資料:No.1 労働者派遣法改正法案修正事項:第8回旧JIL講演会
人材派遣の自由化と労働者保護
~改正労働者派遣法のポイント~
(1999年7月30日)
1 趣旨
社会経済情勢の変化への対応、労働者の多様な選択肢の確保等の観点から、「臨時的・一時的」な労働力の適正、迅速な需給調整のために労働者派遣事業を行えるようにするとともに、労働者保護措置の拡充を図る。
2 法律の内容
(1) | 適用対象となる業務の範囲 | |
・ | 次の業務以外については労働者派遣事業を行うことができることとする。 1) 港湾運送業務、2) 建設業務、3) 警備業務及び 4) あらかじめ中央職業安定審議会の意見を聴いた上で政令で定める業務 |
|
・ | 製造の業務のうち省令で定めるものについては、当分の間、労働者派遣事業を行うことができないこととする。 |
(2) | 許可・届出制 | |
許可基準の見直し、変更の手続きの簡素化等 |
(3) | 派遣期間 | ||
イ | 派遣先が同一業務について労働者派遣の役務を受け入れる期間の上限を1年に制限 | ||
・ | 1年の期間制限に違反している派遣先に対し、労働大臣は、派遣労働者の雇い入れその他の必要な勧告(勧告に従わなかった派遣先は公表) | ||
・ | 1年の期間制限に違反することとなる日以降労働者派遣を行った派遣元に罰則適用 | ||
・ | 1年の期間制限の規定に違反することとなる日の通知をしない派遣先との労働者派遣契約の締結の禁止 | ||
ロ | 同一業務に同一派遣労働者を1年間受け入れた場合における派遣先の雇用の努力義務 | ||
※ | 専門的な知識、技術や特別の雇用管理を必要とする業務であって、政令で定めるもの(現行26業務ヲ予定) に係る派遣期間は現行どおり |
(4) | 労働者保護等の措置 | ||
イ | 適正な派遣就業の確保 | ||
1) | 社会保険の不適用を理由として処罰されたこと等の許可の欠格事由及び取消事由等への追加 | ||
2) | 派遣労働者の社会・労働保険の加入の有無の派遣先への通知 | ||
3) | 派遣先での適正かつ円滑な派遣就業のための就業環境の維持、診療所等の利用の便宜を図る等の措置 | ||
ロ | 苦情処理等 | ||
1) | 違法事案に係る申告制度の創設及び申告を行ったことを理由としての不利益取扱いの禁止 | ||
2) | 公共職業安定所による派遣労働者等に対する相談・援助 | ||
3) | 労働者派遣事業適正運営協力員による専門的な助言 | ||
ハ | 個人情報の適正管理等 | ||
1) | 事業目的に必要な範囲内での個人情報の収集、保管等及びその適正管理 | ||
2) | 許可の基準に個人情報の適正管理、秘密を守るための必要な措置に係る要件を追加 | ||
3) | 派遣元責任者の業務に個人情報の管理に関することを追加 | ||
4) | 派遣契約の締結に際し、派遣先が派遣労働者を特定することを目的とする行為をすることの禁止の努力義務 | ||
ニ | 秘密の厳守 | ||
・ | 派遣元事業主等による派遣労働者等に係る個人情報の漏洩の禁止 | ||
・ | 個人情報の漏洩の禁止に違反した場合の改善命令・罰則適用 | ||
ホ | 男女雇用機会均等法のセクシュアルハラスメント、保健指導、健康診査に必要な時間の確保等の規定を派遣先にも適用 |
(5) | その他 | |
イ | 公布日から起算して6ヶ月以内の政令で定める日から施行 | |
ロ | 法施行3年後の見直し | |
ハ | 平成11年6月30日成立 | |
ニ | 平成11年7月7日公布 |