コロナ禍への対応だけでなく、アフターコロナを見据えた議論も
 ――単組の賃金・一時金以外で話し合ったこと

ビジネス・レーバー・モニター調査

単組の報告から賃金・一時金以外に春闘で話し合ったことについてみると、スイッチワークの導入等のコロナ禍での対応に加え、アフターコロナを見据えた人材育成の議論もされている。

スイッチワークの導入やテレワークでの人材育成を議論

テレワークについては【事務・精密機器】の単組が、勤務中の中抜けを認めるスイッチワークの導入や、テレワーク勤務が可能な日数の増加について話し合った。【建設】の単組は、1日あたり200円のテレワーク勤務手当の新設を要求。【ゴム】の単組は、アフターコロナを見据えたテレワークのあり方や、テレワークでの人材育成について議論した。

ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた対応も

ワーク・ライフ・バランスについては、【医薬品】の単組が不妊治療と仕事の両立支援制度の拡充、【ゴム】の単組が介護短時間勤務の適用期間のほか、配偶者の転勤に伴う同行休職や彼らのテレワークによる継続勤務、【電機】の単組が育児のための特別休暇を、それぞれ議論した。

組合員の要望の多いモチベーション向上のための要求を

【建設】の単組は、「組合員からの要望が多い項目を選定し、モチベーションの向上を図るため、付帯項目について要求」を掲げたという。具体的には、テレワーク勤務手当のほか、作業所手当の一律5,000円増を要求。さらに、人間ドック等に関する補助および制度の拡充として、①受診日の特休化②受診時の交通費補助③受診機関が遠隔地の場合の宿泊費補助――を要求し、いずれも要求通りで妥結している。

賞与の算定の見直しを別途協議

【事務・精密機器】の単組は、70歳までの雇用延長や60歳から65歳への定年延長について議論した。さらに、春闘とは切り離しての労使協議として、業績連動型賞与の算定式の見直しについても話し合った。組合員の全員投票で合意された場合、次回の年末一時金より算定式が改定されることになるという。