パネルディスカッション

パネリスト
柿岡 明、髙田 直樹、奥村 英雄、眞鍋 裕人
コーディネーター
荻野 登
フォーラム名
第114回労働政策フォーラム「新型コロナと働き方の変化─就業意識の変化と在宅勤務の動向に注目して─」(2021年3月5日-8日)
パネリストの様子

荻野 討論の論点を三つ用意しました。在宅勤務やテレワークは第1回目の緊急事態宣言後に急拡大したわけですが、実施する前には、様々な懸念事項があったと思います。論点1として、その懸念事項がどういうものであったのか、また、生産性や働く者の意識、労働時間管理などの面における効果についてお話しいただければと思います。また、今後のウィズコロナ、アフターコロナに向けての課題についても切り分けてお話しいただければと思います。

論点2は、各社における中長期的な雇用システムの見直しについてです。各社テレワークを起点として人事制度や働き方の見直しと関連させてニューノーマルの働き方を展望されています。その延長線上には日本的な雇用システムの見直しも考えていらっしゃるかもしれません。そこで、それぞれの企業での中長期的な方向性や課題についてお話しください。

最後の論点3では、テレワーク・在宅勤務を推進するにあたり必要と思われる政府からの支援や政策要望について、述べていただければと考えています。それではソニーの髙田さんからお願いします。

論点1:テレワーク導入前の懸念事項や導入による効果

通勤時間では満足も、働く場所を選べない点がストレスに

髙田 事例報告でご説明したとおり、当社は2008年から在宅勤務制度を導入していますが、今回は大きな懸念事項もなく、在宅勤務を進めることができました。

一方で、これだけ長く在宅勤務がメインな働き方として続くとは思っていなかったこともあり、やはり社員の健康面は懸念しました。報告でも述べましたが、在宅勤務をしている社員の健康状態を確認するため、グループ会社に一斉にアンケート調査を実施しました。働く時間の長さやストレス度合いに関しては、かなり慎重に対応したと考えています。

社員の満足度という観点では、やはり通勤時間が短縮されたことで有意義な時間を確保できるようになったので、満足度は高かったのではないかと思っています。一方、当社はもともと生産性向上のために在宅勤務制度を導入していたこともあり、在宅か出社かを選べることが重要だと判断して、在宅勤務制度を2018年に大幅に拡充した経緯があります。今回のコロナ禍では、働く場所を選ぶことができないところが、社員にとってとてもネガティブな点となり、ストレスを抱える大きな要因となりました。

仕事の進め方を工夫しないと生産性が下がると実感

奥村 当社は在宅勤務を2010年頃から行っています。いわゆる「テレワーク」ではなく、本当の「在宅勤務」で、自らの疾病や育児・介護等を理由に在宅勤務ができる制度でした。自律的に働く、勤務場所を決められるというリモートワーク制度はコロナ禍前まではありませんでしたが、東京都が推奨していた「テレワーク・デイズ」に向け、当社としても「何かしなければいけないのではないか」ということで、トライアルを2回実施しました。

2019年の7月と11月にそれぞれ約2カ月間トライアルを実施して、生産性はどうなのか、マネジメントをどうするべきなのか、従業員はどのように感じるのか、そして、テレワークできる人とできない人の差は何なのか、といったことを検証しました。

結論としては、トライアルをすることで、「リモートワーク、テレワークは結構、有効活用できる」というように、従業員の意識が徐々に変わり始めました。そんなときに緊急事態宣言が発出され、トライアルではなく、本当に一挙に、全ての社員が在宅勤務になる状況となりました。

2回のトライアルの最中は、「生産性がとても上がった」などの意見が多く挙がりましたが、緊急事態宣言中の在宅勤務・テレワークでは、どちらかというと「生産性が上がらなかった」という意見が多く出ました。突然、在宅勤務をせざるを得なくなったことや、在宅勤務をする社員の受け手となる社員もほとんどが出社しないことで、業務の滞りが一部見られました。ですので、仕事の進め方をある程度工夫しないと、テレワークにおける生産性は上がっていかないのではないかと考えています。

緊急事態宣言中であってもテレワークによる恩恵を受けた社員は、介護や育児短時間勤務中の社員でした。こうした社員からは、在宅勤務をすることで両立が図られたという意見が多く寄せられました。これらの結果を踏まえ、緊急事態宣言が明けた7月から労使で話し合いを開始し、自律的に働く場所等を決めることができる柔軟な働き方で、生産性を向上させる施策が必要なのではないかということで、3カ月間の労使協議を経て、昨年10月にリモートワーク勤務制度を導入しました。

