約3割の女性が仕事・キャリアでの学び直しに意欲。だが、1年以内に学ばなかった人が8割以上
 ――「2026年版男女共同参画白書」が女性の学び直しの現状などを特集

スペシャルトピック

内閣府男女共同参画局が7月に公表した「2026年版男女共同参画白書」では、「仕事や職業キャリアに関する女性の学び直し・暮らしを充実させる男性の学び直し~学び直しの現状と分析~」を特集テーマに取り上げた。特集では、内閣府が実施した「2025年度人生を豊かにするための学びに関する調査」の結果をもとに、学び直しへの意欲や障壁について、女性・男性それぞれの回答を分析。仕事や職業キャリアに関する学び直しについて、女性では約3割が「学ぶ意欲がある」とする一方、8割以上は「過去1年以内に学んでいない」とした。

「男女共同参画白書」は、男女共同参画社会基本法に基づき作成している年次報告書で、男女共同参画の現状と施策についてとりまとめている。今回の特集は、「第1節 人生100年時代における生活や社会構造の変化」「第2節 人生を豊かにする学び直しへの意欲と障壁」「第3節 多様な豊かさを実現できる社会の形成に向けた学び直しの促進」で構成。学び直しに関する調査・分析結果を紹介する第2節に絞って概要を紹介する。

学び直しの「意欲がある」割合は女性26.9%、男性30.5%

人生をより良くするために「新しいことを身につけたい」・「いまの自分の能力やスキルを更に磨きたい」という学び直しへの意欲について、10点満点で点数をつけた結果を男女別にみると、「意欲がある(7~10点)」の割合は、女性が26.9%で、男性が30.5%、「中間(4~6点)」は、女性が42.1%、男性が41.3%、「意欲がない(0~3点)」は、女性が31.0%、男性が28.2%となっている(図表1)。

図表1:人生をより良くするための学び直しへの意欲
画像:図表1
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(公表資料から編集部で作成)

女性のほうが高い学び直しの意識

「何歳になっても、能力を伸ばし続けることができる」という考え方について、「そう思う」(「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」の合計)とする人の割合をみると、「女性」が47.5%、「男性」が37.9%で、女性のほうが10ポイントほど高い。

そのうち、「そう思う」の割合を年齢別にみると、女性では「20代」が40.4%、「30代」が41.0%、「40代」が46.6%、「50代」が51.3%、「60代」が54.1%となり、年齢が上がるほど割合が高くなっている。

一方、男性は、「20代」が39.7%、「30代」が38.3%、「40代」が36.8%、「50代」が38.1%、「60代」が37.3%で、年代による大きな変化はない。

社会変化に対応するために学び続けることが必要とする割合は4割台

「社会の変化に対応するために、学び続けることが必要だ」という考え方について、「そう思う」(「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」の合計)とする人の割合をみると、女性が44.7%、男性が40.3%で、女性のほうが約4ポイント高い。

年齢別にみると、女性では、「20代」が38.3%、「30代」が39.9%、「40代」が45.1%、「50代」が46.8%、「60代」が49.5%となり、年齢が上がるほど割合は高まる。

一方、男性は、「20代」が42.4%、「30代」が41.2%、「40代」が39.6%、「50代」が39.7%、「60代」が39.7%と、若年層で割合が高くなっている。

仕事や職業キャリアに関する学び直しへの意欲と経験についてみると、女性では「学ぶ意欲があり、過去1年以内に学んだ」との回答割合が9.6%、「学ぶ意欲はあるが、過去1年以内に学んでいない」が24.1%、「学ぶ意欲はないが、過去1年以内に学んだ」が3.1%、「学ぶ意欲はなく、過去1年以内に学んでいない」が63.2%で、男性は同じ順で15.0%、24.7%、3.6%、56.7%という結果だった。

「学ぶ意欲がある」(「学ぶ意欲があり、過去1年以内に学んだ」と「学ぶ意欲はあるが、過去1年以内に学んでいない」の合計)の割合は、女性が33.7%で、男性が39.7%となっている。

また、「過去1年以内に学んでいない」(「学ぶ意欲はあるが、過去1年以内に学んでいない」と「学ぶ意欲はなく、過去1年以内に学んでいない」の合計)の割合は、女性が87.3%で、男性が81.4%となっている。

学び直しへの障壁は男女ともに「金銭的余裕がない」がトップ

仕事や職業キャリアに関する学び直しへの課題や困りごと(複数回答)をみると、女性では「金銭的余裕がない」(32.7%)が最も割合が高く、次いで「学んでも収入アップにつながらない」(19.3%)、「何を学んでいいか分からない」(19.1%)、「仕事が忙しくて時間がない」(17.2%)、「家事・育児・介護等が忙しくて時間がない」(14.6%)などの順で高い(図表2)。男性も「金銭的余裕がない」(25.4%)が最も高くなっており、次いで「仕事が忙しくて時間がない」(20.5%)、「学んでも収入アップにつながらない」(18.1%)などの順となっている。

