賃上げ率は3.60%で1994年以来の3%台に
 ――2023年「民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」

国内トピックス

厚生労働省がさきごろ発表した2023年「民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」によると、賃上げ率は3.60%となり、1994年以来の3%台を記録した。平均妥結額は1993年以来30年ぶりに1万円を超えた。

平均妥結額は前年比4,347円増の1万1,245円

集計したのは、妥結額(妥結上明らかにされた額)などを把握できた資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合のある企業364社。

それによると、平均妥結額は1万1,245円で、前年の6,898円を4,347円上回った。平均妥結額が1万円以上となるのは1993年(1万1,077円)以来のこと。現行ベース(交渉前の平均賃金)に対する賃上げ率は3.60%で、前年の2.20%を大幅に上回るとともに、3.13%を記録した1994年以来29年ぶりに3%台に乗せた()。

図:民間主要企業春季賃上げ率の推移(1989年以降)
画像:図

(公表資料から編集部で作成)

産業別の賃上げ率を高い順に並べると、「造船」5.37%(妥結額1万8,144円)、「精密機器」4.92%(同1万7,070円)、「繊維」4.62%(同1万5,027円)、「機械」4.33%(同1万3,593円)、「電気機器」4.17%(同1万3,424円)、「金融・保険」4.15%(同1万3,092円)、「化学」4.07%(同1万3,929円)などの順となっており、4%台以上の賃上げ率となった産業も多い。

(調査部)