過去1年間にメンタルヘルス不調で連続1カ月以上休業した労働者・退職した労働者がいた事業所の割合は13.5%
――厚生労働省の2025年「労働安全衛生調査(実態調査)」結果
国内トピックス
厚生労働省が8月7日に発表した2025年「労働安全衛生調査(実態調査)」結果によると、2024年11月1日からの1年間にメンタルヘルス不調により連続1カ月以上休業した労働者・退職した労働者がいた事業所の割合は13.5%で、前回の2024年調査から0.7ポイント増加した。同割合は、労働者規模「500~999人」の事業所では9割近く、「1,000人以上」では9割以上に及んでいる。産業別では「情報通信業」(37.4%)が最も高くなっている。
調査は事業所調査と個人調査からなる。事業所調査は、常用労働者10人以上を雇用する民営事業所で無作為に抽出された約1万4,000事業所を対象に実施。個人調査はそれらの事業所で雇用されている常用労働者などから抽出した約1万8,000人に対して実施した。調査対象期間は原則として2025年10月31日現在。有効回答数は事業所調査が8,054、個人調査が8,393となっている。
メンタルヘルス不調により退職した労働者がいた事業所の割合は6.5%
過去1年間(2024年11月1日~2025年10月31日)にメンタルヘルス不調により連続1カ月以上休業した労働者・退職した労働者がいた事業所の割合は13.5%で、前回の2024年調査の12.8%からやや増加した。
このうち、連続1カ月以上休業した労働者がいた事業所の割合は前回調査(10.2%)とほぼ同じ10.8%。退職した労働者がいた事業所の割合も前回調査(6.2%)とほぼ変わりがなく6.5%となっている。
また、メンタルヘルス不調により連続1カ月以上休業した労働者の割合は0.6%(前回調査0.5%)で、退職した労働者の割合は0.2%(同0.2%)となっている。
連続1カ月以上休業した労働者・退職した労働者がいた事業所の割合は「1,000人以上」では92.9%
これらの結果を事業所規模別にみると、過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1カ月以上休業した労働者・退職した労働者がいた事業所の割合は、「10~29人」が6.8%、「30~49人」が18.3%、「50~99人」が26.8%、「100~299人」が54.6%、「300~499人」が82.4%、「500~999人」が89.7%、「1,000人以上」が92.9%となっており、300人以上の各規模区分では8割以上となっている。
このうち退職した労働者がいた事業所の割合をみると、「10~29人」が3.8%、「30~49人」が8.1%、「50~99人」が9.8%、「100~299人」が24.7%、「300~499人」が39.5%、「500~999人」が56.3%、「1,000人以上」が70.3%となっており、500人以上の規模区分では5割を超える状況となっている。
「情報通信業」が37.4%で最も高く、「学術研究、専門・技術サービス業」(27.0%)が続く
産業別にみると、過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1カ月以上休業した労働者・退職した労働者がいた事業所の割合は、「情報通信業」が37.4%で最も高い。また、「学術研究、専門・技術サービス業」(27.0%)、「電気・ガス・熱供給・水道業」(26.2%)、「複合サービス事業」(25.5%)、「金融業、保険業」(24.3%)、「サービス業(他に分類されないもの)」(21.1%)が20%を超える割合となっている。
このうち、連続1カ月以上休業した労働者がいた事業所の割合をみると、「情報通信業」が32.7%で最も高く、次いで「電気・ガス・熱供給・水道業」(25.3%)、「複合サービス事業」(21.9%)、「学術研究、専門・技術サービス業」(19.9%)、「金融業、保険業」(18.1%)、「製造業」(16.2%)、「サービス業(他に分類されないもの)」(15.7%)などの順で高くなっている。
退職した労働者がいた事業所の割合では、「情報通信業」(17.5%)を筆頭に、「金融業、保険業」(14.0%)、「複合サービス事業」(10.5%)、「学術研究、専門・技術サービス業」(10.3%)、「サービス業(他に分類されないもの)」(10.1%)、「医療、福祉」(9.3%)などと続く。
メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は63.0%
メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は63.0%で、前回調査(63.2%)とほぼ同じ割合。事業所規模別にみると、労働者50人以上の各規模区分では90%台に及ぶものの、「30~49人」になると72.0%と7割台、「10~29人」になると54.6%と5割台に低下する。
取り組みの内容(複数回答)をみると、「ストレスチェックの実施」が64.0%(前回調査65.3%)で最も高く、次いで「職場環境等の評価及び改善(ストレスチェック結果の集団(部、課など)ごとの分析を含む)」が52.8%(同54.7%)、「メンタルヘルス不調の労働者に対する必要な配慮の実施」が52.5%(同47.9%)、「メンタルヘルス対策に関する事業所内での相談体制の整備」が48.3%(同46.1%)、「メンタルヘルス対策に関する労働者への教育研修・情報提供」が35.6%(同36.8%)、「メンタルヘルス対策の実務を行う担当者の選任」が35.1%(同34.5%)などとなっている。
「ストレスチェックの実施」の回答割合を事業所規模別にみると、労働者100人以上の各区分では9割以上(1,000人以上では100%)となっており、「50~99人」は85.7%、「30~49人」は58.4%、「10~29人」が55.9%。大まかな区分でみると、「50人以上」で89.8%となっている。
ストレスチェック結果を分析した事業所の割合は74.9%
ストレスチェックを実施した事業所のうち、「結果の集団(部、課など)ごとの分析を実施した」事業所の割合は74.9%(前回調査75.4%)で、実施していない事業所が22.4%となっている。
「結果の集団(部、課など)ごとの分析を実施した」事業所のうち、分析結果を活用した事業所の割合は78.1%(前回調査76.8%)。活用内容(複数回答)をみると、「残業時間削減、休暇取得に向けた取組」(49.9%)が最も割合が高く、「相談窓口の設置」(43.2%)、「上司・同僚に支援を求めやすい環境の整備」(38.5%)などと続いた。
80時間を超えたすべての月に面接指導を受けた労働者の割合は16.2%
個人調査の結果をみると、過去1年間(2024年11月1日~2025年10月31日)に1カ月間の時間外・休日労働が80時間を超えた月があった労働者の割合は1.4%で前回調査(1.5%)とあまり変わらない。
このうち、医師による面接指導の有無をみると、1カ月間の時間外・休日労働が80時間を超えたすべての月について医師による面接指導を受けた労働者の割合は16.2%で、前回調査の12.6%からわずかに増加した。
(調査部)
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