メールマガジン労働情報 No.1802

■□――【メールマガジン労働情報/No.1802】

2021年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果を公表/厚労省 ほか

―2022年8月31日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】2021年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果を公表/厚労省 ほか
【統計】7月の完全失業率2.6%、前月と同率/労働力調査 ほか
【労使】組織体制の現状把握などを運動方針に補強/ものづくり産別労組、JAMの定期大会 ほか
【動向】5割近くの企業が正社員の人手不足/民間調査 ほか
【海外】雇用における法的地位の明確化は白紙に/イギリス ほか
【法令】労働関係法令一覧(2022年7月公布分)
【イベント】「テレワークセミナー」/東京テレワーク推進センター ほか

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【JILPT研究成果情報】
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◇資料シリーズ No.259『欧米諸国におけるデジタル技術の進展を踏まえた公的職業訓練に関する調査―アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス―』

 イギリス、アメリカ、ドイツ、フランスの4か国を対象として、欧米諸国における
デジタル技術の進展を踏まえた公的職業訓練をはじめとする人材育成施策の動向や現状、
課題等について調査しました。アメリカでは公的な職業訓練施設はなく、訓練は大学や
コミュニティカレッジ、民間事業者等で行われること、イギリスでは公的職業訓練の
主な対象者は、若年層と低資格層(および失業者)であり、中等教育修了相当のレベルの
資格までが、主な補助の範囲となっていること、などが分かりました。
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2022/259.html

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【JILPTからのお知らせ】
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◇『日本労働研究雑誌』2022年9月号を刊行しました!
 特集「住むことと働くこと」
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2022/09/index.html

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【新型コロナウイルス関連情報】
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▽最近の更新情報(8月30日更新)

 国内統計:完全失業率
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c06.html

 国内統計:有効求人倍率
 https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c07.html

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【行政】
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●2021年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果を公表/厚労省

 厚生労働省は30日、2021年度に労働基準監督署が監督指導した賃金不払残業の
是正結果を公表した。1,069企業に対して、合計65億781万円の割増賃金の支払いを
指導し、対象労働者数は6万4,968人。支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり
609万円、労働者1人当たり10万円。不払割増賃金の支払額が1企業合計100万円以上
となった事案についてまとめている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27591.html

●原材料高騰等に対応するため「業務改善助成金」制度を拡充/厚労省

 厚生労働省は9月1日より、事業場内最低賃金の引き上げを図る中小企業・
小規模事業者を支援する「業務改善助成金」制度を拡充すると公表した。
原材料費高騰等により利益率が減少した中小企業・小規模事業者を特例の対象とし、
同事業者の設備投資等に対する助成範囲を拡大し、事業場内最低賃金が低い
事業者に対する助成率の引き上げなどの支援を拡充する。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27679.html

●9月は「職場の健康診断実施強化月間」/厚労省

 厚生労働省は、毎年9月を「職場の健康診断実施強化月間」と位置付け、
一般定期健康診断の実施、結果についての医師の意見聴取、意見を踏まえた
就業上の措置の実施について、集中的・重点的に啓発を行っている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27561.html
(リーフレット)
https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/000980141.pdf

●第6回「学校における働き方改革推進本部」を開催/文科省

 文部科学省は29日、第6回「学校における働き方改革推進本部」を開催し、
学校における働き方改革に係る文部科学省の取組状況の進捗状況について
議論した。配付資料「学校における働き方改革に係る文部科学省の取組状況」
では、指導体制の整備、学校DXの推進、教員の勤務実態調査など10項目について、
これまでに示された検討の方向性、これまでの取組状況と成果、今後の方向性
が示されている。
https://www.mext.go.jp/content/20220826-mxt_zaimu01-100002242_1.pdf
(学校における働き方改革推進本部)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/hatarakikata/1413144.htm

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【統計】
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●7月の完全失業率2.6%、前月と同率/労働力調査

 総務省は30日、2022年7月の「労働力調査(基本集計)」を公表した。
完全失業率(季節調整値)は2.6%で、前月と同率。完全失業者数は176万人
(前年同月比17万人減)で、13か月連続の減少。就業者数は6,755万人
(同2万人減)で、4か月ぶりの減少、雇用者数は6,052万人(同16万人増)で、
5か月連続の増加。
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html
(概要)
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf

●7月の新規求人、「宿泊業・飲食サービス業」は前年同月比48%増/一般職業紹介状況

 厚生労働省は30日、「一般職業紹介状況」を公表した。2022年7月の
有効求人倍率(季節調整値)は1.29倍で、前月比0.02ポイント上昇。
新規求人倍率(同)は2.40倍で、同0.16ポイント上昇。新規求人(原数値)は、
前年同月比で12.8%増。産業別では、宿泊業・飲食サービス業(47.7%増)、
サービス業(他に分類されないもの)(16.7%増)、運輸業・郵便業(14.7%増)、
製造業(14.5%増)などで増加。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27535.html
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/000978584.pdf

●基調判断「生産は一進一退」で据え置き/7月鉱工業指数

 経済産業省は31日、2022年7月の鉱工業生産・出荷・在庫指数(速報)を
公表した。生産指数(季節調整値)は97.1で、前月比1.0%の上昇。業種別では、
自動車工業、汎用・業務用機械工業、生産用機械工業等が上昇し、電子部品・
デバイス工業、化学工業(無機・有機化学工業・医薬品を除く)、鉄鋼・
非鉄金属工業等が低下した。出荷は同1.6%の上昇、在庫は横ばい、在庫率は
同1.6%の上昇。基調判断は「生産は一進一退」で据え置き。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
(概要)
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2015_202207sj.pdf

●基調判断「改善を示している」で据え置き/6月・景気動向指数の改訂状況

 内閣府は29日、2022年6月の「景気動向指数・速報からの改訂状況」を公表した。
景気の現状を示す「一致指数」は、前月差3.7ポイント上昇の98.6(速報値は99.0)。
基調判断は、「景気動向指数(CI一致指数)は、改善を示している」で据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/202206rsummary.pdf
(統計表)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html

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【労使】
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●組織体制の現状把握などを運動方針に補強/ものづくり産別労組、JAM定期大会

 金属、機械関連の中小企業の労働組合を多く抱える産別労組、JAM(安河内賢弘会長、
36万6,000人)は8月25日、オンライン方式を併用して定期大会を開催した。昨年の
定期大会で決定した「2022・2023年度運動方針」にもとづく2023年度活動方針を確認。
組織維持が困難となったり、組合としての必要性を感じないことを理由に脱退、解散
する単組が後を絶たないことを重要視し、過半数に足していない組合数の把握など、
現状の組織体制の把握を強化することなどを補強した。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20220831a.html

●2023春闘に向けた「総合生活改善闘争・基本方針」を提示/生保労連定期大会

 生命保険会社の労働組合で構成する生保労連(松岡衛委員長、24万2,000人)は
8月23日、都内でオンライン併用の定期大会を開き、2022年度の運動方針を決めた。
方針の柱の「総合生活改善闘争」では、2023春闘に向けた「総合生活改善闘争・基本方針」
も提示した。松岡委員長は、当面続く見込みの物価上昇を踏まえ、「次期春闘では
従来以上に『組合員の生活を守る』といった観点や、『組合員からの期待にどう応えるか』
といった観点が重要だ」と訴えた。役員改選では新委員長に勝田年彦氏(住友生命)、
新書記長には田中祥平氏(朝日生命)を選んだ。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20220831b.html

●労働相談の受付数、前年同月比177件増の1,286件/連合「労働相談ダイヤル」(7月)

 連合は25日、「なんでも労働相談ダイヤル」2022年7月分集計結果を発表した。
受付件数は1,286件で、前年同月比177件増。相談の内容は、「パワハラ・嫌がらせ」
(15.9%)が最多、次いで「退職手続」(8.5%)、「雇用契約・就業規則」(8.2%)
など。業種別では「医療・福祉」(21.0%)が最多、次いで「サービス業
(他に分類されないもの)」(15.8%)、「製造業」(14.5%)など。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/soudan/soudan_report/data/202207.pdf

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【動向】
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●5割近くの企業が正社員の人手不足/民間調査

 帝国データバンクは29日、「人手不足に対する企業の動向調査」結果を発表した。
正社員の人手不足割合は47.7%で、前年同月比7.0ポイントの上昇、2年前に比べると
17.3ポイントの大幅上昇となった。業種別では「旅館・ホテル」(66.7%)が最多。
次いで「情報サービス」(64.9%)、「建設」(62.7%)など。非正社員の人手不足
割合は28.5%で、同6.0ポイントの上昇。業種別では、「飲食店」(73.0%)が最多で、
深刻な状況としている。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p220812.html
(詳細)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220812.pdf

