報告(1)-(4)・体験報告(1)-(2)
日本的インターンシップはどこまで広がってきたか

開催日:平成16年7月23日

※無断転載を禁止します(文責:事務局)

配布資料

報告(1)
日本的インターンシップとキャリアガイダンス ― JILPTの調査から―

労働政策研究・研修機構 下村 英雄

昨年度、厚生労働省の要請を受けまして、企業が参画する若年者のキャリア形成支援ということで研究を行いましたが、その際、大学に関しては質問紙調査、企業に関してはヒアリング調査等を実施しましたので、その調査内容に基づいて若干の発表をさせていただきたいと思っております。また、大学側と企業側にしか調査を行っておりませんが、学生に関するトピックといったことも結果として得られておりますので、それについてもお話ししたいと思います。

大学に関するトピック

大学就職における急激な環境変化

ご承知のとおり、90年代は大学就職指導における急激な環境変化が見られ、キャリアセンター化、就職活動の情報化、体験型の就職指導への対応など、さまざまな対応が求められております。

例えば、昨年度実施した調査では、8割弱の大学で就職指導事務の専任職員を置いています。また、7割弱の大学で就職指導事務専用の部屋があり、さらに6割弱の大学で複数学部にまたがる就職指導組織、いわゆるキャリアセンター、あるいはその類似の組織があるという現状になっております。

さらに、情報化への対応として、9割強の大学で学生がインターネットが使えるパソコンを自由に活用できるなど、情報化への対応が随分進んでおります。

インターンシップへの対応

さまざまな形態のインターンシップがあることが知られておりますが、正規の授業科目で必修単位になっているものが6.5%、正規の授業科目で選択科目になっているのが46.8%、企業等が実施するプログラムに学生が自由参加する形のインターンシップが32.4%となっております。

こうした従来型のインターンシップに対し、最近、改めて注目を浴びているのが、就職指導やキャリアガイダンスの一環としてのインターンシップかと思います。就職指導の一環で単位認定のあるインターンシップを行っている大学が13.6%、単位認定なしの大学が27.5%となっております。ただし、学生の参加状況は1割以下という大学が約6割強となっており、システムができ上がっていても、学生の参加状況があまり思わしくないといった現状も浮かび上がってきております。

就職指導の一環でインターンシップが行われる際、受け入れ先の企業数は平均43.8社ということでした。約半数の大学で20社以下、50社以上の受け入れ先企業を確保している大学は約3割となっております。こうした受け入れ先の企業をどこで手配しているかというと、「全学の事務組織で手配している」が37.8%、「学部の事務組織」が10.9%、「各地のインターンシップ推進協議会などを活用している」も3割強と多くなっております。

インターンシップを行う上での問題として大きく3点あり、(1) 企業との連携が難しいというのが約6割、(2) 学生の事前指導が難しいが5割、(3) 学内での連携が難しいが5割となっております。

大学側からみた日本的インターンシップの課題

大学側に対する調査の結果から、日本的インターンシップの課題が幾つか明らかになっています。まずインターンシップの目的の明確化です。さまざまな外国の職場体験プログラムが紹介されておりますが、そうしたものと比較した場合、日本的インターンシップはどういった目的で行っているのか、どういった内容の職場体験を必要としているのかが、大学就職部の側からもあまり明確ではないという現状が浮かび上がっております。さらに、インターンシップの対象者の明確化についても、誰にどんな職業体験を提供するのかが、あまり明確に意識されていないように思います。

職場体験とキャリアガイダンスの関連

こうしたことを含めて、インターンシップをキャリアガイダンスとの関連の中でどのように位置づけていくのかということが、いま一つ明確ではないという問題が浮かび上がってまいります。キャリアガイダンス研究におけるインターンシップなどの職場体験での位置づけというのは、日本においてはもちろん、外国においても理論上いまだ不明確な点あり、今後の研究が待たれるところです。

インターンシップの目的や対象者を明確に整理して考えるに当たっては、ある程度の概念の枠組みや道具立ても必要ではないかと思いますが、この分野について研究が進んでいるイギリスなどでは、職場体験とキャリアガイダンスの関連について、資料2頁に挙げてあるような概念枠組みが既に提示されております。

例えば、"Experience-based learning about work" について、「準備」から「フォロー」に至る5段階のプロセスが想定されておりますし、職場体験の意義づけを拡張なものととらえるのか、サンプリングととらえるのか、それとも予期的なものととらえるのかという概念枠組みも用意されています。さらに、職場体験も、インターンシップというだけではなく、職場体験、職場見学、シャドウイングと分けられております。注目すべきは、「模擬体験」に注目が集まっているという現状です。教育心理学のトピックの一つとして、従来から職場体験は教育ツールとして有効であると言われながら、あまり広まっていかないのはどうしてなのか、ということがあります。やはり職場体験は、知識の伝達手段として非効率な面がある、あるいはコントロールされていないために知識伝達の効率が悪いという議論も出されています。そのため、コントロールされた学習が可能である模擬体験にも一定の注目が集まっていると思われます。調査でも、企業では現在、2、3週間のプログラムのうち1週間程度ビジネスゲームのようなものを実施している例もたくさんあり、模擬体験についても今後、検討がさらに深められるべきではないかと考えられます。