社員からは集中できる、気持ち的に自由との反応

眞鍋 当社は2016年に大きな人事制度改革をしました。成果を上げる自律した個を育む人事制度にしたいということで導入しています。

昔ながらの終身雇用を前提とした従属的な会社と社員の関係性を、可能な限り対等な関係性にしたいということを眼目にしており、そのなかにあって、社員に対して多様な価値観にも対応するあらゆる選択肢を用意し続けながら、社員にはしっかりと成果を上げていってほしい、そして自らの成長を図ってほしいという思いが根幹にありました。

テレワークについては、新制度導入時に国も1億総活躍社会という政策のなかで「働き方改革」を掲げた頃でしたので、これに沿った労使協議を行い育児・介護(その後、病気との両立支援も含む)に限った週1回のテレワーク、自宅勤務制度を導入しました。その後、選択肢を広げるという観点で、生産の製造ライン以外の全員に拡大し、コロナ禍において在宅勤務が推奨されたことから、利用日・利用時間の制限を撤廃しました。

その効果としては、集中して効率化が図れるという側面が出てきていると思いますし、いつでも利用できるようにしたことによって、気持ち的な自由度も加わったのではないかと思っています。

一方、課題として出てきているのが、いわゆるメンタル面です。一人きりになることが多くなることによる、メンタルの問題については、労働組合からも指摘を受けています。専門会社にも助言を受けながら、対策についての定期的な情報発信等を進めています。社員アンケートは行っていませんが、社員からの不満は今のところ出てきていません。

ただ、より働きやすい環境整備についての要望があがってきており、また、オフィスのあり方や評価のあり方について不安が少しずつ出てきているとは思っています。春の労使の協議でも、テレワークにまつわるシェアオフィスやサテライト勤務などについて話を広げていきたいと思っているところです。

荻野 3社ともこれまでの経緯を踏まえつつ、いろいろ工夫をされて、緊急事態宣言下でテレワークを実施したということがとてもよく分かりました。では、日本生産性本部の柿岡さんから、個人を対象とした意識調査を基に、この間浮かび上がってきた課題を整理してお話しいただければと思います。

テレワーカー個人の生産性よりチームの生産性を問うべきでは

柿岡 今パネリストの皆さんから課題感と効果についてお話がありました。効果については「生産性」という言葉が出ていましたが、それにかかわる調査結果をまずは紹介します。

自宅での勤務で効率が上がったかという質問をしたところ(シート1)、2020年5月の時点では約30%が上がったと答えました。言い換えると、30%程度の人しか効率が上がっていませんでした。それに対して、自宅での勤務に満足しているかという質問に対しては、5月の調査で約6割が「満足している」あるいは「どちらかといえば満足している」と、非常にポジティブな回答をしています。5月の発表時にこの結果がマスコミに取り上げられてたいへん話題になり、「在宅勤務で効率が上がっていないのに満足している人がこんなに多いのは何事だ」「この矛盾は一体どういうことなんだ」と、多くの記事に掲載されました。

ところが、調査を同年7月、10月、2021年1月と継続していくと、効率が上がったとする人の割合が伸び、直近の1月調査では、6割近くが「効率が上がった」と答え、満足度も当然上がりました。4月、5月は突然在宅勤務に切り替わったという状況ですので、準備ができていなかった、経験がなかったということで、最初は効率が上がらなかったというのが実情であろうと思います。

一方、満足感については、第1波のときから感染に対する不安を皆さん感じていたと思いますが、満員電車で押し合いへし合いしながら通勤するというのは通常でもストレスフルな状態です。それがコロナの第1波が押し寄せている状態のなかで通勤しなくて済むようになったというのは、非常に大きな恩恵です。満足感のなかには、仕事に対する満足だけではなく、通勤をしなくて済むことで感染を予防できるといった満足も含まれていたと考えています。

一つ、私からパネリストの皆さんにお聞きしたいことがあります。皆さんのお話のなかで「生産性」という言葉が出ましたが、私どもの調査では「効率」という言葉を使っています。あえて「生産性」という言葉を使わなかった理由は、「生産性」という言葉には、いろいろ色がついていて、「あなたは生産性が高いですか」と言われて、「低いです」とはなかなか言いにくい。「生産性」という言葉には、本人の人格や価値が含まれるニュアンスで受け取られがちなので、「効率」という言葉を使っています。

ただ、それでもなお、調査をやっていて不安に感じるところは、「テレワーク」の効率あるいは生産性と「テレワーカー」の効率あるいは生産性は、違うのではないかということです。つまり、テレワーカーとしての個人の生産性を問うことに果たして意味があるのか。本当は、生産性はチームとして、仕事の流れ全体のなかで考えるべきではないのか。4回の調査を経てそんな印象を持ちました。

そこで、パネリストの皆さんに、ご自身が評価をする際に、個人としてのテレワーカーの効率性あるいは生産性を問題にしようとしているのか、それともチームとしてのテレワーク、あるいは仕事の流れとしてのテレワークの効率性あるいは生産性を問題にしようとしているのか、どちらを中心にご覧になっているのかをうかがいたいと思います。

