緊急コラム
新型コロナウィルス感染症対策
簡易型フェイスシールドの設計図の公開と作り方

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雇用構造と政策部門 主任研究員 小野 晶子

2020年4月20日(月曜)掲載

新型コロナウィルスの感染力はすさまじい。目の粘膜からも感染する。医療現場では、このウィルスを防御する装具が必須なのだが、今、その不足に直面している。

医療用のマスクは恒常的に不足しているが、それだけでなく使い捨て出来る割烹着スタイルのエプロン(防護服)、手袋、キャップ、シューズカバー、ゴーグル、フェイスシールドがない。杉並区のコロナ対策の基幹病院で勤める看護師の友人から不足の現状を聞かされた。

友人の病院ではフェイスシールドは1週間で1600枚必要という。横浜の病院に勤める方からも、フェイスシールドが手に入らず、A4ラミネートフィルムで手分けして1000枚作ったという情報を写真と共にもらった。

ニューヨーク大学では、自作出来るフェイスシールドの設計図を公表し、実際に病院で使われている。

このようなフェイスシールドがあったら欲しいかと聞くと、是非欲しいといわれた。

ただ、一般に手に入りやすいもので作るとなると、ニューヨーク大学の設計図では少し大きすぎるので、A4サイズのクリアファイルで作れないかを検討した。

大阪大学医学部では、4月3日に3Dプリンターとクリアファイルを使ったフェイスシールドの設計図を公開している。

1週間で1600枚をボランティア有志で作るとなると、一般的に手に入りやすい材料と道具で作れることが重要だ。3Dプリンターを使わない方法で、一般に流通しているA4サイズのクリアファイル(ファイルホルダー)か、ラミネートフィルムだけで作れないか。いくつかサンプルを作って検討した結果、最終形態は、ニューヨーク大学と大阪大学のフェイスシールドを組み合わせたものとなった。1枚のフィルムからシールド部分とバンド部分を切り出し、この2つを合せて平ゴムをつける。極めてシンプルで材料費も1つ作るのに20円程度だ。

有志が設計図を引き、自費でラミネーターを買い、ラミネートフィルム500枚が寄附された。江戸時代に熊本での疫病を鎮めた「アマビエ」という妖怪にあやかって「AMABIE Face Shield」と名付けた[注1]

看護師の友人から病院の感染対策の物品管理の担当、看護部長、副医院長にサンプルと設計図を見てもらい、ラインで有志を募り、まず500個作って寄贈する予定になっている。

設計図と作り方(PDF)を下記に公開するので必要な方は自作して欲しい。また必要としている人に知らせて欲しい。

このフェイスシールドはあくまで簡易的なものだ。最良のものは最前線で使われるべきで、これは後方の人達が使う用途でもいい。検査中や軽症者に関わる仕事している人や、薬剤師、人との接触がある仕事をしている人は、こういった自作出来るフェイスシールドを使って欲しい。最前線で使われるべきものを買い占めたり、流通価格が高騰しないように努めて欲しい。

医療現場が崩壊しないように、一人一人が今できることをして、最前線で働く人に感謝し支えたい。

(注)本稿の主内容や意見は、執筆者個人の責任で発表するものであり、機構としての見解を示すものではありません。

脚注

注1 この活動は、Twitterアカウント@amabiefaceshie1新しいウィンドウから見られます。