妥結額は3年連続で1万9,000円台、アップ率は3年連続の5%台に
 ――経団連の2026年春季労使交渉の大手企業業種別妥結結果

2026春闘における賃上げ等の状況

経団連(筒井義信会長)が8月4日に公表した「2026年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果(加重平均)」の最終集計結果によると、大手146社の妥結額の加重平均は1万9,752円、アップ率は5.37%となっている。妥結額は3年連続で1万9,000円台、アップ率は3年連続5%台にのぼっている。

調査は、原則従業員500人以上の、主要23業種に属する大手248社を対象に実施。22業種192社(77.4%)の妥結を把握し、そのうち、平均金額が不明な企業など46社を除く20業種146社の結果を集計している。妥結額は定期昇給(賃金体系維持分)などを含む。

非製造業平均の妥結額・アップ率は過去最高を記録

それによると、大手146社の妥結額の加重平均は1万9,752円で、前年(1万9,195円)から557円増加している(図表)。アップ率は5.37%で、前年(5.39%)から0.02ポイント減少した。妥結額は3年連続で1万9,000円台、アップ率は3年連続5%台となっている。また、「週刊経団連タイムス」(2026年8月27日 No.3741)によれば、妥結額は、現行の集計方法(加重平均)に変更した1976年以降の最高額を更新している。

図表:2026年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果(加重平均)最終集計
画像:図表

注1:平均欄の( )内は一社あたりの単純平均。

注2:(従)は従業員平均の数値を含む。                

注3:集計社数が2社に満たない場合など数字を伏せた業種があるが、平均には含まれる。

注4:上記妥結額は、定期昇給(賃金体系維持分)等を含む。

注5:2025年の数値は、2025年8月6日付最終集計結果。

(公表資料から編集部で作成)

製造業123社の平均は、妥結額が1万9,634円(前年1万9,063円)、アップ率が5.36%(同5.42%)、非製造業23社の平均は、妥結額が2万16円(同1万9,487円)、アップ率が5.38%(同5.34%)となっている。製造業・非製造業別での集計を開始した1997年以降でみると、製造業は妥結額が過去2番目、アップ率が過去3番目に高い水準となっており、非製造業は妥結額・アップ率ともに過去最高を記録している。

妥結額が最も高い「建設」は唯一3万円台に

業種別にみると、妥結額が最も高いのは「建設」(5社)で、従業員平均で3万7,727円となり、唯一3万円台にのぼっている。次いで「情報通信」(4社)が2万4,000円、「印刷」(2社)が2万3,445円、「非鉄・金属」(10社)が2万2,370円、「機械金属」(5社)が2万1,896円、「造船」(12社)が2万1,284円、「化学」(31社)が2万1,001円、「繊維」(13社)が2万485円、「電機」(10社)が従業員平均で1万9,898円、「食品」(8社)が1万9,240円、「航空」(2社)が1万9,020円などの順で高い。

一方、妥結額が最も低いのは「金融・保険」(3社)で従業員平均で1万1,731円となっており、次いで低いのは「商業」(3社)で、従業員平均で1万6,210円となった。

前年と比べると、「建設」(6,781円増)、「印刷」(4,987円増)、「ゴム」(3,200円増)、「非鉄・金属」(1,843円増)などでは、増加幅が大きくなっている。一方、「鉄鋼」(1.06ポイント減)や「金融・保険」(3,204円減)、「鉄鋼」(2,996円減)などは、前年から大きく減少している。

アップ率は「情報通信」が唯一8%超に

アップ率が最も高いのは、「情報通信」で8.28%となっており、唯一8%台に達している。次いで高いのは「印刷」で6.81%となっており、以下、「建設」が6.76%、「非鉄・金属」が6.45%、「機械金属」が6.04%、「繊維」が5.71%、「化学」が5.69%、「ゴム」が5.68%、「造船」が5.54%などと続く。

アップ率が最も低いのは「金融・保険」で2.97%となっており、「商業」も3.91%と比較的低くなっている。

前年と比べると、「印刷」(1.22ポイント増)、「建設」(1.12ポイント増)、「ゴム」(0.53ポイント増)、「非鉄・金属」(0.30ポイント増)などでは増加幅が大きい。一方、「鉄鋼」(1.06ポイント減)や「金融・保険」(0.83ポイント減)、「造船」(0.59ポイント減)などは、アップ率が前年を大きく下回った。

(調査部)