個人の生産性とチームの効率は二律背反ではない

髙田 当社では、組織の業務効率向上と、社員個人の生産性・アウトプットの向上という目的で、在宅勤務制度を導入しています。今お話しされた「生産性」と「効率」という言葉が両方入っているのですが、なかなか難しいなと思っています。まずは個人の生産性を高めること、これがテレワークという手法を使って必要だと思っています。その総和が最終的にはチームの効率運営に関わってくると思っていますので、二律背反ではないのではないかと考えています。

最終的には労働時間の削減につながった

一方で、個人の生産性の問題が、果たしてテレワークで解決できるのかというのは、当社もエンジニアが多数いますので、課題ではありました。昨年4月は、それまでやっていなかった社員も急遽テレワークになり、エンジニアの機材をタクシーで自宅に運んで、自宅を開発部屋に環境構築したケースもありました。

他方、エンジニアが集中できる環境をつくるにあたっては、テレワークという手法もなじみやすいということは、この1年を通じて実証できたのではないかと思っています。最終的には労働時間の削減につながっていますし、チームの効率的な運営にも寄与できるのではないかと思っています。ご質問に答えるとすると、当社の場合は、個人の生産性を上げるうえでテレワークは有効性が高いと判断していますし、チームの効率の向上にもつながっていると考えています。

個々人の生産性は柔軟な働き方を推進することで上がる

奥村 実は当社も、チーム全体の生産性が上がらなければ意味がないという考えから、2回目のアンケートのときに、テレワークにおけるチーム全体の生産性向上がどうだったか、また、チーム全体の生産性を上げるために何をしますかということを問いかけたうえで、2回目のトライアルを実施しました。

ある人の生産性が劇的に上がったとしても、それをチーム全体、総和で見たときに下がっているのであれば、あまり意味がないとの見方はご指摘のとおりです。緊急事態宣言後は、チーム全体、組織全体としてどのように運営していくのかというところにフォーカスして制度構築をしてきました。

個々人の生産性を上げるため、リモートワーク制度を導入すると同時に勤務制度も変えました。時間、場所を問わず柔軟な働き方を推進することで生産性が上がると考えています。生産性を阻害する要因をいかに少なくしていくかが、個々人の視点に立った際の当社の考え方になります。当社では、個々人の生産性を上げるというよりは、まずチーム全体としての生産性を上げると同時に、個々人にとって阻害する要因は一体何かと考え、また、それをどう解決していくのかという点にフォーカスして改革に取り組んでいます。

チームの生産性と個人の生産性を交互に追うようにするのが一番

眞鍋 個人に焦点を当てて、個人がイノベーションを創出することが自律ということのベースにあり、それが重要だとする当社の人事制度の考え方からすれば、やはり個人というプレーヤーに焦点を当てて、様々な環境を整備することが基本だと思います。新たなビジネスモデルやビジネスのプラットフォームを築くうえではどうしてもイノベーションが必要で、改善だけでは企業存続は非常に難しく、個の力に頼るということは間違いなくベースとしてあると思います。

その一方で、私自身はやはりチーム力をとても重視しています。天才は0から1を生みますが、1から100にするのは秀才だと思っています。努力して、いろんなことで知を得て、それを大きいものにする。いろんな人が目標を持って努力し、集うのが企業の原点だと思っていますので、私自身は、チームの生産性を追うのと個人の生産性を追うのを交互にやって、バランスをとっていくのが一番いいと思っています。

柿岡 ありがとうございます。3社の皆さんがそれぞれ個人の問題とチームの問題をきちんと分けて、深く考えていらっしゃることが非常によく分かりましたので、大変勉強になりました。生産性に対する健全な考え方をされているという印象を深く持ちました。

荻野 JILPTでは今回14社にヒアリングしましたが、テレワークの導入が生産性向上を伴うのかどうか、その見極めをしていて、試行錯誤しながら方向性を見出していきたいという企業が複数見られました。生産性向上という問題は、今後も大きな焦点になってくると思っています。

ツールを使えばコミュニケーションはとれる

それでは、論点1の後半に移ります。テレワークの体制を整備するうえで、労働時間の適切な把握や長時間労働防止をどうしていくのか。先ほどソニーの髙田さんも触れていましたが、健康管理については大きな課題となったかもしれません。それから、実務的な問題として、テレワークに関する費用負担の問題や、手当をどうするのかといった議論もあったかもしれません。

もう一つの大きな課題として、テレワーカーの成果をどう評価するのかという論点もあります。また、新入社員研修など教育訓練や、先ほども話に出ましたテレワーカーの孤立を防ぐためのコミュニケーションのあり方など、本当に多様な労務管理上の課題があります。ウィズコロナ、アフターコロナに向け、テレワークを定着させるためにこうした課題にどのように対応しようとしているのか、特徴的な取り組みも含めてご紹介いただければと思います。

