生活が「大変苦しい」「やや苦しい」との回答割合が児童のいる世帯で6割超、母子世帯で8割超に
――厚生労働省の2025年「国民生活基礎調査」からみる世帯の生活意識
国内トピックス
生活意識が「大変苦しい」または「やや苦しい」とする世帯は半数超の55.4%となっており、児童(18歳未満)のいる世帯では61.5%、母子世帯では82.1%にのぼることが、厚生労働省が7月15日に発表した「2025年国民生活基礎調査」の結果でわかった。また、世帯人員1人あたりの所得金額の平均は、「大変苦しい」とする世帯が192万3,000円なのに対し、「大変ゆとりがある」とする世帯は712万1,000円で、500万円以上の開きがあった。
国民生活基礎調査は国民生活の基礎的事項を調査するもので、2020年を除いて毎年実施している。大規模調査を3年に1度実施しており、今回の2025年は大規模調査の年にあたる。調査客体数は、所得と貯蓄の状況を尋ねる「所得票・貯蓄票」については2万7,901世帯で、集計客体数は1万6,921世帯となっている。
「大変苦しい」「やや苦しい」の合計割合は1998年以降、5割超えが続く
調査結果によると、生活意識について、「大変苦しい」とする世帯が23.2%、「やや苦しい」が32.2%、「普通」が38.5%、「ややゆとりがある」が5.2%、「大変ゆとりがある」が0.9%となっている。
「大変苦しい」と「やや苦しい」をあわせた割合は55.4%となっており、2024年調査からは約3.5ポイント低下しているものの、前回の大規模調査である2022年調査と比較すると4.1ポイント上昇している。
長期的な推移をみると、「大変苦しい」については、2001年以降はずっと2割を超えている。「大変苦しい」と「やや苦しい」をあわせた割合では、1998年以降、5割を超える状態が続いている(図表1)。
図表1:世帯の生活意識の年次推移

注1:1995年の数値は、兵庫県を除いたもの。
注2:2011年の数値は、岩手県、宮城県、福島県を除いたもの。
注3:2012年の数値は、福島県を除いたもの。
注4:2016年の数値は、熊本県を除いたもの。
注5:2020年は、調査を実施していない。
(公表資料から編集部で作成)
「児童のいる世帯」では「大変苦しい」または「やや苦しい」が61.5%
世帯の種類別にみると、「高齢者世帯」は「大変苦しい」が21.0%で、「やや苦しい」が31.1%、「児童のいる世帯」は同じ順で27.6%、33.9%、「母子世帯」は同じ順で43.4%、38.8%となっており、「母子世帯」では「大変苦しい」が4割以上に達している。なお、「高齢者世帯」とは、65歳以上の者のみで構成するか、65歳以上の者に18歳未満の者が加わった世帯を指す。
また、「大変苦しい」と「やや苦しい」を合わせた割合は、「高齢者世帯」では半数超に達する52.1%で2022年調査に比べて3.8ポイント上昇しているほか、「児童のいる世帯」では6割超の61.5%で同比で6.8ポイントの上昇。「母子世帯」では、82.1%と8割以上にのぼり、同比で6.8ポイント上昇している(図表2)。
図表2:各種世帯の生活意識(単位:%)

(公表資料から編集部で作成)
1世帯あたり平均所得金額は過去最高の増加率となる前年比7.3%増
次に所得の状況をみると、2024年の1世帯あたり平均所得金額は、「全世帯」では575万2,000円で、前年から7.3%増加した。前年比増加率は調査開始以来、過去最高となっている。
世帯の種類型別にみると、「高齢者世帯」が336万1,000円(前年比6.8%増)、「高齢者世帯以外の世帯」が700万7,000円(同5.1%増)、「児童のいる世帯」が857万3,000円(同4.5%増)となっている(図表3)。
図表3:1世帯あたり平均所得金額の推移(世帯の種類別)

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注1:2015年の数値は、熊本県を除いたもの。
注2:2020年は、調査(2019年の所得)を実施していない。
(公表資料から編集部で作成)
世帯所得の中央値は451万円
所得金額の階級別に世帯数の分布をみると、「100~200万円未満」が12.2%、「200~300万円未満」が13.5%、「300~400万円未満」が13.0%となっており、これらをあわせた100万円以上400万円未満は38.7%で4割弱となっている。中央値は451万円となっている(図表4)。
図表4:世帯数の分布(所得金額の階級別)

(公表資料から編集部で作成)
1世帯あたりの平均所得金額を世帯主の年齢階級別にみると、「50~59歳」が814万6,000円で最も高く、次いで「40~49歳」が761万8,000円、「30~39歳」が646万9,000円などの順。最も低いのは「29歳以下」で364万3,000円となっている。
世帯人員1人あたりの平均所得金額を世帯主の年齢階級別にみると、「50~59歳」が334万円で最も高い。最も低いのは「70歳以上」の204万1,000円となっている(図表5)。
図表5:1世帯あたりおよび世帯人員1人当たりの平均所得金額(世帯主の年齢階級別)

(公表資料から編集部で作成)
世帯人員1人あたりの平均所得金額は約259万円
1世帯あたりの平均所得金額を世帯の生活意識別にみると、「大変苦しい」が437万9,000円、「やや苦しい」が525万8,000円、「普通」が635万5,000円、「ややゆとりがある」が920万1,000円、「大変ゆとりがある」が1,296万7,000円となっている。
世帯人員1人あたりの平均所得金額を世帯の生活意識別にみると、「大変苦しい」が192万3,000円、「やや苦しい」が230万1,000円、「普通」が294万4,000円、「ややゆとりがある」が442万9,000円、「大変ゆとりがある」が712万1,000円となっている(図表6)。
図表6:1世帯あたりおよび世帯人員1人あたりの平均所得金額、平均世帯人員(世帯の生活意識別)

(公表資料から編集部で作成)
(調査部)
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