民間企業に雇用される障がい者数が約70万4,600人と過去最高を記録
 ――厚生労働省の2025年「障害者雇用状況」集計結果

国内トピックス

厚生労働省が昨年12月に公表した民間企業や公的機関などにおける2025年の障害者雇用状況の集計結果によると、民間企業に雇用されている障がい者数は、前年より4.0%多い70万4,610.0人となり、過去最高を更新した。障がいの種類別では特に精神障がい者の伸び率が大きい。

民間企業に雇用される精神障がい者は前年比11.8%増

民間企業に雇用されている障がい者数を、障がいの種類別にみると、身体障がい者が37万3,914.5人(前年比1.3%増)、知的障がい者が16万2,153.5人(同2.8%増)、精神障がい者が16万8,542.0人(同11.8%増)となっており、特に精神障がい者の伸び率が大きい。

実雇用率は14年連続で過去最高を更新

法定雇用障がい者数の算定基礎となる労働者に占める雇用障がい者数の割合(実雇用率)は2.41%で前年と同率。ただし、小数点以下第3位までみた数値で比較すると前年より上昇しており、14年連続で過去最高を更新した形となっている。法定雇用率を達成している企業の割合は46.0%で前年同率。

実雇用率を企業規模別にみると、「40.0~100人未満」は1.94%(前年は1.96%)、「100~300人未満」は2.18%(同2.19%)、「300~500人未満」は2.27%(同2.29%)、「500~1,000人未満」は2.41%(同2.48%)、「1,000人以上」は2.69%(同2.64%)となっている。

「1,000人以上」を除くと、いずれの規模区分も前年から低下しているが、これは、各事業主が雇用しなければならない障がい者の数を算定する基礎となる常用雇用労働者数を算定する際に、一定の業種に属する事業を行う事業所の事業主についてはその常用雇用労働者数から一定率に相当する労働者数を控除する制度である「除外率」が2025年4月に縮小された影響を含んでいるため。

法定雇用率(2.5%)を達成している企業の割合を規模別にみると、「40.0~100人未満」は44.7%(前年は44.3%)、「100~300人未満」は48.6%(同49.1%)、「300~500人未満」は40.3%(同41.1%)、「500~1,000人未満」は44.5%(同44.3%)、「1,000人以上」は57.5%(同54.7%)となっている。

実雇用率を産業別にみると、「医療、福祉」(3.02%)が最も高く、「電気・ガス・熱供給・水道業」「生活関連サービス業、娯楽業」「複合サービス事業」(いずれも2.54%)などは法定雇用率の2.5%を上回っている。「教育、学習支援業」(1.85%)、「建設業」(2.00%)、「情報通信業」(2.06%)、「不動産業、物品賃貸業」(2.08%)などが比較的低くなっている。

法定雇用率未達成の企業の6割近くは障がい者雇用数がゼロ

法定雇用率の未達成企業は6万5,033社。このうち、雇用されている障がい者の不足数が0.5人または1人の企業(1人不足企業)は、全体の約3分の2(64.0%)を占める。また、法定雇用率の未達成企業のうち、障がい者を1人も雇用していない企業(0人雇用企業)は3万7,262社で、未達成企業に占める割合は57.3%となっている。

特定子会社は17社増えて631社に

親会社の実雇用率に算入できる、障がい者の雇用に特別の配慮をした子会社である「特例子会社」の認定を受けている企業は631社で、前年から17社増加した。特例子会社に雇用されている障がい者数は5万3,710.5人(前年は5万290.5人)となっている。

特例子会社に雇用されている障がい者数を障がいの種別にみると、身体障がい者が1万2,920.0人(前年は1万2,488.5人)、知的障がい者が2万6,739.5人(同2万5,553.5人)、精神障がい者が1万4,051.0人(同1万2,248.5人)となっている。

国の機関の実雇用率は3.04%

公的機関の状況をみると、国の機関に在職している障がい者の数は1万595.5人で、前年から1.6%増加した。実雇用率は3.04%。44機関中すべてが法定雇用率(2.8%)を達成した。

都道府県の機関に在職している障がい者の数は1万1,375.0人で、前年から3.1%増加した。実雇用率は3.03%。知事部局は47機関中46機関が法定雇用率(2.8%)を達成しており、未達成の1機関も集計結果の発表時点では達成している。知事部局以外は120機関中102機関が達成している。

市町村の機関に在職している障がい者の数は3万9,142.0人で、前年から4.6%増加。実雇用率は2.69%。2,470機関中1,716機関が法定雇用率(2.8%)を達成している。

障害者雇用促進法では事業主に対し、常時雇用する従業員の一定割合以上の障がい者を雇うことを義務づけている。また同法では、毎年6月1日現在の身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者の雇用状況について、雇用義務のある事業主等に報告を求めており、今回の集計結果はそれを取りまとめたもの。短時間労働者は原則0.5人でカウントしている。民間企業については、2024年4月以降は従業員数40人以上を対象としているが、2026年7月からは37.5人以上まで拡大するほか、法定雇用率は現在の2.5%から2.7%に引き上がる。

(調査部)

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