奥村 当社が行ったアンケート結果では、コミュニケーションやマネジメント、評価などの問題が課題として浮かび上がりました。コミュニケーションについては、リアルタイムでの適切なコミュニケーションが取りづらかったとの意見があった反面、Google MeetやZoomといったツールを活用するとそれなりにコミュニケーションが取れるということも分かりました。管理職がこれらのツールを適切に活用できれば、それなりにコミュニケーションは取れると思いました。さらに、ワン・オン・ワンではないですが、適切にツールを用いた面談等を繰り返すことで、部下の心理的安全性も担保できると考えていますし、会社としても推奨しています。

一方、難しい点ですが、労働時間管理は当社としても気になるところであり、基本的に従業員がどのような勤務をしているかについては「見える化」するツールを用いて把握していますが、従業員の立場からすると、監視されているようであまりうれしくないという意見もあります。最近は、そもそも時間で管理すること自体、すでに無理があるのではないかと思っています。処遇についても時間で評価するやり方を変えていく時期に来ており、実際に会社として変えていこうと考えている最中です。

管理職からすると、部下の評価はなかなか難しいと言います。ただ、社員が会社に来て、机に座っているからといって本当に仕事しているかどうかは正直分からない。評価のあり方ももう少し抜本的に見直す必要があるのではないかということで、来年度中の制度再構築を目指していきたいと考えています。

地方の社員などリモート研修にもメリット

教育訓練については、昨年4月に大卒で400人以上の新入社員が入社しましたが、新入社員教育は5月20日頃までは全てフルリモートで行いました。新入社員の教育訓練もやる気になればフルリモートでも可能だと実感しましたし、その後のほぼ全ての研修をリモートに切り替えたのですが、アンケートなどを取ると意外に満足度が高い結果が出ています。リアルに集まることはメリットもありますが、地方から来る人にとっては研修所に一堂に会さないと研修が受けられないというデメリットもあります。さらに、Zoom等のツールを活用することによって、研修での個々の議論が深まる面もあります。

サテライトオフィスの活用等については、当社ではコロナ禍が始まる前からいくつか借りており、サテライトオフィス勤務を推奨していました。当初の目的は、営業が得意先から得意先へ行く間にわざわざ会社に戻らなくても済むようにするためです。今後も推奨していきますが、そもそも当社では「在宅勤務」「サテライトオフィス勤務」「モバイル勤務」の三つの総称を【リモートワーク制度】としており、リモートワーク制度の目的を、多様な人財が能力を発揮して、仲間と連携しながら、特に時間と場所を柔軟に活用して自律的に効率的に働くこととしています。ただ、残念ながらコロナ禍で、特に緊急事態宣言が発令されるとサテライトオフィスにも来られない状況になりますが、解除されれば、フェイス・トゥ・フェイスを再開し、お得意様などもサテライトオフィスに来ていただきたいと考えています。

リモートワークにおける職種間での不公平感については、当社では勤務体制別にリモートワーク制度に制限を設けています。勤務制度は、①タイムカードでの勤務②フレックス勤務③企画型裁量労働④専門型裁量労働――の四つがあり、それぞれ、職種や等級などに応じて適用しています。例えば営業企画では裁量労働で、リモートワークが必要な働き方です。職種によって勤務制度があり、その勤務制度に応じてリモートワーク制度を適用しているので、仕事によっての差異だと従業員は認識していると思います。

長時間労働になることには不安がある

眞鍋 私からはまず労働時間に関してお話ししておきたいと思います。当社では、管理職を含めて長時間労働の問題がかねてからあり、2019年3月にかなり厳しい労働時間に関する遵守すべき事項を設け、2年近く取り組んできました。

もともと、テレワーク・自宅勤務制度で週1回の回数制限を設けたり、休日は使えない、1日の所定就業時間の8時間以内しか勤務できない、などの制限を設けたりしたのは、実は、長時間労働を防止するためでした。そういったこともあり、フルで利用時間、利用日を開放することには、長時間労働の問題がまた勃発するかもしれないという不安が少しあります。

労働時間についてコロナ前とコロナ後を比較してみたところ、社員の申告制ですが、実際には増えています。ただ、大きくは増えていません。適正な申告をしていない可能性はもちろんありますので、この3月から、申告制の画面のなかでPCのログオン・ログオフ時間を本人と上長が確認できるシステムを導入しています。事業所の入退館記録は以前から見られるようになっていますので、それと合わせて情報管理できるようになっています。

出社と違って、自宅などでの勤務だとある意味では自由にできますので、自律化という意味では正しいことなのでしょうが、緩みが出てくる可能性もあります。その点については引き続き注視していきたいと思っています。

環境整備面では、各社と同様、通勤手当や職種別手当の問題などについて、模索していきたいと思っています。シェアオフィスについては今、ごく一部の社員でトライアルを実施しているところです。