●1ドル=137円、約半数が経営に「マイナス」/民間調査

 東京商工リサーチは24日、「円安に関するアンケート」調査結果を発表した。
1ドル=137円前後(7月中旬)の円安が経営に及ぼす影響について、「マイナス」
と回答した企業は48.7%(6月調査時46.7%)。一方、「プラス」の割合は3.2%
(同3.0%)、「影響はない」(28.8%)。「プラス」と回答した業種トップは
「業務用機械器具製造業」(12.9%)、「輸送用機械器具製造業」(11.1%)、
「はん用機械器具製造業」(10.5%)など、「マイナス」と回答した業種トップは
「繊維・衣服等卸売業」(89.2%)など。
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20220824_01.html

●小企業の売上DI(7月実績)は低下/民間調査

 日本政策金融公庫は25日、「全国小企業月次動向調査」結果(2022年7月実績、
8月見通し)を発表した。7月の売上DIはマイナス4.7で、6月に比べて13.2ポイント
低下した。8月はマイナス10.4で、7月に比べて5.7ポイント低下する見通し。
業種別にみると、製造業はマイナス8.7、非製造業はマイナス4.0で、ともに低下した。
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/getsuji_202208.pdf

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT

<イギリス>
▽雇用における法的地位の明確化は白紙に

 ビジネス・エネルギー・産業戦略省は7月、雇用における法的地位に関する
方針文書を公表した。プラットフォーム労働などの従事者に対する権利保護の
観点から、法的地位の明確化が必要であるとの専門家の指摘を受けて、
政府も従来は積極的な姿勢を示していたが、コロナ禍からの回復途上であること
などを理由に、制度改正は取りやめ、ガイダンスを通じた周知を図るとしている。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/08/uk_02.html

▽ゼロ時間契約の現状に関する報告書

 シンクタンクCIPDは8月、ゼロ時間契約の現状に関する報告書をまとめた。
決まった労働時間がなく、使用者の求めに応じて働いた時間分の賃金支払いを
受けるこうした働き方は、労働時間や収入の不安定さにつながるとの批判も
あるものの、報告書は、正しく使用すれば使用者と従事者の双方に利益を
もたらすことができる、と述べている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/08/uk_03.html

<EU>
▽EUの雇用・社会状況に関する報告書

 欧州委員会は7月、欧州の雇用・社会状況に関する年次報告書を公表した。
EU全体の経済や雇用は、概ねコロナ禍からの回復の途上にあるとみられるものの、
若者については未だ困難な状況にあるとして、現状を分析している。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2022/08/eu_01.html

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【法令】
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●労働関係法令一覧(2022年7月公布分)
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hourei/202207.html

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【イベント】
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●「テレワークセミナー」/東京テレワーク推進センター

 東京テレワーク推進センターは、テレワークに関するセミナーを毎月開催している。
9月は5、15、27日にオンライン開催する。テレワーク基盤が前提となる
プロフェッショナル人材の活用やマネジメントのポイント、社員の交流促進を
目的としたコミュニケーションの工夫、労働時間管理の課題について説明する。
東京都や国の支援事業の紹介も予定。参加無料。要事前予約。定員各回300名
https://tokyo-telework.metro.tokyo.lg.jp/seminarevent

●「パワハラ防止対策講座」/神奈川県労働福祉協会

 公益財団法人神奈川県労働福祉協会は10月6日、「基本からよく分かる!
事例で学ぶ!パワハラ防止対策講座」をオンラインで開催する。パワハラ対策
について学びたい方を対象とした基礎実務講座で、事例(判例)に基づき解説する。
オンデマンド配信期間は10月8日~11月7日。受講料4,000円。
https://www.zai-roudoufukushi-kanagawa.or.jp/roudou-harassment.html

●「女性活躍推進オンラインセミナー」/千葉県ジョブサポートセンター

 千葉県ジョブサポートセンターは、9月16日・10月5日の両日、「女性活躍推進
オンラインセミナー」を開催する(11月22日・12月16日にも同一内容で開催)。
内容は、「採用ノウハウと女性活躍推進で得る企業メリット」(9/16、11/22)、
「組織の活性化のためのコミュニケーション術」(10/5、12/16)。参加費無料。
対象は県内企業の経営者及び採用担当者。定員は各回20名程度(事前予約制)。
https://www.chiba-job.com/event/3595

●「大阪労働大学講座(労働経済・社会保障分野)」/大阪労働協会

 大阪労働協会は、「大阪労働大学講座 労働経済・社会保障分野」を
大阪市で開催する。日程は9月26日~12月14日までの計12回。労働に関する
法律や経済、福祉等について基礎から専門分野まで体系的に学ぶ。
受講料22,000円。定員50名程度。
https://l-osaka.or.jp/lonews/wp-content/uploads/2022/08/2022roudaikeizaisyakai.pdf