企業に関するトピック

大学と企業の連携のあり方とインターンシップの制約条件

大学と企業の連携のあり方について尋ねた調査結果が資料3頁のグラフですが、大学側は、インターンシップの積極的な受け入れを最も求めており、それに対して企業側は、学生ができる職種・業務、学生を指導する担当者、受け入れ可能な時期・地域などの制約から、企業側が提供できるインターンシップの場には上限があるととらえていることが一般的です。

インターンシップ受け入れのメリットと動機

確かに、インターンシップ受入れのメリットとしては、若手社員の社員教育になる、職場を活性化できる、また外部の視点から点検してもらうことで職場改善につながる、ということが挙げられておりますが、既に受け入れている企業でさえ、現状ではメリットがなかなか見出せなくて困っているという話が多かったように思います。

話を伺いますと、受入れの動機として、地方企業の場合は地域貢献、あるいは地域とのネットワークの維持が挙げられ、都心企業の場合には、企業PR、企業イメージの維持などが挙がっています。双方ともに特徴的なことは、学生の体験をより広い意味でとらえ直して、企業社会全体を体験することによって教育効果を高めていく、そういった教育的な視点が重要であり、何らかのメリットを追求するとか、何かの動機があってといったことではなく、教育の場を提供したいという考えを持っている企業が多かったというのが印象的でした。

採用型インターンシップの可能性

インターンシップの企業側のメリット、あるいは動機に関連して、採用型インターンシップの可能性について少し考えてみたいと思います。確かにアメリカのコープ教育などであげられている企業側のメリットとして、採用訓練との関連づけがあるわけですが、採用型インターンシップを行っていない企業では、幾つかの理由から採用とインターンシップを結びつけることには慎重であるという実態も伺っております。

例えば、日本的な採用スケジュールがネックになっており、3年生の夏休みがインターンシップのハイシーズンになっている中、在学期間が1年半以上残っている段階で採用を行う意義づけが難しい。また、インターネットなどではかなりの学生に公募をかけられるのに、インターンシップでは接触できる学生数が限定されるといった効率の問題も指摘されております。さらに、採用基準として「やる気」を重視している企業が多く、短時間に面接などで人物評価を行えば十分な対費用効果が得られるという声もあります。

単位取得型のインターンシップの可能性

また、単位取得型のインターンシップの可能性についても、企業側では概して否定的な見解が出されておりました。単位取得を目的とした学生はなるべく受け入れたくないと考えているのが一般的で、大学の代用として教育の場を提供するのは少し困るという内容になっております。

これはNPO法人に伺った話ですが、むしろ学校側で特色あるインターンシップ・プログラムを用意することによって、企業側の受け入れの動議づけが高まると指摘されております。テーマ設定型のインターンシップ・プログラムのように、例えば、環境、経済というテーマを大学側から提案してプログラムの内容を差別化すると、そのプログラムに共鳴した企業は依頼を受けやすくなる。こういった連関があると指摘されております。

多様なインターンシップの可能性

ただし、企業側から見たインターンシップにつきましては、一律にどのタイプが望ましいということは、まだ現在の段階では言えない状況にあると思っております。

したがって、政策課題としては、企業の目的や戦略に沿った形で、さまざまなタイプのインターンシップが可能となるように多様な選択肢を確保しておくことが当面考えられます。例えば、採用型インターンシップは、9月採用、通年採用など新規学卒一括採用のスケジュールを幾分緩くすることによって、環境整備がある程度できるのではないかという見通しも企業側から出されておりました。

学生に関するトピック

就職ガイダンスへの参加状況

学生のガイダンスの参加状況が悪い(資料6頁のグラフ) と言うのが、目下の大学側の課題となっております。これは、学生の就職に対する意欲が低い、またインターンシップをやっても学生の関心が薄いなど随所にあらわれている特徴でもあります。大学側からは、大学の就職活動が早期化して、3年生の段階からキャリア意識をかなりのレベルまで持っていかなければならないことにも原因の一つがあるといった話も聞いております。

ヒューマンスキルとレディネス(準備度)

特に、礼儀、マナーなどのヒューマンスキルの重視が一つのトピックになっております。企業側は最低限のことは学校側でやってもらいたいと考え、こうした対応に大学側では困惑している状況もみられます。

実際、学生の準備が整わない段階でインターンシップを行うことの是非というのは、一つのトピックとして大学側からも挙げられています。動機づけを与えるために、エクスパンシブな目的で低学年段階からインターンシップを行うといったこともありますが、一方で、十分なキャリア意識を形成する前の学生をインターンシップに送り込むことは、企業側にとって負担が大きく、やはり大学側で目的意識を明確にして、テーマを持った就労体験を行い、他の就労体験プログラムと差別化することが必要ではないかと言われております。