社員の自律化が進まなければ会社自体の存続問題に

視聴者の方から、関連するご質問を事前に二ついただいているので、お話ししたいと思います。一つは「事例報告での今後の検討に当たっての視点のところで述べた、個人が会社にすがり過ぎる結果になるならテレワークを廃止することもあり得るとの点について、個人が会社にすがりつくとは具体的にどのような状況を想定しているのですか。テレワーク廃止と社員の自律化推進は相反する方向にあると思われますが、どのように調和させていくお考えですか」という内容です。まず、テレワークを廃止したいと心から思っているわけではありません。そのうえで、テレワークを推進しても社員の自律化が進まず、成果につながらなかったときには、企業自体の存続問題になると思います。そのときには、現実的に従業員に危機感を醸成していくような方策で、自律化させる方向を考えなければならないと思います。

もう一つ、「テレワークの利用日、利用時間を撤廃するなかで適用除外を設けたという話のところで、社が求める生産性発揮の程度が低い者を除外するとしていますが、具体的な判断基準は社内で示されているのか。また、生産性についてどのように可視化されているのか、運用面の実績を教えてください」という質問ですが、制限を撤廃するなかで、社員に対してテレワークすることを権利にしてしまうと、緩い運用に流れる可能性もありますので、初めはこういう条件を設けたほうがいいと思って盛り込みました。また、「会社が求める生産性発揮」の内容としては、当社の就業規定である普通解雇のところに書いている表現をあえてそのまま使っています。ただ、当然ですが、生産性発揮ができないから解雇するということは全くありません。適材適所での配置を考えていくとともに、毎年改善計画を出してもらって上司と一緒になって改善していくなどの努力をしてもらっています。自分自身の自律化をしっかりと図っていくことを促すためのメッセージと捉えていただければと思います。

研修コンテンツの8割をリモートで受けられるものに

髙田 テレワークの定着に向けた課題ということで、先ほど社員個人の生産性・アウトプットの話をしましたが、社員個人が力をどう最大限に発揮できるかというところが、当社の基本人事理念として大変重要だと考えています。コロナ禍においては人材育成という観点で、社員が学ぶ機会をどのように会社として支援していくか、その場の提供というところに少し工夫をしました。

これまでは出社と在宅という二つの勤務手法があったので、特段、研修について何か工夫する必要はなかったのですが、メインが在宅勤務になりましたので、研修のあり方を最大限見直して、リモートで受けることができるコンテンツを全体の8割に急遽切り替えました。また、昨年入社した新入社員については、新入社員研修も最初からリモートで実施できるような仕組みを取り入れました。

本採用のときに、当社では新入社員一人ひとりが、ポスターセッションといって、リアルにポスターを作って、先輩社員や上司を含めて誰もが新入社員が決めた3カ月のテーマを見ることができる取り組みを毎年行っています。そのポスターセッションも今回はオンデマンドで行いました。

また、本社の研修施設に集い、外部内部問わずセミナーを開催しているのですが、今回よかった点としては、これまでは研修施設に来られる社員だけそのセミナーに参加できていたのですが、リモート会議機能を使って開催することによって、国内グループ会社の社員も受講することができるようになりました。これまでは百数名程度が参加していたものが、1,000人近くのグループ社員が見られるようになったのは好事例だと考えています。

もともと役割で評価してきたので課題は生じず

当社では、時間ではなく成果で評価する形で様々な人事制度をつくっています。2015年にジョブグレード制度を導入し、社員の役割に応じて処遇するという制度設計で評価制度を変えました。そうすることで、テレワークで社員の顔が見えなくても、結果的に成果を評価するというやり方をこの5年以上も続けていますので、特段、コロナ禍における評価で課題があったとは認識していません。

また、いわゆるジョブ型の雇用管理に関しても、一人ひとりのジョブディスクリプションを書いているわけではありませんが、今説明した役割で処遇をするなかで、ジョブが変わるタイミングでチームのなかでどういった役割を期待しているか、定義書を書いてジョブグレードを認定するというプロセスを設けています。評価や昇格などにおいて、コロナ禍で何かトラブルがあったというようなことはありませんでした。

視聴者の方から、食堂の利用減少について質問をいただきました。当社も食堂施設を設けており、社員の出社数が減ることによって、なかなか食堂運営自体が難しくなっているという現状がありました。そうしたときに、いわゆる出社数を毎日割り出し、また、何人が食堂を利用しているか数字を追うようにして、それに応じてメニューを調整するといったようなことを昨年6月から実施しています。

また、職種による不公平感がありませんかという質問もいただきました。職種は多数ありますが、テレワークも活用の仕方次第だと思っており、例えば、音や映像の確認をするエンジニアであれば会社に来なければ仕事ができませんので、そういった社員の場合には、家でできる業務と会社でしかできない業務をしっかりと洗い出し、チームのなかで共有してチーム全体で出社計画を立て、必要な者に出社してもらうという運用を行っています。

