2015年10月の図書紹介(2015年9月受け入れ図書)

1.中村和彦著『入門 組織開発』光文社(204頁,新書判)

 バブル経済崩壊後、日本企業は減収を回復させるため、組織のハード面に対する改革を実施したが、「人」や「関係性」などのソフト面には多くが手をつけなかった。本書は、ソフト面の改善までして初めて組織改革を実施したといえると強調。日本の組織の現代的課題である、①活き活きとできない社員②利益偏重主義③個業化する仕事の仕方④多様性の増大などを取り上げ、変革するためのアプローチを提示する。いま組織開発が必要とされている理由、組織開発の特徴と歴史、理論と手法、進め方を紹介するとともに、なぜ、組織の人間的側面が重要な経営課題となるのかを組織開発の第一人者がわかりやすく解説。Y理論をベースとした組織マネジメントの必要性を主張する。

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請求記号:336.3/nyu

書誌番号:JB00105564

ISBN:9784334038588

2.柳沢正和他著『職場のLGBT読本』実務教育出版(263頁,A5判)

 LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字を取った、性的少数者を意味する総称。欧米では、芸能人や企業経営者、政治家などが自らLGBTと名乗り出ているが、日本でも、指針の改正によりLGBT差別はセクハラとなるとともに、ダイバーシティ活動の一環として取り組む企業も増えつつある。本書は、当事者アンケートによるLGBTに関する一般的情報、先進企業の事例や職場環境整備のポイント、当事者や積極的支援者へのインタビューなどで構成。「ありのままの自分」で働ける環境を目指す、企業の取り組みを中心にまとめられた初めてのLGBT実務書。オリンピック憲章も、性的指向による差別を禁止している。

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請求記号:336.4/sho

書誌番号:JB00105831

ISBN:9784788910942

3.豊田義博著『若手社員が育たない。』筑摩書房(236頁,新書判)

 「最近の若者は、マジメで優秀だが、成長がみられない」。いわゆる「ゆとり世代」とされる彼ら・彼女らはなぜこのように分析されるのか。本書によれば、育成上の懸念材料として「コミュニケーション不足」問題が浮上。同世代とは深く交流できるが、年齢の異なる人たちとはうまく交われないという特性である。さらに「『成長する自由』から逃走している」「リスク回避志向が高い」などと育ちにくくなっている若手社員の現状と課題を整理。仕事の高度化など、従来と異なる複雑な仕事をこなさなければならなくなっている現在、若者が成長するには、一つの会社内でなく、大学教育や社会環境の改革など、社会協働型「育成・活用」システムの構築が急務と指摘する。

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請求記号:336.4/wak

書誌番号:JB00105573

ISBN:9784480068354

4.武谷雄二著『働く女性と健康』産業医学振興財団(v+165頁,A5判)

 女性の社会進出は、女性の自立を促し、生きがいを持って充実した人生を送るために大いに推進すべきこととされる。一方、少子化による人口減少社会に突入し、労働力人口が減少しつつある日本においては、多くの女性が働くことは、産業の活性化や国の発展にもつながる。しかし、男女の身体的機能は異なり、さまざまな疾患にり患するリスクにも性差がある。さらに、月経に関する悩みや女性特有の疾患、妊娠・出産・授乳など、女性の就労に関しては、男性と異なった配慮が必要となる。本書は、実際に仕事をしている女性の健康管理についての産科婦人科学研究者・労働者健康福祉機構理事長による啓蒙書である。妊娠・出産への社会的な支援をとくに強調している。

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請求記号:498.8/hat

書誌番号:JB00105948

ISBN:9784915947605

(日本十進分類[NDC]順に掲載)

主な受け入れ図書

2015年7月-2015年8月に労働図書館受け入れ

  1. 道垣内弘人他著『国際社会の変動と法』岩波書店(ix+216頁,A5判)
  2. 大竹文雄著『経済学のセンスを磨く』日本経済新聞出版社(216頁,新書判)
  3. 桑田耕太郎他編『制度的企業家』ナカニシヤ出版(xxviii+442頁,A5判)
  4. 一条和生著『リーダーシップの哲学』東洋経済新報社(xi+299頁,A5判)
  5. 田中亘他編『企業統治の法と経済』有斐閣(xii+403頁,A5判)
  6. 鷲田祐一著『イノベーションの誤解』日本経済新聞出版社(259頁,A5判)
  7. 清水レナ著『輝く会社のための女性活躍推進ハンドブック』ディスカヴァー・トゥエンティワン(183頁,四六判)
  8. 河合克彦著『役割・能力・成果…“○×主義”を超えて』日本生産性本部生産性労働情報センター(329頁,A5判)
  9. 鷲田清一著『しんがりの思想』KADOKAWA(222頁,新書判)
  10. 西條剛央著『チームの力』筑摩書房(221頁,新書判)
  11. 佐藤郁哉著『社会調査の考え方』東京大学出版会(x+297頁,A5判)
  12. 増田雅暢他編著『アジアの社会保障』法律文化社(vi+163頁,A5判)
  13. ロベール・カステル著『社会喪失の時代』明石書店(487頁,A5判)
  14. マーティン・フォード著『テクノロジーが雇用の75%を奪う』朝日新聞出版(301頁,A5判)
  15. 野川忍著『労働協約法』弘文堂(xv+462頁,A5判)
  16. 中窪裕也他著『労働法の世界』有斐閣(xxiii+504頁,A5判)
  17. 小宮文人著『労働契約締結過程』信山社(x+118頁,B5判)
  18. 森井利和編著『労働問題を読み解く民法の基礎知識』労働調査会(xxi+583頁,A5判)
  19. 西川清之著『人口減少社会の雇用』文眞堂(xi+240頁,A5判)
  20. 坂幸夫編著『現代日本の企業組織再編と労働組合の課題』学文社(iv+220頁,A5判)
  21. マーティン・グラバーマン著『戦時ストライキ』こぶし書房(221+iv頁,A5判)
  22. 大内裕和他著『ブラックバイト』堀之内出版(286頁,四六判)
  23. 杉山崇編著『入門!産業社会心理学』北樹出版(252頁,A5判)
  24. 佐久間大輔著『精神疾患・過労死』中央経済社(2+9+237頁,A5判)
  25. 中村真由美編著『弁護士のワークライフバランス』明石書店(235頁,A5判)
  26. 甲村和三編『キャリアを学ぶ』学術図書出版社(iv+222頁,A5判)