2021年4月の新着図書紹介

1.朝比奈 なを著『教員という仕事』朝日新聞出版

(2020年11月刊,228p,新書判)

「日本の教員の授業時間は世界一少ないが、労働時間は世界一長い」――。では、なぜ教育現場は「ブラック化」したのだろうか。本書で当事者への取材を通し実態に迫ると、教壇に立つ以外の業務負担が極めて過大であるほか、教員同士の人間関係も大きなストレスになっていることが明らかになった。一方、2020年に本格化した新型コロナウイルスの感染拡大は、全国の教員をいままで以上に多忙にしている。授業のオンライン対応や大量の教材の準備、児童・生徒の安否確認など学校再開までも休まず働き、再開後にはさらに業務が増えた。

著者は、現状の働き方が続けば心身を病む教員が続出し、教育の質は保証されず、教員志望者の減少は食い止められない、と指摘。コロナ禍で新たに生じた教員負担の軽減のために常勤教員3,000人増などが2020年度補正予算で認められたことをはじめ、公立小中学校全学年での「30人学級」実現の体制整備とそのための教員増が2021年度予算概算要求で「事項要求」とされるなど教員増を阻んでいたカベに風穴を開けた点を評価している。

請求番号:374.3/kyo
書誌番号:JB00114206
ISBN:9784022951021

2.瀧本 博史著『オンライン就活は面接が9割』青春出版社

(2020年10月刊,202p,四六判)

コロナショックをきっかけに本格化した就職活動のオンライン化。少子高齢化の下、学生には、行きたい企業は自分が決める“攻めの就活”という新しいトレンドを与え、企業に対してはオンライン就活によって「いままで会えなかった人材に会えた」などと大変好評らしい。著者はこれまでキャリアコンサルタントとして25年以上にわたり、3万人以上の学生に就活対策を指南。そうした経験を持つ著者でさえも、オンライン面接ならではのノウハウを身につけることは、やるとやらないではライバルとの差を広げる大事な要因になると主張する。

本書は自己分析からエントリーシート、対面・オンラインの面接まですべてをこれ1冊でスッキリ解決。なかでも緊張と不安が先走るオンライン就活を突破するための具体的な対処法を豊富に掲げ、① 必ず5分前にはスタンバイをしておく ② 最初にお礼と接続状況を確認する ③ リラックスしすぎないように注意する ④ 質問者に対する逆質問は必ず3つ用意する――などいざ本番になってもあわてることがないよう注意を促す。

請求番号:377.9/onr
書誌番号:JB00114154
ISBN:9784413231701

(日本十進分類[NDC]順に掲載)

主な受け入れ図書

2021年1月~2月の労働図書館受け入れ図書

  1. 秋葉 大輔著『ライフシフト』文藝春秋(271頁,四六判)
  2. 鎌田 華乃子著『コミュニティ・オーガナイジング』英治出版(318頁,四六判)
  3. 松尾 匡著『左翼の逆襲』講談社(281頁,新書判)
  4. ジョエル・ベスト著『社会問題とは何か』筑摩書房(372頁,四六判)
  5. 前川 孝雄著『50歳からの幸せな独立戦略』PHP研究所(348頁,新書判)
  6. 安藤 史江編著『変わろうとする組織 変わりゆく働く女性たち』晃洋書房(xi+168頁,A5判)
  7. 相馬 直子ほか著『ひとりでやらない育児・介護のダブルケア』ポプラ社(229頁,新書判)
  8. 原田 謙著『「幸福な老い」と世代間関係』勁草書房(x+196頁,A5判)
  9. 藤木 美智代著『女性管理職という生き方』学事出版(191頁,四六判)
  10. 林 望著『定年後の作法』筑摩書房(244頁,新書判)