論点2:人事制度や働き方の今後の方向性

日本的雇用慣行は変革すべき

荻野 それでは、論点2に移ります。3社のお話では、アフターコロナの視点も含めて、人事制度改革などについてのビジョンが示され、「ジョブ型」という言葉もキーワードとして出てきました。また、労働時間管理では、個人の自律性を重視するという方向とのお話もありました。これらを合わせて考えていくと、日本的雇用システムのあり方について、新たな将来像が見えてくるのではないかと思っています。第1部の報告の内容を補強していただくような形で、新しい方向性についてお話しください。

眞鍋 報告の最後にお話ししたところが、論点2に該当するところになります。自律した個から始まって、会社と社員の対等な関係性を築くという5年前の人事制度改革がベースにあって、時間や場所にとらわれず、自律した社員が自分の成長と社業への貢献を図っていくというのがきれいな姿だと思います。

一方、社会的には高齢化の問題があり、70歳までの就業機会の確保や、公的年金の確保の観点からの年金支給開始年齢の引き上げに向かうかもしれません。また、雇用の安定化という意味からの労働力移動に国の政策が向かうかもしれません。そのあたりも総合的に考えながら、テレワークの進展だけでなく働き方について考えるべきだと思っています。

働き方や時間・場所にとらわれず、しっかりと成果を上げていくということを前提に置くと、やはり従業員自身が強くならなければいけない。企業側からすると、もし社員の成長が不足するならば、広く労働市場から人財を獲得していく必要がある。こうした観点から、バランスよく、その時々に適切な施策を打っていくべきだと考えます。日本型の終身雇用的な考え方で取ってきた人事・報酬制度は当然、変革させなければいけないですし、それを引きずってしまうと、イノベーションにつながっていかない可能性があります。

ジョブ型を意識した職系を選ぶ人はまだ多くない

論点2のテーマに関連した質問を視聴者からいただいていますので、ここでお答えしたいと思います。質問は「チーム力の維持とジョブ型への移行は相反する要素を有すると思われますが、具体的にどのように両者の調和を図っていく方向をお考えですか」という内容です。

当社の現状を言うと、昔から、いわゆる終身雇用型で期間の定めのない職系を持っています。それに、ジョブ型を意識した、職務・勤務地や賃金の市場プライスに応じて単年度ごとに契約する雇用形態を導入して約20年になります。後者は、当社にない技術を持った人財をタイムリーに補強し獲得していくことを目的として導入しました。

ただ、現実には、好んでジョブ型を選択する人はまだそれほど多くない。報酬が少し低くても、いわゆる期間の定めのない契約を狙う意識が強い。この部分については、将来、テレワーク勤務や従業員の自律化、労働者の移動が進んでいけば、変わってくると思いますし、プロが育つ環境が社会全体の動きの中で出てくるのではないかと思います。

個の自律のポイントは人材の多様性の担保

奥村 日本型雇用の限界や、時間で管理することなどについては、コロナ禍前から課題であったことであり、コロナ禍によって浮き彫りになったと考えています。当社でも、実は私の上司である副社長が約30年前から「自律した個」と言っていて、同じような考え方がエーザイさんにもあるのだと驚いていたところです。当社も、自律的に自分自身のキャリアを描いて、多くの仕事のなかから自らキャリアを選択して、そして、自分自身の成長と同時に会社の業績向上につなげられたらと考えています。その際にポイントとなるのは、働き方も含めた人財の多様性をいかに担保していくのか。多くの仕事のなかから自らキャリアを選択する、そして、個人が成長していくといった観点からみると、ジョブを意識した働き方への移行というのは避けて通れない。

当社の人事制度は今、職能等級制度ですが、ジョブを基軸とした、職務や役割といったものを基軸とした制度にシフトせざるを得ないと思っています。同時に、これは今後の会社の関わり方なのですが、従業員が自律的にキャリアを描くのであれば、会社がそれをどうやってサポートするか。サポートする仕組みを入れていって、従業員のモチベーションをさらに高めていく必要があると考えています。

副業・兼業制度の導入も視野

多様性では、社内外の人財が交流して、多様な価値観を受容しつつ、そういうなかからイノベーションを創出していく必要がある。自らの意志でやりたい仕事にチャレンジするといったところを考え、副業・兼業制度の導入も視野に入れています。実は今、人財活用という切り口の一つとして、組合と交渉中です。副業・兼業は、社内FA制度、インターン制度、社内副業など社内もしくはグループ内で行う社内副業・兼業制度と、本当に社外で行う副業を想定しています。

