正社員の賃上げ額は1万3,183円で、賃上げ率は4.73%
――日本商工会議所・東京商工会議所の「2025年度中小企業の賃金改定に関する調査」
国内トピックス
日本商工会議所と東京商工会議所(ともに小林健会頭)が2025年11月20日に発表した「2025年度の中小企業の賃上げに関する調査」の集計結果によると、正社員の賃上げ額(月給)の加重平均は1万3,183円で、賃上げ率は4.73%となった。2025年度に「賃上げを実施済み」もしくは「賃上げを実施予定」の企業は82.0%と8割を超えた。
調査は、2025年度4月~9月の中小企業における賃上げ額・賃上げ率を把握するために実施。調査期間は2025年10月17日~10月31日で、1,247社から回答を得た(回答率41.0%)。
300人以下の企業の賃上げ額は1万2,467円
正社員の賃上げ額・賃上げ率は、春季生活闘争の労使交渉に基づく賃上げ額・賃上げ率と比較するため、2025年3月と9月の両期間に在籍し、かつ雇用形態や労働時間の変更がない従業員について、正社員の月給を加重平均で確認した。
それによると、正社員の賃上げ額は1万3,183円で、賃上げ率は4.73%となっている。
企業規模別にみると、300人以下の企業の賃上げ額は1万2,467円で、20人以下の小規模企業では1万1,089円となった。賃上げ率は、300人以下では4.47%で、20人以下では4.02%となっている。
なお、両会議所は賃上げ結果について、今回の調査の前に、2024年度以降では2度、調査を実施している。それによると、2024年6月公表の調査では、正社員の賃上げ額は9,662円、賃上げ率は3.62%(加重平均)となっている。2025年6月公表の調査では、正社員の賃上げ額は 1万1,074円、賃上げ率は4.03%(同)となっている。
8割以上の企業が2025年度中に賃上げを実施・予定
2025年度の賃上げ実施状況についてみると、「2025年4月~9月に賃上げを実施済」と回答した企業は64.5%と最も高く、次いで「2025年10月~2026年3月に賃上げを実施予定」が17.5%となった(図表)。これらの割合を合計した2025年度に「賃上げを実施済み」もしくは「賃上げを実施予定」の企業は82.0%となり、8割を超えた。一方、「現時点では未定」は13.2%、「賃上げを見送る」は4.9%となっている。
図表:2025年度の賃上げ実施状況

(公表資料から編集部で作成)
なお、2025年6月に公表した前回調査では、「2025年度に賃上げを実施・実施予定」と回答した企業は69.6%で、それと比べると12.4ポイント増加した。前回調査は2025年4月14日~5月16日に実施している。
20人以下の小規模企業でも7割を超える
賃上げ実施状況を20人以下の小規模企業に絞ってみると、「2025年4月~9月に賃上げを実施済」と回答した企業は52.3%で、「2025年10月~2026年3月に賃上げを実施予定」が22.0%となっている。両割合をあわせた2025年度に「賃上げを実施済み」もしくは「賃上げを実施予定」の企業は74.3%で、小規模企業においても7割を超える状況となっている。このほかの回答割合は、「現時点では未定」が18.4%で、「賃上げを見送る」が7.3%。
20人以下の小規模企業の結果についても6月公表の前回調査と比べると、「2025年度に賃上げを実施・実施予定」と回答した企業は57.7%であり、16.6ポイント増加している。
(調査部)
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