図表2:仕事や職業キャリアに関する学び直しへの障壁
画像:図表2
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(公表資料から編集部で作成)

男女ともに約7割が趣味など暮らしを充実させる学び直しに意欲的

仕事やキャリアに関する学び直しを除く、「文化・教養(語学・芸術・歴史等)に関すること」など暮らしを充実させる学び直しへの意欲と経験についてみると、女性では「学ぶ意欲があり、過去1年以内に学んだ」の回答割合が28.2%、「学ぶ意欲はあるが、過去1年以内に学んでいない」が44.4%、「学ぶ意欲はないが、過去1年以内に学んだ」が2.0%、「学ぶ意欲はなく、過去1年以内に学んでいない」が25.5%で、男性は同じ順で29.1%、39.3%、2.6%、29.0%という結果だった。

「学ぶ意欲がある」(「学ぶ意欲があり、過去1年以内に学んだ」と「学ぶ意欲はあるが、過去1年以内に学んでいない」の合計)の割合は、女性は72.6%、男性は68.4%で、男女ともに約7割が暮らしを充実させる学び直しの意欲をもっている。

暮らしを充実させる学び直しの効果、女性では「日々の暮らしに役に立った」が最多

過去5年以内に暮らしを充実させる学び直しの経験がある人について、その効果を尋ねた結果をみると(複数回答)、女性では「日々の暮らしに役に立った」(36.9%)が最も回答割合が高く、次いで「興味・関心の幅が広がった」(35.0%)、「心身の健康につながった」(29.1%)などの順となっている。一方、男性は、「興味・関心の幅が広がった」(32.6%)が最も割合が高く、次いで「教養が深まった」(29.8%)、「日々の暮らしに役に立った」(29.6%)などの順で高い。

暮らしを充実させる学び直しについて、「学ぶ意欲はあるが、過去1年以内に学んでいない」と回答した人の学んでいない理由をみると(複数回答)、女性は「学ぶための費用がかかるから」(24.1%)が最も割合が高く、「何を学んでいいか分からないから」(21.8%)、「身近なところに学ぶ機会・場がないから」(19.1%)などと続いた。一方、男性は、「仕事が忙しくて時間がないから」(23.1%)が最も割合が高く、次いで「何を学んでいいか分からないから」(20.0%)、「学ぶための費用がかかるから」(19.0%)などの順だった。

学びに対する配偶者の姿勢についてみると、「前向きである」(「学ぶことを積極的に支援してくれる」と「学ぶことに対して理解がある」の合計)とした人の割合は、「女性」では45.1%、「男性」では47.8%で、男性の回答割合のほうが若干高くなっている。

男女ともに約6割が、学び直しが仕事等に「いかせている」と回答

仕事や職業キャリアに関する学び直しの効果についてみると、現在の仕事やキャリア、転職、再就職などに「いかせている」(「いかせている」と「どちらかといえばいかせている」の合計)の回答割合は、女性が60.8%、男性が67.0%で、女性のほうが6ポイントほど低い。

「いかせている」の割合を年齢別にみると、「女性」では、「20代」が61.5%、「30代」が55.3%、「40代」が58.5%、「50代」が62.7%、「60代」が68.4%で、「30代」と「40代」が他の年代より低く、「60代」が最も高い。一方、「男性」では、「20代」が71.3%、「30代」が68.9%、「40代」が67.4%、「50代」が63.1%、「60代」が61.5%と、年齢が上がるほど割合が低くなる。

将来的に仕事や昇給・昇進・昇格、転職、独立等のキャリアアップにつながると思うかを尋ねると、「つながると思う」(「つながると思う」と「どちらかといえばつながると思う」の合計)とする人の割合は、女性が66.5%で、男性が70.7%だった。

学びの経験がある人ほど高くなる「自分の役割や居場所がある」との感覚

過去5年以内に学びの経験がある人とない人で、普段の暮らしの中での自分の役割や居場所の感じ方を比較した結果をみると、女性については、「過去5年以内に学んだ」経験がある人で「現在の自分の役割や居場所があると思う」と回答したのは61.1%で、「過去5年以内に学んでいない」人の同割合(41.1%)を20ポイント上回った。

一方、男性についてみると、「過去5年以内に学んだ」経験がある人で「現在の自分の役割や居場所があると思う」と回答した人の割合は58.6%で、「過去5年以内に学んでいない」人の場合の同割合(30.7%)を約28ポイント上回った。

さらに、1年以内の学びの経験の有無でみると、女性については、「過去1年以内に学んだ」経験がある人で「現在の自分の役割や居場所があると思う」と回答したのは64.3%で、「過去1年以内に学んでいない」人では43.4%だった。一方、男性は、同じ順でそれぞれ63.1%、34.0%となっており、男女ともに、過去1年以内の学びの経験によって自分の役割や居場所の感じ方に差がある。

(調査部)

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