平均妥結額は94万6,469円で過去最高額に
――厚生労働省「2025年民間主要企業夏季一時金妥結状況」
2025春闘における賃上げ等の状況
厚生労働省が9月12日に発表した「2025年民間主要企業夏季一時金妥結状況」によると、夏季一時金の平均妥結額は94万6,469円となり、前年を上回って、過去最高額となった。産業別でみると「造船」や「自動車」など5つの産業で100万円超を記録している。
平均要求額は約6万円アップして99万円台に
集計したのは、妥結額などを把握できた資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合のある企業342社で、各企業の組合員数による加重平均を算出している。
詳しくみると、平均要求額は99万7,430円で、前年(93万7,922円)より5万9,508円(対前年比6.34%)の増加。平均妥結額は94万6,469円で、前年(89万8,754円)より4万7,715円(同5.31%)の増加となった。そのうち前年と同一企業265社による平均妥結額は96万3,453円で、前年(90万6,042円)を5万7,411円(同6.34%)上回った。
平均要求額、平均妥結額はともに90万円台にのぼり、現在の対象(妥結額などを把握できた資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合のある企業の加重平均)で集計を開始した2004年以降でみると、いずれも過去最高額を更新。平均妥結額は2022年以降4年連続での増額となっている。
対前年比で増加幅が最も大きかったのは「造船」
産業別にみると、平均妥結額が最も高いのは「造船」で118万5,378円となっており、次いで「自動車」(110万9,305円)、「建設」(109万7,156円)、「電気機器」(105万446円)、「化学」(104万5,485円)、「窯業」(92万2,179円)、「機械」(92万861円)、「鉄鋼」(91万4,629円)、「情報通信」(89万2,573円)、「電力・ガス」(88万7,456円)、「ゴム製品」(87万6,582円)、「繊維」(87万1,315円)などの順となっている(図表)。
図表:産業別にみた2025年民間主要企業夏季一時金の妥結状況(加重平均)

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注:妥結額は、原則として平均方式を用いたが、一部に年齢ポイント(30歳、35歳など)での妥結額を含んでいる。
(公表資料から編集部で作成)
対前年比で増加幅が大きかった産業をみると、「造船」が24.11%増、「卸・小売」が14.43%増、「金融」が10.94%増、「電気機器」が9.97%増、「建設」が8.92%増、「電力・ガス」が7.41%増などとなっている。一方、減少幅が大きかった産業は、「サービス」(15.23%減)、「鉄鋼」(6.90%減)など。
(調査部)
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