また、45歳以上を対象に、独立や転職を支援する「セカンドキャリア支援制度」をずいぶん前から入れていますが、その一環として、45歳以上のセカンドキャリア副業・兼業もいいのではないかと考えています。平日に週2日ぐらい、セカンドキャリアの人に副業で働いてもらいながら、ネクストキャリアを模索することが可能な仕組みにしたいと考えています。

年金制度も会社と社員が向き合える確定拠出型に移行

髙田 当社も自律した個というところは、とても重要だと思っています。以前から、自分のキャリアは自分で築くという企業文化が浸透しており、1966年から社内募集制度を運用しています。第1部の報告のなかでも紹介したとおり、上司の許可なく、自ら手を挙げて他部署へエントリーすることができる仕組みが整っており、自分のキャリアをつくることができるのが特徴です。

会社と社員が都度向き合って、お互いに選び合い応え合う関係でないと、新しい世界では成り立っていかないと考えています。年金制度についても、以前は確定給付年金(DB)でしたが、一昨年、確定拠出年金(DC)に全面移行しました。DBは終身雇用に根づいているというところがありますので、年金においても、会社と社員が都度向き合えるような形に変更しました。

社員の帰属意識という点について、創業者である盛田は、入社式で常に「ソニーに入ったことをもし後悔するのであればすぐ辞めなさい」と述べていました。人生は一度しかないので、この会社で働くということを自身で考えるのがキャリア・スタートの原点だと当社では考えています。

新しい働き方という点では、コロナが落ち着いた後でも、以前のような形には戻らないと考えており、出社と在宅のハイブリッドな勤務制度は成り立っていくと思っています。何のために出社するのか、何のために在宅勤務をするのか、働く場所はどこなのかというところを、個々人、チームが考えていくことで、新しい働き方が構築されていくのではないかと思っています。サテライトオフィスは重要な手法だと考えており、現在も幾つかあるのですが、ソニー株式会社の社員だけではなく、グループ全体の社員が集えるような、さらなるシナジーが生み出されるような場所の提供を今後は実現していきたいと考えています。

この1年間でOff-JTを受けた人は1割未満

荻野 ありがとうございました。では、柿岡さんから、就業意識が変化するなかで、今後の人事評価やOJT/Off-JTの手法、あるいは勤務形態等でどのような新たな動きがあるか、日本生産性本部の調査結果よりご紹介いただければと思います。

柿岡 今日参加している3社は、本当に早くから社員の自律などに取り組んでいる一流企業だと思います。ただ、今日、視聴している皆さんの会社は、全てそういった会社というわけではないと思いますので、私からは、日本全体、雇用者全体ではどうなっているのかという概観を調査結果からお話ししたいと思います。

そもそも日本型雇用慣行の現状はどのようになっているのか。日本型雇用慣行における人材育成は、自分でキャリアを形成するというよりも、育成を会社に任せ、会社に従って異動し、経験を重ねながら育成されるものだと思います。会社が人材育成の責任を持つ形です。

10月と1月の調査結果において、オンライン/オフラインを問わず直近1年間のOff-JTの受講有無を問うたところ(シート2)、割合は1月の調査で7.5%にとどまっていました。おそらく、今まで実施していた集合研修が、コロナ禍によってできなくなってしまったことが背景の一つにあると思いますが、いずれにしても、大企業の社員でも9割近くがOff-JTを受けていないというのはゆゆしき数字だと思います。会社に育成を任せているのに、その会社がやってくれていないということになります。

唯一希望がもてるのは20代、30代の自己啓発意欲

日本の人材育成はもともとOJT中心であり、Off-JTはあまり行っていないという見方もあります。そこで、コロナ禍以降でOJTを行う機会の増減があったかどうか尋ねる設問も入れてみました(シート3)。結果から私が非常に懸念しているのは、コロナ禍以前からOJTをそもそも行っていないという人が全体の42%にのぼっている点です。調査票を設計する際、正直、この選択肢を入れるかどうか迷いました。この選択肢を入れても誰も選ばないだろうと思っていたからです。しかし、蓋を開けてみると、実に40%以上の人がOJTを行っていないと答えました。Off-JT、OJTのどちらも低調になってきているということで、企業は人材育成力を喪失しつつあるのが現状ではないかと思います。

会社が育成してくれないなら、自律した個としては自分で勉強するしかないという考え方もあるので、自己啓発についても10月と1月に調査しました。10月調査では、現在自己啓発を行っている人は15.6%、1月でも20%であり、自己啓発も低調です。

唯一希望が持てるデータが、年代別の結果です。性別を問わず30代で、自己啓発に非常に前向きな人が多いという結果が出ています。20代がそれに続いており、この世代の自己啓発への意欲を摘まないように、潰さないようにしていただきたい、育てていただきたい、というのがこの調査から感じることです。