まとめ

インターンシップとキャリアガイダンス

インターンシップを中心とする職場体験を、キャリアガイダンスの中でどのように位置づけるかについて、現在のところ十分な研究が進んでいない状況です。しかし、一方で、労働政策上の課題としては、若年者に対する就職支援やキャリアガイダンスとインターンシップをどのように関連づけていくのかという検討が一層必要だと思います。また、採用型など多様なインターンシップの可能性を確保しつつ、大学におけるキャリアガイダンス、あるいは学部教育との連関について、今後より一層の検討を深めていく必要があるのではないかと考えられます。

報告(2): 早稲田大学におけるインターンシップ教育

早稲田大学オープン教育センター事務長 佐々木ひとみ

インターンシップの体制

本学でのインターンシップの窓口は2つありまして、私が所属しておりますオープン教育センターと、キャリアセンターの2カ所で連携しながら、全学的なインターンシップの推進を行っております。キャリアセンターの活動は、大体どこの大学でもやっておられると思いますので想像がしやすいかと思いますが、オープン教育センターでのインターンシップは、実は本学ではこちらが主になっているといっても過言ではありません。全学部共通のプログラムを開発、実施することを目的に2000年12月に設置され、現在、特に社会との連携を中心にした教育など実践的教育プログラムを積極的に展開しています。

そういう意味で、当初から、インターンシップは教育の一環ということを強く意識して行ってきております。もちろん、単位も認定しており、事前授業、事後授業、それから各種のセミナーをしっかりとやります。時間数では4単位分ぐらいをこなしていますが、2単位科目となっています。私どもが始めた2000年頃というのは、まだまだ学内的にも学外的にも、インターンシップとは何かとか、いろいろな議論があった中で、たくさんの単位をインターンシップ教育に充てることが難しいところがありました。現在もそれを踏襲して2単位を与えております。この科目は、主に夏を中心にしたインターンシップですが、最近では、年間を通してインターンシップの成果に対して単位を与えることができる枠組みを設定しております。

分野・業種を厳選する

最初、オープン教育センターでインターンシップをやり出したときに、どの分野まで手を広げるかいろいろ考えました。実はそれまで学生たちは自分で探してどんどんインターンシップをやっており、大学は周知しておりませんでした。現在でも、非常に多くの学生が自発的にいろいろな形でインターンシップを繰り広げておりまして、大学の世話にならずに実践しています。だからといって我々が手を出す必要はない、ということではありません。たとえば、学生が1人で企業に行ったときに門前払いにされてしまうようなところでは、積極的に後押ししようということで、単位を与える授業の分野として選んだのが、行政、国際、ベンチャー、マスコミという4つの業種でした。特に行政機関については、北海道から沖縄まで、中央官庁から市区町村役場レベルまで、今年は100名以上の学生がインターンシップを受けています。そして国際貢献関係では行政法人などを中心に実施、という点も本学の大きな特徴かと思っております。ベンチャーについては、本学の中にはベンチャー企業とつき合いを持っている先生方もおり、その先生方のアドバイスを受けた企業から始めております。

オープン教育センターでは、大学としても、人材をより一層育成したい分野を限定してインターンシップを実施しております。ほかの一般企業の場合はキャリアセンターを通じてインターンシップをする。こういう2つの方針で進めております。

授業内容と連動して

オープン教育センターで進めているインターンシップの大きな特徴は、先ほど申し上げましたように教育の一環であるということです。社会の現代的課題を意識した形で学習するということを非常に強く意識し、第一線の方々に授業をしていただく。同時に、学生には、大学の外に出ていろいろな体験をしてもらうということで、インターンシップに限らず、さまざまな実習関係、見学も含めた社会との接点を密接に持った授業を広く展開しております。

したがって、授業内容と非常に連動した形で進めるようにしております。例えば、行政インターンシップに行く前には、地方自治など行政の授業を必ず受けて、帰ってきてからは、体験と内容をまた専門の先生にレビューしていただくような形で、教育の一貫した流れの中で考えるということを行っております。国際分野につきましても、必ず国際貢献や国際協力という授業を受けた後で行くという、事前事後の授業に実習を挟み込んだ形で展開しております。

それから、実際にインターンシップに行った場合、企業の皆さんからの一番大きいご指摘は、やはりマナーがなっていないということでしたので、当初からマナーセミナー、キャリアセミナーも授業の一環として位置づけ、学生たちには必須として義務づけております。あいさつやおじぎの仕方、名刺の受け取り方、中にはお茶の出し方とかそんなことも外部の講師にレクチャーをしていただいております。

学生たちに強く言っていることは、インターンシップは大学の学習と非常に連動した形で行っているものだということです。ですから、インターンシップから帰ってきた学生たちが、自分が力不足であるとか、大学の勉強だけでは社会に出ても足りないんだということを意識してくれることが、その次の学習意欲に強く結びついてくる。これが我々が成果として期待しているところでもあり、学生たちを見ても非常に強く感じております。

