事業譲渡又は合併を行うに当たって会社等が留意すべき事項に関する指針の一部を改正する件(厚生労働一一)
2026年1月20日
厚生労働省 第十一号
事業譲渡又は合併を行うに当たって会社等が留意すべき事項に関する指針(平成二十八年厚生労働省告示第三百十八号)の一部を次の表のように改正し、事業性融資の推進等に関する法律(令和六年法律第五十二号)の施行の日(令和八年五月二十五日)から適用する。
令和八年一月二十日
(傍線部分は改正部分)
改正後 |
改正前 |
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第2 事業譲渡に当たって留意すべき事項等 |
第2 事業譲渡に当たって留意すべき事項 |
1・2 (略) |
1・2 (略) |
3 企業価値担保権に関する事項 |
(新設) |
(1) 管財人が行うべき事項等 |
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事業性融資の推進等に関する法律(令和六年法律第五十二号。以下「事業性融資推進法」という。)第百九条第一項の規定により選任された管財人(以下「管財人」という。)は、その職務を行うに当たっては、事業性融資推進法第百二十二条の規定に基づき、労働組合等に対し、債務者の使用人その他の従業者(以下この3において「労働者」という。)の権利の行使に必要な情報を提供するよう努めるとともに、次の事項を踏まえて対応することが適当と考えられるものであること。 |
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イ 管財人に関する基本的な考え方 |
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管財人は、企業価値担保権の実行手続開始の決定と同時に、裁判所によって選任され、裁判所が監督するものであること。 |
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また、管財人は、企業価値担保権者のみならず労働者も含めた利害関係人に対して、善良な管理者の注意をもってその職務を行わなければならず、買受人の選定が労働者の保護の見地から不適当であり、その注意を怠ったときは、労働者、労働組合等を含む利害関係人は裁判所に管財人の解任を請求できることとなることや、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する義務を負うこと。 |
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さらに、企業価値担保権の実行手続における管財人は、労働組合法上の使用者の地位を承継すると解され、労働組合から、その権限に関する事項に係る団体交渉の申入れがあった場合には、当該労働組合と誠意をもって交渉に当たらなければならないものとされていること。 |
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ロ 企業価値担保権の実行に関する事項 |
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個々の労働者に対して、労働者の団体交渉その他の権利の行使に必要な情報を提供すること。管財人が、労働組合等及び個々の労働者に対して情報提供を行うに当たっては、1の(2)のイに規定する事項に加えて、分割会社及び承継会社等が講ずべき当該分割会社が締結している労働契約及び労働協約の承継に関する措置の適切な実施を図るための指針(平成十二年労働省告示第百二十七号)第2の4に規定する事項を参考にすること。 |
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ハ 企業価値担保権の担保目的財産の換価としての事業譲渡に関する事項等 |
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企業価値担保権の実行における事業譲渡を行うに当たり、1の(2)及び2の(1)に規定する労働者、労働組合等との協議等を行うこと。 |
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なお、この3の情報提供等は、企業価値担保権の実行手続開始決定後、必要に応じて適宜行われること。事業性融資推進法第百五十七条第一項の規定による営業又は事業の譲渡については、事業を解体せず雇用を維持しつつ承継することが原則であること。譲受会社等の選定及び担保目的財産の換価に際しては、裁判所の許可を受ける必要があり、管財人には、事業譲渡の金額の多寡のみを問題にするのではなく、雇用の維持や取引関係の維持、その他多様な事情を考慮して最も適切な承継先を選定することが求められること。 |
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(2) 会社が行うことが望ましい事項 |
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会社(会社法第二条第一号に規定する会社をいう。以下この(2)において同じ。)は、企業価値担保権を設定する場合においては、会社が置かれている環境や経営課題等について、会社の状況に応じて労働者と意見交換を行い、労働者、労働組合等の意見も踏まえながら、労働組合等に対する情報提供等の促進に向けて取り組むこと。 |
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(3) 企業価値担保権者や特定被担保債権者に関する基本的な考え方 |
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企業価値担保権者や事業性融資推進法第六条第六項に規定する特定被担保債権者が、「基本的な労働条件等について、雇用主と部分的とはいえ同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にある」場合や、団体交渉の申入れの時点から「近接した時期」に譲渡会社等の労働組合の「組合員らを引き続き雇用する可能性が現実的かつ具体的に存する」場合等には、労働組合法上の使用者性を有する可能性があることに、留意が必要であること。 |


