70歳までの就業確保を措置済みの企業割合は34.8%
 ――厚生労働省の2025年「高年齢者雇用状況等報告」

国内トピックス

厚生労働省が昨年12月に公表した2025年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果によると、従業員の65歳までの雇用確保措置を実施済みの企業は前年と同じ99.9%だったが、70歳までの就業確保措置を実施済みの企業は前年より2.9ポイント増えて34.8%になった。企業規模別では、中小企業(21~300人以下)が35.2%で、大企業(301人以上)の29.5%を5.7ポイント上回った。中小企業の高齢社員の活用が進んでいる状況がうかがえる結果になっている。

調査は、全国の常時雇用する労働者21人以上の企業23万7,739社の2025年6月1日時点の状況を集計した。規模別では、中小企業(21~300人規模)22万466社、大企業(301人以上規模)1万7,273社となっている。

65歳までの雇用確保措置で「定年の引上げ」が3割台に

65歳までの高年齢者雇用確保措置(雇用確保措置)を実施済みの企業は、前年同様99.9%。内訳をみると、「継続雇用制度の導入」が65.1%で前年に比べ2.3ポイント減少した半面、「定年の引上げ」が前年より2.3ポイント増えて31.0%となり、定年制を見直す企業が3割台に乗った。なお、「定年制の廃止」は3.9%で前年と変わらない。

70歳までの就業確保の措置済み企業は中小が大手を上回る

一方、70歳までの高年齢者就業確保措置(就業確保措置)を実施済みの企業は34.8%で、未実施は65.2%。就業確保措置を講じる企業はまだ少数派だが、前年調査に比べると2.9ポイント増えた。企業規模別にみると、大企業が29.5%(前年比4.0ポイント増)で、中小企業は35.2%(同2.8ポイント増)。実施済みの割合は中小企業が大企業より5%以上高い。

建設業での活用が進む70歳までの就業確保措置

また、産業別では、「建設業」(46.9%)や「農、林、漁業」(44.1%)、「医療、福祉」(42.5%)、「運輸、郵便業」(42.3%)などの人手不足が深刻な産業で高齢者雇用が進んでいる様子が垣間見える。

就業確保措置を実施済みの企業の措置内容については、「継続雇用制度の導入」が28.3%(前年比2.7ポイント増)と高く、「定年制の廃止」が前年と同じ3.9%で、「定年の引上げ」は2.5%で同0.1ポイント微増した。業務委託契約を締結する制度や社会貢献事業に従事できる制度を導入する「創業支援等措置の導入」は0.1%で横ばいだった。

定年年齢を「65歳」とする企業は27.2%

定年制の状況を定年年齢別にみると、定年制を廃止している企業は3.9%(前年と変わらず)。定年年齢が「60歳」の企業は62.2%(前年比2.2ポイント減)、「61歳~64歳」が2.9%(前年と変わらず)、「65歳」が27.2%(同2.0ポイント増)、「66歳~69歳」が1.2%(同0.1ポイント増)、「70歳以上」が2.5%(同0.1ポイント増)だった。

(調査部)

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