その結果、当初、インターンシップに反対をしていた先生方にも教育的効果が非常にあるという認識が高まったことがありまして、今は学部のカリキュラムの中に位置づける形でインターンシップを導入している、あるいはフィールドワークを導入するという流れにつながっております。

新しい学生層の出現

教育効果の一つとして、オープン教育センターのインターンシップを通し、学生たちがいろいろな形で育ってきております。その幾つかをご紹介いたしますと、レジュメにも書いておりますが、新しい学生層の出現です。

例えば、全国展開をしていると話しましたが、授業の一環としていることから、交通費等はすべて学生の自己負担になります。地方出身の学生もいますが、自分の出身とは関係のない地方に自腹を切って何週間も滞在してインターンシップをこなす者もおります。今年も北海道には5人の学生が行きますが、5人とも地元とは全く縁がありません。我々が勧めたわけでもない、学生が自分で行きたいと選んでくる。3週間ぐらい行きますので、交通費等々を含めると相当な金額になるのですが、アルバイトをして費用を貯めてインターンシップに行く、そういう自発的な学生がかなり増えてきております。海外もそうです。国際関係のインターンシップで海外に派遣するのは20名ぐらいだと思いますが、そのインターンシップに係る費用はすべて自分で支払うわけですが、それでも行きたい、自分でやりたいという学生がかなりの数おります。

それから、長くやりたい、繰り返しやりたいという、長期化・継続化の傾向がみられます。そして、自分からいろいろな提案をしたいという非常に積極的な学生が増えております。さらに、低年齢化です。3年ではもう遅いという話がありましたが、1年生からやりたいという学生が今年は非常に多い。学生たちはインターンシップ云々ということよりも、自分がどれだけ社会で通用するか、社会を意識しながら大学の学習を進めたいという意欲は非常に強いということを、我々も感じているところです。

インターンシップを取り巻く環境の変化

インターンシップを取り巻く環境の変化につきましては、質疑応答等でお話をさせていただきたいと思いますが、簡単に申し上げますと、3年前と今とではインターンシップに対する考え方が学内外で全く違っております。私もずっと受入先の開拓に回っておりましたが、3年前では、企業の方々も学生も反応はいまひとつだったという印象があります。しかし今では、インターンシップという言葉を学生も普通に使っていますし、あるいは企業、行政機関、特に行政機関はそういう印象が強いですが、説明しなくても受け入れてくださる。それ自体がとても不思議なぐらい、3~4年の期間で急速にインターンシップは認知をされたという印象があります。

ただその分、若干ブームかなという感じもあり、ここ数年がピークになるだろうと思うのですが、人気企業や人気機関に希望が集中してしまっていたり、それから大学側も、インターンシップを学生募集との絡みで周知しているところもあります。そうすると、やはり学生たちもそれを非常に強く意識します。その中で、インターンシップという市場全体でどうやって質・量のバランスをとるのかが今後の課題ではないかと思っております。

報告(3): 橋本産業のインターンシップ

橋本産業株式会社 総務人事部長 高橋 保雄

最初に、ごく簡単に会社の概要を説明させていただきたいと思います。お手元のレジュメにありますように、資本金は2億円、社員は161人で年商112億円、中小企業の典型だと解釈していただければ結構かと思います。事業内容は、建築設備機器の専門商社で、超高層ビル、学校、病院、エアポートといった建物の中にある水回りの設備、それと空調設備を中心にした機器類、あるいはその機器を取り巻く細かい材料類を専門に扱っている卸商社です。ただ単に商社というだけではなく、私どものオリジナル商品の開発、あるいは特許商品の開発も事業としておりますし、お納めした商品のケアをするメンテナンスの事業も展開している専門商社です。

インターンシップを始めた理由

20数年も採用の仕事をしていまして、学生たちのいろいろな変わり方を見てきていますが、10年ぐらい前から非常に変化が激しくなっていると感じています。学力が落ちているのは目に見えてわかりますが、モチベーションが非常に低くなってきているのは一体なぜだろうか。就職部の先生方や学生本人にもいろいろ聞いているのですが、なかなかはっきりしたものがつかめない。

そうこうしているうちに、会社に面接に来る学生で、どういう生き方をしたいのかという質問に何も答えられない学生が次第に増えてきた。これではまずい、何とか我々のところに来る学生だけでもその辺の気持ちをつかんでいきたいという思いでいるときに、親しくおつき合いいただいている大学から、インターンシップをやらないかという声が掛かりました。実は、どんなメリットがあるのかと迷っていたのですが、その大学から、お互い初めてだろうから一緒にやってみようということで踏み切ったのが、そもそものきっかけでした。

商社ですから、インターンシップを引き受けるのだったら営業職を希望している学生を受けてみたいということで、港区のジョブパークの方に相談に乗っていただきました。そこで新入社員の研修に準じた形で何かプログラムをつくってごらんなさいというアドバイスをいただき、実習と、実習をもとにした研修という形で始めたわけです。

