ビジネス・レーバー・トレンド2023年4月号

毎月25日更新

就職氷河期世代の就職を支援する ――各現場での取り組み

2020年度から3カ年の計画で、政府をあげて取り組んでいる就職氷河期世代の就職に向けた支援プログラムが終わり、2023年度からプログラムの「第2ステージ」に入る。「第2ステージ」でも引き続き、関係省庁や都道府県、労使などによるプラットフォームを核に、教育訓練から就職、定着まで切れ目のない支援などが講じられることになっている。本号では、就職氷河期世代の採用に積極的に取り組む企業や多様な社員の受け入れに熱心な企業、専門支援窓口を設けたハローワーク、地域で伴走型支援を展開した地方自治体の取り組み事例などから、「第2ステージ」での効果的なプログラム実施に向けたヒントを探る。

目次

企業・行政取材

調査部では、就職氷河期世代の採用や多様な社員の受け入れに積極的な企業や、ハローワークに設置された同世代支援のための専門窓口、地方自治体の取り組みを取材した。プラント業界で同世代の応募を歓迎する山九(東京都・中央区)、運輸中小にもかかわらず多様な人材の受け入れと活用に熱心な大橋運輸(愛知県・瀬戸市)、ハローワーク新宿、そして地方自治体から神奈川県富山県の取り組みを紹介する。

企業の取り組み

ハローワークの取り組み

地方自治体の取り組み


公務での採用実績


政府方針


国内トピックス

行政、企業、労働組合などの最新動向を、政策課題担当の調査員がわかりやすく紹介します。


ビジネス・レーバー・モニター定例調査

雇用動向や人事労務管理面での変化・課題などについて、モニター委嘱先(企業、事業主団体、産業別労組、単組)を対象に、企業・団体には年4回、労働組合には年2回、アンケート調査を実施しています。

<企業・業界団体調査 2022年10~12月期の業況実績/2023年1~3月期の業況見通し>


ビジネス・レーバー・モニター特別調査


フォーカス

フランスの失業保険制度

フランスの失業保険制度は、時代ごとの雇用情勢と政治・経済を反映する歴史をたどり、その性格は大きく変化している。高い失業率が続いたため、手厚い給付水準の一方で、失業者に積極的な求職活動を義務づけ、早期再就職を促す理念を基本に据える制度になっていった。特に2017年以降のマクロン政権下で、労働市場の流動化を促す改革が矢継ぎ早に行われている。
そこで今回は、現地の情勢に詳しい有識者に2回の連載でフランスの失業保険制度の現状と制度改革の議論について寄稿して頂いた。連載第1回では、まず失業保険制度の改革の歴史を概観する。第2回では、制度の管理運営を担うPôle emploi(雇用センター)の組織概要と役割を紹介する。その上で、労使自治を主軸とする社会保険の原則と労働者保護のための普遍的な制度としての失業保険という理念的な対立関係を考察し、最近公表された失業保険制度改革の影響に関する実証研究を紹介する。最後に、日本の雇用保険とフランスの失業保険の比較の難しさについて触れる。(海外情報担当)

ベトナム労働法の現状

ベトナム改正労働法が2021年1月1日に施行されて2年が経過した。改正の主な目的は①旧労働法の問題の解消、②2013年憲法との整合、③環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)の合意の履行、であった。現地の情勢に詳しい有識者に、あらためてベトナム労働法の主要な改正点を整理・確認していただくとともに、その後に制定された政令・通達等の内容を踏まえ、ベトナム労働法とその実務の現状を解説してもらった。(海外情報担当)


海外労働事情

海外情報を担当する調査員が、欧米・アジアを中心に、労働市場・賃金動向・職業紹介・職業訓練・労使関係など様々な視点から最新事情を紹介します。

中国①
戦略的新興産業分野の中小企業「専精特新」に対する支援策
中国②
「上海市就業促進条例」施行 ―「フレキシブル就業者」への支援を強化

ちょっと気になるデータ

最近公表された公的統計のなかから、ちょっと気になるデータを統計解析担当の調査員がピックアップし、わかりやすく紹介します。(統計解析担当)

2023年3月27日掲載