでに掲げる要件に係る事項のいずれかを変更するときは、あらかじめ、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。

(新設)

② 指定資金移動業者は、資金決済法第四十一条第一項の規定による変更登録又は同条第三項若しくは第四項の規定による変更の届出を行つたときは、遅滞なく、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。

 

第七条の五  厚生労働大臣は、賃金の支払に関する業務の適正かつ確実な実施を確保するために必要があると認めるときは、指定資金移動業者に対し、賃金の支払に関する業務の実施状況及び財務状況に関し報告を求め、又は必要な措置を求めることができる。

(新設)

第七条の六  厚生労働大臣は、指定資金移動業者が次のいずれかに該当するときは、指定を取り消すことができる。

(新設)

 一 資金決済法第五十五条又は第五十六条第一項若しくは第二項の規定による処分が行われたとき。

 

 二 前号のほか、第七条の二第一項第三号イからチまでに掲げる要件を満たさなくなつたとき。

 

 三 不正の手段により指定を受けたとき。

 

② 厚生労働大臣は、前項の規定により指定の取消しをしたときは、その旨を公告しなければならない。

 

第七条の七  指定資金移動業者は、次のいずれかに該当するときは、遅滞なく、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。

(新設)

 一 指定を辞退しようとするとき。

 

 二 資金決済法第六十一条第一項の規定による届出をしたとき。

 

② 指定資金移動業者が指定を辞退したときは、当該指定は、その効力を失う。

 

③ 指定資金移動業者が指定を辞退しようとするときは、その日の三十日前までに、その旨を公告するとともに、全ての営業所の公衆の目につきやすい場所に掲示しなければならない。

 

④ 指定資金移動業者は、前項の規定による公告をしたときは、直ちに、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。

 

第七条の八  指定資金移動業者について、第七条の六第一項の規定により指定が取り消された場合において、使用者の賃金の支払の義務の履行を確保するため必要があると厚生労働大臣が認めるときは、指定資金移動業者であつた者については、なお指定資金移動業者とみなして、第七条の二第一項及び第七条の五の規定を適用する。

(新設)

附則

この省令は、令和五年四月一日から施行する。