インターンシップの実績

実施時期は、毎年8月の2週間だけ、実質10日間です。対象は、大学の2年生、3年生でした。

最初、2001年8月に引き受けたのが大学3年生でした。翌年は2月に、ある短大生から総務事務の希望があり、この短大も初めてインターンシップをやるという話だったので受けたのですが、ちょうど各大学の学内での企業セミナーにぶつかる時期でして、私も会社にいることがほとんどない状態でしたが、アシスタントとして5日間、彼女にお手伝いをお願いしました。

私は何も教えませんでしたが、彼女は、「四年制大学の人たちは就職活動するのにこんなすごいことやっているんですか。会社もこんなにたくさん回らなきゃいけないんですね。」と気づいてくれました。その言葉を聞いて、私はこの学生のインターンシップは成功したと思いました。その学生が2年生になって、6月から実質就職活動が始まったのですが、11月にある建築会社の総務の事務職に内定しました。そのような形で短大生を初めて受け入れて、良い思いをさせてもらいました。去年は7名引き受け、2年生が2名おりました。残り5名は全部3年生ですが、うち2名が女性です。

インターンシップの内容

レジュメに書きましたが、前半は、実習という形で倉庫に入れてしまいます。要は、まず商品を知ってもらう。商品を知ると同時に、商品や伝票の流れ、お客さんから受注を受けて納めるまでの流れがどうなっているのか。仕事の最後の部門のところで覚えてもらおうということで1週間入ってもらいます。

この部門は男社会ですから、女性の依頼で困ったなと思っていたのですが、とくに一番困ったのはトイレです。女性のトイレをつくっていませんでした。それで相談しましたら、私どもの倉庫の前に江東区の婦人会館があり、その中の喫茶店を毎日うちの社員が利用させてもらっていました。その関係で、トイレはいつでも使ってよいという了解を得ました。そういうラッキーなことがあり、更衣室も何とかできましたので、無事、女性2名のインターンシップを終わることができました。

前半を実習、後半は、商品を学んだことをベースにして、営業という仕事はどういうものなのか、営業マンの経験談を踏まえながら疑似体験をやってもらっています。それと同時に、特に3年生を対象で考えていますから、翌年は就職活動をやらなければいけない、それでは就職活動のための準備講座をセットしようと、本格的にやったのは去年からです。人生を考えたときに仕事をどういう位置づけにしたいのか。少なくとも10年後、学生の君たちは30代前半だ、そのときにどういう生活をしていたいのか。自分たちの未来というか、志というか、そういうものをとらえるきっかけづくりに時間を割いています。

それと同時に、自分自身を知るためのいい材料は何かないか、いろいろ探したところ、「nEQアセスメント」がありました。1996年、『EQ−こころの知能指数』というコールマンが書いた本が日本でも随分ヒットしました。それとは別に、日本人向けのEQアセスメントを手に入れましたので、去年、その簡易版を試しにやってみました。営業を志す人はどうしても共感性が必要ですから、その部分をチェックしていたのですが、7名のうち1人だけ他の6名に比べて非常に共感性の低い学生がいました。その学生の共感性を何とか2週間でアップできないかということで、いろいろカウンセリングをかけながら指導しました。最後の日にもう1回やりましたら、1ポイント上がっていました。これならばインターンシップの中でも、自分自身を見つめるためのモチベーションをどこかで指摘できるのではないかという気がしましたので、今年から本格的にEQのアセスメントを使いながらインターンシップを行う予定でおります。

ちなみに、今年、11名受け入れ、そのうち5名が女性です。非常にバラエティーに富んでいまして、留学生が3名おります。そんなことで、今年、どういう結果になるか楽しみですけれども、8月2日からスタートします。

インターンシップの成果

去年引き受けた2年生が働くことに対する問題意識に気づいたらしく、今年、別の業界でインターンシップを受けるという連絡をくれました。実際にもう準備を始めていると思います。もう一つ、今まで当社でインターンシップを受けた学生で、非常に早い時期に内定をもらっている人が何人か出ましたが、これは非常に嬉しいことでした。5月の段階で3人から連絡をもらったので、こんなにも違うものかという気がしました。それと、去年受けた女子学生の一人は、当社で内定させてもらいました。こういうメリットもあったのだと、改めて感じた次第です。

今後の方向

今までやってきた実習の部分と、就職活動の準備講座という分野をもう少し考え直して、彼ら一人一人の課題を発見し、その課題をどうやって2週間の中で解決していくか、そういうことを考えながら過ごしてもらおう。それと同時に、当社のインターンシップを受けることによって、就業意識が少しでも高まったらという願いもあり、毎年、工夫したいと考えております。