論点3:政府や政策に対する要望

社員の自律化のために裁量労働制は導入しやすくしてほしい

荻野 最後の論点3になります。テレワークを進めるうえで、様々な政策的なサポートも必要かと思いますし、また、今後の日本的な雇用慣行の見直しに向けて、政府にこういうことをやってほしいとか、今ある政策をこういうふうに見直してほしいというような具体的な要望がありましたら、お話しいただければと思います。併せて、言い残したことがありましたら触れていただいても結構です。

眞鍋 社員の自律化や自己裁量を高めるという意味で、専門業務型裁量労働制や企画業務型裁量労働制をもう少し導入しやすくすることを望みます。さらに、高度プロフェッショナル制度については、もともとのホワイトカラーエグゼンプションレベルを対象範囲にしてもらえれば、より社員の自律化につながると思っています。

今の労働法制は、事業所ベースでいろいろなものが管理されていますが、テレワークの普及は「そういう時代ではなくなる」というメッセージだと思っています。事業所にこだわらない管理の仕方を模索したほうがいいという感じがします。

先ほどソニーの髙田さんから年金制度のDBからDCへの全面移行についてのお話しがありましたが、過去の厚生年金基金の解散と同じく、年金制度の改定は企業にとって非常に難易度が高い。終身雇用を前提としたDBを変えることの高いバーを変えていただかないと、本質的な終身雇用制からの脱却にはならないのではないかと考えています。

奥村 企画業務型の裁量労働に関しては使い勝手が悪くなっていますので、対象業務を拡大すると同時に、高度プロフェッショナル制度についてももう少し使い勝手をよくしていただかないと、誰も使わない制度になってしまうのではないかと危惧しています。

一方、副業・兼業も含めて、さらに人材の流動化が拡大していくのであれば、解雇の金銭解決についてもどこかで視野に入れて、議論していかないと、会社としてはなかなかやりづらいのが実情です。ぜひ政府は具体的な方策を探っていただきたいです。

最後に、これは政府に対してではないのですが、採用の仕方もジョブ型という観点から考えると、就職協定や一括採用といったものがまだ残っていますので、一つひとつ変えていかないと、日本だけが取り残されていくのではないかと危惧しています。

事業所単位の書類の提出は見直しを

髙田 特に労働基準法では、労働時間の遵守という側面が強いと認識しています。昨年、高度プロフェッショナル制度を導入しましたが、かなりハードルが高く、時間を要しました。裁量労働制と高度プロフェッショナル制度の二つはテレワークとの親和性も高いと思いますので、今後、法律をどう改正していくか、焦点にしてほしいと考えています。

細かい話ですが、私もそうだなと思って聞いていたのが、事業所単位についてです。36協定などは事業所単位で提出していますが、どの事業所でも内容は一緒ですので、もう少し工夫していただけるとありがたいです。ユニオンショップ協定を結んでいる労働組合があれば一括協定で済むかとは思いますが、当社の場合はオープンショップですので、一括で済ますのが難しかったりします。

まだまだ個人や企業が工夫することでできることがある

荻野 最後に日本生産性本部の柿岡さんから、テレワークを今後、拡大・定着させるためにはどのような支援策が必要か、お話しいただければと思います。

柿岡 研究報告で、日本のテレワークの実施率は2割程度で定着しそうだとお話ししました。規模別では大企業が中心で、地域別では首都圏が中心になっています。雇用形態は正社員・正職員が中心で、非正規の人はテレワークから外されているのが現状です。

テレワークを拡大するためにやらなければいけないことはいろいろあると思います。報告では、自宅の環境があまりよくないので、サテライトオフィスやシェアオフィスが居住地近くである郊外にもっとできると広がるのではないかとお話ししました。

政府、政策への要望を述べる場ではありますが、政府や政策に頼るのではなく、まだまだ企業にできることがあるのではないかとあえて申し上げたいと思います。今日のパネル討論をうかがって、この実感はさらに深まりました。確かに職種や業務内容によるテレワーク実施率の差は、なかなか埋めがたいものがありますが、ソニーの髙田さんが先ほど「職種別に確かに不公平感はあるが、"家でできる仕事は何か、会社でしかできない仕事は何か"を深く考えて、チームで解決する」とおっしゃったことがとても印象に残りました。今までできないと言われていた職種でも、実はもうひと頑張り・ひと工夫すれば、在宅でできる仕事もあるかもしれないということを示唆されたように思います。

コロナ禍の下での在宅勤務やテレワークは、まさに命を守るための取り組みですから、ここで本気にならなくていつ本気になるのでしょうか。命を守るために一人ひとりと会社の両方が工夫していくことが求められています。

荻野 ありがとうございました。今日は本当に幅広い論点から議論ができたと思います。コロナ禍が続くなか、ニューノーマルを展望して、個人の働き方の見直しとDXの促進に向けた企業の業務改革が不可欠となってきています。今回のフォーラムがその参考になれば幸いです。