100万円以上の不払い残業による割増賃金を支払った企業は1,069社
 ――厚生労働省が2021年度の「監督指導による賃金不払残業の是正結果」を公表

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労働基準監督署による監督指導により、2021年度(2021年4月~2022年3月)に不払いとなっていた割増賃金を支払った企業(ただし1企業で100万円以上の案件のみ)は1,069社で、支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり609万円、労働者1人あたり10万円だったことが、このほど厚生労働省が公表した「監督指導による賃金不払残業の是正結果」で分かった。割増賃金支払い額が1,000万円以上の企業は115社あった。

支払い対象労働者、是正支払総額の4分の1を「保健衛生業」が占める

監督指導を受け、100万円以上の割増賃金を支払った1,069社(前年度比7社増)を業種別にみると、製造業(196企業、18.3%)が最も多く、次いで商業(183企業、17.1%)、保健衛生業(158企業、14.8%)、建設業(146企業、13.7%)などの順となっている。

対象労働者数は6万4,968人で、前年度から427人減少。減少は2018年度以降で4年連続だ。業種別にみると、保健衛生業が1万6,652人(25.6%)で全体の4分の1を占め、以下、製造業が1万1,643人(17.9%)、教育・研究業が6,086人(9.4%)、商業が5,494人(8.5%)などと続く。労働者1人あたりに支払われた割増賃の平均額は10万円だった。

支払われた割増賃金の総額は65億781万円で、前年度に比べ4億7,833万円減と4年連続の減少となった。これを業種別にみると、保健衛生業が15億6,740万円(24.1%)で最も多く、次いで製造業が9億5,787万円(14.7%)、商業が7億1,060万円(10.9%)、建設業が6億8,768万円(10.6%)などの順だった。

(調査部)