特に、「nEQアセスメント」については、今後、毎年やっていく予定でおりますし、去年は簡易版でしたが、今年は既に7月19日に全員、事前の「nEQアセスメント」を終了しています。1日目にその解説を加えながら、一人一人に課題を与えて2週間を過ごしてもらう。それで最後の日に、どれだけ変化があったのかもう1回EQを受けさせ、9月10日前後に個々人の感想や発表をしてもらいながら、EQの成果を一人一人に話して、それを今度は来年の就職活動にどうやって結びつけていったらいいのか、その辺のコーチングもしていきたいと考えているわけです。

できることなら、私が面倒をみた学生は一人もフリーターにさせたくありませんし、また、今までフリーターになった人もいませんので、これからも学生をきちんとした形で世の中に送り出したい、そういう気持ちで今後もやっていきたいと思っております。

報告(4): 松下電器産業のインターンシップ

松下電器産業株式会社 グループ採用センター 蔭山 陽洋

今年は、学生と話をしていても、大学や企業、あるいは人材会社の動きも非常に活発になっており、いよいよインターンシップが大きく動き出したという実感をしております。

インターンシップ導入の経緯(外的要因)

まず、インターンシップを導入する経緯ですが、大きく外的な要因と内的な要因があると思います。外的な要因からいいますと、時系列的には次のような形になっています。

インターンシップという言葉を我々が知るようになったのが90年代前半の頃です。まだバブルの勢いも残っていた時代で、特にグローバル化の観点から、アメリカやヨーロッパの外国人に日本に来ていただき就職してもらうということに積極的に取り組んだ時期がありました。そういう中で面接をしておりますと、学生の多くはインターンシップを受けた経験があり、このインターンシップがキャリア形成に非常に大きく影響していることを感じたのが、90年代の前半でした。

90年代半ばになって、バブル崩壊後に就職氷河期を迎え、若年層の就労意識が大きく変化してきました。これまでの「就社」から「就職」に変わってきた、キャリア志向がどんどん強くなってきたということです。そこで会社としては、会社と個人の新たな関係の構築という観点から、どちらかというと会社と個人の関係は上下関係という従来の発想から、対等な関係に切り替えるための人事施策をいろいろ打ち出しました。代表的なものが退職金前払い制度です。新入社員が退職金を、辞めた時ではなく辞める前からもらえる。このような選択が可能な仕組みを導入した時代です。

97年に入り、いよいよ就職協定の撤廃、規制緩和という時代になり、学生への事前の情報開示が必要だと強く感じ、この年から独自にインターンシップを導入したわけです。受け入れ人数としては、累計で約1,000名ぐらいです。実習職種としては、開発から営業、スタッフを含めまして、現在、ほとんどの職種で受け入れを行っております。

インターンシップ導入の経緯(内的要因)

内的要因については、新卒採用に対する考え方が変わってきたということがあるのではないかと思います。図2(PDF:156KB)をご覧いただきますと、横軸に時間(年齢)、縦軸に能力と書いています。昔は、新入社員というのは、ピラミッド構造の中で立ち上がりは早くなくても良かった。5年、10年、しっかり下積みをして、30歳、40歳、50歳で花開くということで良かったわけです。しかし、時代がそういうことを許さなくなってきました。この曲線をより高くするにはどうしたらいいかということを考えるようになりました。

そういう中で、一番大きな課題は早期育成です。入社後の育成、あるいは仕事の与え方をどんどん早めていくことに取り組んでおります。もう一方は、ミスマッチの根絶ということです。つまり、入社段階で、よりレベルの高い人を採用する重要性を認識しており、この曲線を高めるために、インターンシップの積極的な活用や、採用精度の向上に取り組んできました。こうしたところが内的な要因ではないかと思います。

松下電器のインターンシップの特徴

当社のインターンシップの考え方というのは 図3(PDF:160KB)に記した3点です。基本的には、産学連携での人材育成や、雇用のミスマッチ解消を強く意識して取り組んでまいりました。

当社の特徴といっても、他社も同じような形だと思いますが、1つはWebエントリーによる完全公募制です。以前は、一部、学校からの産業実習という形がありましたが、今はWebエントリーによる完全公募制という形をとっております。

2つ目が、OJTを核とした実習で、基本的には職場に入り、仕事を通じていろいろなことを勉強してもらうことを考えております。3つ目が、TOEICや、ディベート、グループワークといった中間教育を実施しているという点です。

パンフレット(『松下電器インターンシップ(PIP)のご案内』)の中に具体的なスケジュールを書いておりますが、OJTをベースに、最初と中間点と最後は参加者が集合して勉強する場を作っていくことに取り組んでおります。

二つのインターンシップ・プログラム

当社のインターンシップ制度は、基本的に2本柱でやっております。一つはパワフル・インターン・プログラム(PIP)といいまして、夏にやっております。こちらは97年から開始をしており、大学2年生以上の学生を対象に、産学協同の人材育成を目的としてやっているものです。期間は3週間、約150名、事務系・技術系で幅広く受け入れをしております。

