81.2%の外国人労働者が「今の会社の仕事を続けたい」
――厚生労働省「2025年外国人雇用実態調査」
国内トピックス
厚生労働省が8月31日に発表した「2025年外国人雇用実態調査」の結果によると、雇用保険被保険者数5人以上の事業所で働く外国人労働者の数は約204万人で、前年の約182万人から約22万人増加した。外国人労働者の転職等の希望では、「今の会社の仕事を続けたい」が81.2%にのぼった。
調査は、事業所における外国人労働者の雇用形態や賃金、また、外国人労働者の雇用状況等の実態を把握するために2023年から毎年実施しており、今回が3回目。2025年調査は2025年10月~11月に実施し、2025年9月30日現在の状況について尋ねた。雇用保険被保険者数5人以上で、かつ、外国人労働者を1人以上雇用している全国の事業所に対する調査と、当該事業所に雇用されている外国人労働者を対象とした労働者調査の2種類があり、3,919事業所(有効回答率43.5%)、労働者1万4,248人(同31.5%)から回答を得た。
外国人労働者数は203万8,878人
事業所調査の結果によると、外国人労働者数は203万8,878人。産業別にみると、「製造業」が最も多く61万4,131人(30.1%)で、前年から約5万人増えた。次いで多いのは「サービス業(他に分類されないもの)」で33万2,621人(16.3%)。以下、「卸売業、小売業」の22万6,986人、「建設業」の17万7,097人などとなっており、前年同様、上位4産業で全体の約3分の2を占めた。
在留資格別にみると、「専門的・技術的分野」が85万8,085人(42.1%)で、前年から約15万人増加。「専門的・技術的分野」の内訳は、「技術・人文知識・国際業務」が37万7,886人(18.5%)、「特定技能」が36万5,042人(17.9%)、「高度専門職」が2万5,426人(1.2%)となっている。そのほかの資格では、永住者や日本人の配偶者などの「身分に基づくもの」が48万9,102人(24.0%)で、「技能実習」が44万1,887人(21.7%)などとなっている。
「きまって支給する現金給与額」の平均は29万2,400円
賃金の状況をみると、労働契約、就業規則等によって定められている支給条件等に基づき、毎月きまって現金で支給される給与額である「きまって支給する現金給与額」は29万2,400円で、前年に比べ6.4%増加した。「きまって支給する現金給与額」には超過勤務手当が含まれており、算出ベースとなる平均の所定内実労働時間は158.7時間で、超過実労働時間が17.6時間となっている。
在留資格別にみると、「専門的・技術的分野」が前年比6.0%増の30万6,500円で、そのうち「特定技能」が同1.5%増の25万4,100円、「技能実習」が同1.7%増の21万3,500円、「身分に基づくもの」が同13.8%増の34万7,200円となっている。
雇用する理由のトップは「労働力不足の解消・緩和のため」(68.2%)
外国人労働者を雇用する理由(複数回答)をみると、「労働力不足の解消・緩和のため」が68.2%(前年69.0%)と最も割合が高く、次いで、「日本人と同等またはそれ以上の活躍を期待して」が56.2%(同54.7%)、「事業所の国際化、多様性の向上を図るため」が18.1%(同15.8%)、「日本人にはない知識、技術の活用を期待して」が14.1%(同13.2%)などとなっている。
外国人労働者の雇用に関する課題(複数回答)をみると、「日本語能力等のためにコミュニケーションが取りにくい」が前年から2.3ポイント増加し、46.2%と最多。次いで、「在留資格申請等の事務負担が面倒・煩雑」が24.8%(前年24.7%)、「文化、価値観、生活習慣等の違いによるトラブルがある」が22.4%(同20.9%)、「生活環境の整備にコストがかかる」が21.9%(同19.9%)などとなっている。
労働者の国籍・地域はベトナム、中国(香港、マカオ含む)などが上位
労働者調査の結果によると、国籍・地域は「ベトナム」が26.5%(前年比約6ポイント減)で最も割合が高く、次いで「中国(香港、マカオ含む)」が14.7%(前年と同率)、「フィリピン」が10.5%(前年と同率)などとなっている。
職業別構成比をみると、「生産工程従事者」が31.3%(前年33.4%)と最も高く、次いで「専門的・技術的職業従事者」が15.4%(同13.4%)、「サービス職業従事者」が14.8%(同12.5%)などとなっている。
現在の仕事への入職経路は「知人、友人」がトップ
日本に居住していた外国人労働者の入職経路をみると、「知人、友人」が前年より2.6ポイント上昇し、37.8%で最も高く、次いで、「求人広告(求人情報誌、インターネット)」の19.1%(前年19.7%)、「日本国内の民間紹介会社」の10.6%(同10.8%)などと続いた。
一方、入職前居住地が日本以外であった外国人労働者の入職経路をみると、「出身国・地域の紹介会社・個人」が41.2%(前年比3.5ポイント減)で最も高く、次いで「日本国内の紹介会社・個人」が16.7%(同3.8ポイント増)、「出身国・地域のその他の機関」が15.1%(同5.6ポイント増)などとなっている。
仕事上のトラブルは「なし」が88.5%
今の仕事をするうえでのトラブルや困ったことについてみると、「なし」が前年から1.6ポイント上昇し88.5%と最も高かった。「あり」は前年から0.9ポイント減少し、10.0%となっている。
「あり」と回答した労働者に具体的なトラブルや困ったことの内容(複数回答)を尋ねると、「紹介会社(送出し機関含む)の費用が高かった」が22.2%(前年18.6%)と最も高く、「トラブルや困ったことをどこに相談すればよいかわからなかった」が15.8%(同14.9%)、「事前の説明以上に高い日本語能力を求められた」が11.9%(同8.8%)などとなっている。
転職または追加就業等の希望についてみると、「今の会社の仕事を続けたい」が81.2%と最も高く、「今の会社の仕事をやめて、日本国内で別の会社の仕事に変わりたい」(6.1%)、「今の会社の仕事を続けながら別の会社の仕事もしたい」(5.3%)、「出身国・地域で働きたい」(1.9%)などは1割未満となっている。
仕事のための職業訓練等を「実施した」が50.4%
日本語の学習以外で、過去1年間に仕事のための職業訓練・勉強等の実施の有無についてみると、「実施した」が50.4%で、「実施していない」が48.6%。その内容(複数回答)についてみると、「自学・自習」が48.9%で、「勤め先での研修」が43.7%、「勉強会・研修会への参加」が17.1%、「通信教育の受講」が8.5%などとなっている。
(調査部)


