育児休業を開始した男性の割合が50.9%と5割以上に
――厚生労働省「2025年度雇用均等基本調査」
国内トピックス
厚生労働省が7月31日に発表した「2025年度雇用均等基本調査」によると、2023年10月1日から2024年9月30日までの1年間に配偶者が出産した男性のうち、2025年10月1日までに育児休業を開始した人の割合は50.9%と前回調査(2024年度)から10ポイント以上上昇するとともに、5割を超えた。また、同じ期間で育児休業を開始した男性がいた事業所の割合は57.1%と6割弱に達し、前回調査から15ポイント以上上昇した。
2025年10月1日現在の状況を調査
調査は、企業調査と事業所調査とに分かれており、企業調査については、日本標準産業分類に基づく16大産業に属する常用労働者10人以上を雇用している民営企業のうちから産業・規模別に層化して抽出した企業が対象。事業所調査については、同産業に属する常用労働者5人以上を雇用している民営事業所のうちから産業・規模別に層化して抽出した事業所が対象となっている。
原則として、2025年10月1日現在の状況について、2025年10月1日から10月31日までの間に実施し、企業調査では調査対象の6,000企業のうち3,077企業から有効回答を得た。事業所調査では、調査対象の6,300事業所のうち3,291事業所から有効回答を得た。
この3年間でみると20ポイント近く上昇
事業所調査によると、2023年10月1日から2024年9月30日までの1年間に配偶者が出産した男性のうち、2025年10月1日までに育児休業(産後パパ育休を含む)を開始した人(育児休業の申出をしている人を含む)の割合は50.9%で、前回調査の40.5%から10.4ポイント上昇した。なお、産後パパ育休とは、産後8週間以内に4週間(28日)を限度として2回に分けて取得できる休業で、1歳までの育児休業とは別に取得できる制度。
育児休業を開始した男性の割合は、近年は急ピッチで上昇している。2019年度(7.48%)までは10%未満だったが、2020年度には12.65%と10%を超え、2023年度に30.1%と30%台、2024年度に40.5%と40%台となり、この3年間で一気に20ポイント近くも上昇した(図表)。
図表:男性の育児休業取得率の推移 (単位:%)

注:2011年度は岩手県、宮城県および福島県を除く全国の結果。
(公表資料から編集部で作成)
一方、女性についてみると、同じ期間で育児休業を開始した人の割合は88.3%と前回調査から1.7ポイント上昇した。
育児休業を開始した男性がいた事業所の割合は57.1%
同じ期間で育児休業(産後パパ育休を含む)を開始した男性(育児休業の申出をしている人を含む)がいた事業所の割合は57.1%で、前回調査の41.0%から16.1ポイント上昇した。同割合も近年は急ピッチで上昇しており、5年前との比較で41.3ポイントの上昇、3年前との比較で32.9ポイントの上昇となっている。
一方、女性についてみると、同じ期間で育児休業を開始した人がいた事業所の割合は89.6%で、前回調査に比べ0.6ポイント高くなっている。
休業取得しやすい環境整備のトップは「相談窓口の設置等」
育児休業を取得しやすい雇用環境の整備状況(複数回答)をみると、「育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備(相談窓口設置等)」を行っている割合が40.1%で最も高く、「いずれも行っていない」が36.9%、「自社の労働者へ育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得に関する方針の周知」が35.1%、「自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供」が16.0%、「育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施」が6.9%となっている。
3歳までの子のための「短時間勤務制度」の導入割合は74.0%
3歳までの子の育児のための所定労働時間の短縮措置などの各種制度の導入状況(複数回答)をみると、「短時間勤務制度」が74.0%で最も回答割合が高く、次いで、「所定外労働の制限」(61.6%)、「始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ」(56.3%)、「育児休業に準ずる措置」(26.3%)、「フレックスタイム制度」(25.0%)、「テレワーク等」(16.1%)などの順となっている。
3歳以降でも約6割の事業所が「短時間勤務制度」を導入
3歳以降の子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置などの各種制度の導入状況(複数回答)をみると、「短時間勤務制度」が59.4%で最も回答割合が高く、次いで、「所定外労働の制限」(51.6%)、「始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ」(50.7%)、「フレックスタイム制度」(20.8%)、「養育両立支援休暇の付与」(18.5%)、「育児休業に準ずる措置」(17.3%)、「テレワーク等」(13.4%)などの順となっている。
3歳以降の子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置などの各種制度がある事業所に、導入割合の多い措置の最長利用可能期間を尋ねると、「短時間勤務制度」については、「小学校就学の始期に達するまで」が57.7%で最も高かった。「所定外労働の制限」についても「小学校就学の始期に達するまで」が最も高く、回答割合は69.8%と7割近くに及んだ。「始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ」については、「小学校就学の始期に達するまで」が55.3%で最も高く、「小学校卒業以降も利用可能」が24.2%と2割以上に及んでいる。それに対して「テレワーク等」では、「小学校卒業以降も利用可能」が52.2%で最も高く、「小学校就学の始期に達するまで」が35.9%となっている。
女性では初めて「総合職」の割合が「一般職」を上回る
企業調査によると、女性の正社員・正職員に占める各職種の割合は、「総合職」が41.0%で最も割合が高く、次いで「一般職」(40.1%)、「限定総合職」(14.8%)、「その他」(4.1%)の順となっている。調査結果は「2016年度に新たに調査事項に加えて以降、女性は一般職の割合が最も高い状態が続いていたが、今回の調査ではじめて総合職の割合が一般職の割合を上回った」としている。
管理職に占める女性の割合をみると、「課長相当職以上(役員を含む)」は13.8%で前回調査から0.7ポイント上昇した。各役職に占める女性の割合は、「役員」では前回調査比0.1ポイント低下の21.0%、「部長相当職」では同0.5ポイント上昇の9.2%、「課長相当職」では同0.9ポイント上昇の13.2%、「係長相当職」では同0.2ポイント低下の20.9%となっている。
管理職に占める女性の割合を産業別にみると、「課長相当職以上(役員を含む)」では「医療、福祉」が53.6%と最も高くなっており、これに「教育、学習支援業」(21.3%)、「生活関連サービス業、娯楽業」(20.1%)、「サービス業(他に分類されないもの)」(19.5%)などと続く。「製造業」は9.7%で1割程度。
「部長相当職」では、「医療、福祉」(53.8%)、「教育、学習支援業」(18.8%)、「生活関連サービス業、娯楽業」(18.0%)、「不動産業、物品賃貸業」(12.3%)、「宿泊業、飲食サービス業」(12.2%)などの順で高く、「製造業」は4.8%となっている。
(調査部)
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