もう一つがウォーミング・アップ・プログラム(W−UP)。試行錯誤しながら取り組んでおりますが、通常のインターンシップから一歩踏み込んだ形のインターンシップです。これは対象を就職活動直前の学生に絞り、春に2週間、職務適性をフィードバックするという形で行っております。基本的に、採用の合否には直結しないOJTによる気付きの場ということにしており、あくまでも学生が自由に選択できる形で行っております。

パワフル・インターン・プログラム(PIP)

本日、特にお話をしたいところは、パワフル・インターン・プログラムについてです。PIP(ピップ)と我々は呼んでおりますが、ひよこがピヨピヨ鳴くという言葉と、殻を破るという言葉が、インターンシップに非常にぴったりくると思っております。

今年の実施要領については、時期は8月18日から9月7日の約3週間、4年生大学あるいは大学院の2年生以上の方を対象としています。かつては3年生以上としていましたが2年前から2年生以上に拡大し、受け入れ人数は150名となっております。ビジネスコース(文科系職種)が50名、エンジニアコースが100名です。実施内容は、職場でのOJTが中心です。その他、インターンシップですので、手当は昼食見合いの1,000円と、交通費あるいは遠距離者については寮などの手配は会社で負担しております。

インターンシップの今後の方向性

今後の方向性について4点ほど挙げております。1つは、産学協同の人材育成のさらなる推進ということです。採用面だけではなく、技術開発等々も含めて大学との産学協同というのは非常に強くなっておりますので、こうした連携をしっかりやっていきたい。2つ目は、仕事のミスマッチ根絶に向けた展開です。今の学生の就職活動を見ても、イメージ先行で会社や職種を選んでしまい、結果的に辞めてしまうケースがありますので、こうしたミスマッチを極力なくして、立ち上がりの早い会社生活を送っていただきたいと思っております。

3つ目、社内風土活性化施策としての活用ということです。最近はバブル期のような大量採用をしていないこともあり、職場によっては、例えば2、3年あいて若手が入るというように高年齢化が進んでおります。若い学生が入ってくると社内の雰囲気が非常に明るくなりますし、また、部下のいない若手社員は、上司としての育成マインドがなかなか育ちませんが、こうしたインターンシップを通じて、わずか3週間という短い期間ではありますが、自分の下に学生が付くことにより上司としてのマインド育成にもつながってきているのではないかと思います。

4点目、会社、従業員に加えて「第3の存在」、つまりユーザーの視点から、事業に積極的に貢献をしてもらう。我々が扱う商品は、ご存じのとおり家庭電化製品が中心で、学生はじめ一般の方が使う商品を主に販売しておりますので、新しい視点でアイデアあるいは発想を入れていただきたいと思っております。

体験報告(1)

フェリス女学院大学国際交流学部 登嶋 由紀

私がインターンシップを経験いたしましたのは、カルチュア・コンビニエンス・クラブという、TSUTAYAの本社的な企業です。インターンシップを終了した後も、現在、アルバイトとして人事採用チームで働いております。インターンシップと同時にアルバイトも経験させていただきましたので、そういったことも学生の視点からお話できたらと思います。

初めに、なぜインターンシップに参加したのかということですが、3年生の春に、4年生の友人が、就職活動で苦しんでいるのを実際に見ていました。こんなふうに就職活動しているんだというショックな部分がありましたが、なぜ働くかという根本的なところを考えないまま就職活動をしていて、実際にうまくいっていないということを非常に強く痛感しました。かといって自分もそこまで職業意識が強いわけでもないし、キャリアプランを考えたわけでもない。そのまま4年生になったら、この先輩たちと同じで、全く就職できないのではないかという恐怖心にかられたんです。

それで、まず大学が行っているプログラムを見まして、インターンシップへの参加を考えました。そこでも職業意識が強かったわけではなく、いろいろな選考を経てのインターンシップではありましたが、直前にレポートを提出したり、面接もなんとなく「乗り」で超えてしまったりなど、典型的な仕事を考えたことがない学生だったと思います。実際にカルチュア・コンビニエンス・クラブに行くことになったときも、人事部でインターンということでしたが、人事って何をしているのかそんなことすらわかりませんでした。やはり新卒採用という部分しか見えてこないし、あとは給与の計算とか、何ができるのかなと考えているわりには全く勉強していなかった。

夏にインターンシップが始まったわけですが、私が一番心に残っていて、ほんとうに感謝したいと思っているのは、人事部長から個別に3時間ほどお話をいただいたことです。そもそも意識が低かった私に対して、「君は今までどんな人生を送ってきたの? よく考えたことある? 今、何でこの場所にいるかわかる?」ということをじっくりお話しいただきました。インターンに参加しただけで気分が舞い上がっておりまして、これなら就職もできると安易に考えていたのですが、今までまったく接したことのない20歳も30歳も年の離れた人事部長から、自分の人生を見つめ直してごらんといわれたのは衝撃でした。一生懸命答えようとしたけれども、返事ができないまま黙りこくってしまいました。その方は、君がインターンでそれを学んでくれればいいと思っているから、気楽に頑張りなさいといってくださいました。そんな感じでインターンシップが始まったわけですが、与えられた仕事は、36協定の締結に必要なデータの整理、加盟企業に向けてのコンファレンスの見学など、その時期に社内昇格試験がありましたので、そのアテンド等のお手伝いもさせていただきました。

そこまで職業意識が低かった私が何を学べたかというと、初めは、就職活動が人生においての一つのイベントであるにもかかわらず、ゴールにしか見えなかったんです。女子大生は、ウェディングドレス=幸せというゴールを感じている部分がありますが、就職活動も同様に、何となく内定をいただくことがゴールで、そこから先、どうやって働いていくのかという意識が非常に低かったと思います。それを実際に人事という場所で、皆さんがどういう意識を持って働いているのか、30歳、40歳までこうした道を歩んできた人々の中に飛び込んでいったことで、肌で自分の人生って何だろうということを感じることができました。

また、学生というのは社会において非常に孤立した存在であると思いました。アルバイトをしていても、周りは大学生であったり高校生であったり。社会人は敵ではないけれど自分とは非常に異質なもので、人生の先輩だと思えたことがなかったんです。インターンシップで一緒にお仕事ができたことによって、ほんとうに自分たちを導いてくれて、一緒に働いていく人たちなんだと感じることができました。就職活動で人事の方と接しても、緊張せずに自分をアピールすることができたと思っております。

最後に、インターンの受け入れ企業に望むことですが、ほかの学生から、1週間ごとに部署を変わり、ファイリングをしたり、次はコピーをとったりしたり、結局その仕事が何だったのかよくわからなかったといった感想を聞いたことがあります。私の経験からも、一定の部署や場所で一つの仕事をさせていただくのがすごくいい。また、仕事という場面だけではなくて、さまざまな形で社会人とじっくりお話しできる場所を設けていただけたらと思っております。

体験報告(2)

早稲田大学 政治経済学部政治学科 木村 祐太

大学2年生のときに、文部科学省の初等中等教育局特別支援教育課と、江戸川区役所の福祉部障害者福祉課でインターンをさせていただきました。妹が障害を持っているということもあり、高校生の頃から福祉に興味があったので、将来は公務員になって福祉にかかわる仕事をしたいと、それが直接の動機となって行政機関でのインターンを希望しました。頭の中で描いている仕事と実際の現場とでは絶対違うと思っていましたので、早い段階で、大学2年生からインターンシップをしたいと思うようになったのです。

文部科学省では、小学生や中学生の障害者を持っている方の教育について、どんなことをやっているのか実際に体験させていただき、江戸川区役所では障害者を支援している現場で、ホームケアサービスはどうなっているのかとか教えていただくだけではなく、例えばエレベーターを設置しないと生活していけない車いすの方の家を訪問して、ヒアリングを行ったり、いろいろ勉強させていただきました。

その後、就職活動をして、報道志望でテレビ局に内定をいただいて、来年から入社することになったんですが、それにはちょっとしたきっかけがあります。行政機関で働いたときに感じたことですが、最初、私は行政機関に入って内部から社会を変えていけたらいいと思っていたのですが、障害を持っている方のヒアリングをしていく中で、そういったことが実際に外部に知られているのかどうか強く感じました。友人にいろいろ話しても、ほとんど興味を持っていないというか、知らないことがたくさんある。障害者の小さな声をどうやって外部の社会に伝えていけるのかと考えたときに、やはりメディアを使って報道していく。外部から社会を、ちょっと大げさかもしれませんが、変えていくこともできるのではないかと思い、そのインターンシップが直接のきっかけとなって、私は公務員志望からマスコミ志望へと転換したわけです。

その後、パソナという人材派遣会社で、3年生のときにインターンをさせていただきました。文部科学省や江戸川区役所を回っていたときに職員の方にいろいろお伺いしたんですが、マスコミとか公務員一本ではなくて、いろいろな業界を見たほうがいいと言われたので、視野を広げるためにも民間企業で、しかも人材派遣業というさまざまな業界にかかわれる会社の営業職を経験させていただくことで、中小企業や大企業を全部含めて回れたらと思い、2週間ほどパソナでインターンをさせていただきました。

私の場合は、行った企業や行政機関にそのまま就職するという形ではなくて、そのインターンによって自分の将来のビジョンが変わって、それでも明確に見えてきたというちょっと変わった形ですが、特に2年生のときの江戸川区役所でのインターンは、実際に障害者の方に接したことがすごく大きなきっかけとなっているので、とても重要な体験だったと思います。

いま、インターンシップの知名度が上がっていて、言えばすぐにわかっていただけますが、「先輩、インターンってやったほうがいいですか」と尋ねる後輩が結構回りにいます。私もやったほうがいいとは答えますが、就職活動にとってメリットになるかとかいう意味で尋ねてくるので、自分がやりたいと思って動くのが一番いいと答えています。就職活動を何のためにやるのかではなくて、自分から経験して、ステップアップにつなげていきたいと思えるインターンシップのプロモーションを考えていただけたらと思います。

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