メールマガジン労働情報 No.1705

■□――【メールマガジン労働情報/No.1705】

特別号:JILPT研究成果等のご紹介

―2021年8月6日発行――――――――――――――□■

 本号は特別号として、新型コロナウイルスの雇用・就業への影響に関する調査及び分析、
デジタル技術の進展と働き方の変化など、JILPTの最近の研究成果等をテーマ別にご紹介します。
 JILPTでは、新型コロナウイルス感染症に関連する連続パネル調査(企業調査及び個人調査)
を行うとともに、その調査結果や二次分析などに関する特設ページ「新型コロナウイルス
感染症関連情報」を設け、順次、情報の追加・更新等を行っています。そちらも併せて
皆様の業務等にご活用いただければ幸いです。
 なお、8月11日(水曜)、13日(金曜)の配信はお休みしますので、次回の配信は8月18日(水曜)となります。

※本号の記事見出し・リンク先一覧です。
 https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/list/mm20210806.html

※「新型コロナウイルス感染症関連情報」特設ページ
 https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/index.html

※Novel Coronavirus (COVID-19) 英文サイト
 https://www.jil.go.jp/english/special/covid-19/index.html

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■新型コロナウイルスの雇用・就業への影響■
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1.連続パネル調査(個人調査)

◇記者発表「新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査(JILPT第5回)」(一次集計)結果(2021年7月27日)

 JILPTは7月27日、「新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査
(JILPT第5回)」(一次集計)結果を記者発表しました。約4人に1人が新型コロナ
発生前より世帯の生活の程度が「低下した」と回答し、約6人に1人が感染症の収束後
「新型コロナ発生前よりセーブして働きたい」、20歳台の1割超が「当面はもう働きたくない」
と回答していることなどが分かりました。
https://www.jil.go.jp/press/documents/20210727.pdf

 ▽連続パネル調査 個人調査の一次集計結果(記者発表資料)
  第1回(5月調査、2020年6月10日)
  https://www.jil.go.jp/press/documents/20200610.pdf

  第2回(8月調査、2020年8月26日)
  https://www.jil.go.jp/press/documents/20200826.pdf

  第3回(12月調査、2021年1月18日)
  https://www.jil.go.jp/press/documents/20210118.pdf

  第4回(3月調査、2021年4月30日)
  https://www.jil.go.jp/press/documents/20210430a.pdf

 ▽関連の分析結果
  ☆リサーチアイ 第64回「コロナ禍の長期化とメンタルヘルス」(2021年6月8日)
   https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/064_210608.html

  ☆リサーチアイ 第63回「コロナ離職と収入低下」(2021年5月27日)
   https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/063_210527.html

  ☆リサーチアイ 第62回「コロナ休業時の賃金補償と労働者のキャリア」(2021年5月11日)
   https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/062_210511.html

 ▽関連のイベント
  ☆第115回労働政策フォーラム「新型コロナによる女性雇用・生活への影響と支援のあり方」(2021年6月25日~29日開催)
   https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20210629/index.html

  ☆第114回労働政策フォーラム「新型コロナと働き方の変化─就業意識の変化と 在宅勤務の動向に注目して─」(2021年3月5日~8日開催)
   https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20210308/index.html

2.連続パネル調査(企業調査)

◇記者発表「第3回新型コロナウイルス感染症が企業経営に及ぼす影響に関する調査」(一次集計)結果(2021年4月30日)

 本調査は、昨年6月からの連続したパネル企業調査で、今回(2月調査)が
3回目の実施となります。テレワークの実施経験企業は約4割、現在(1月末)も
実施している企業は約3割で、一定の効果はみられた一方、コミュニケーション、
業務の進捗把握、業務の切り出し等、実施上の課題も浮き彫りになっていること
などが分かりました。
https://www.jil.go.jp/press/documents/20210430b.pdf

 ▽連続パネル調査 企業調査の一次集計結果(記者発表資料)
  第1回(6月調査、2020年7月16日)
  https://www.jil.go.jp/press/documents/20200716.pdf

  第2回(10月調査、2020年12月16日)
  https://www.jil.go.jp/press/documents/20201216.pdf

3.労働者の働き方の実態に関する調査

◇記者発表「新型コロナウイルス感染症の感染拡大下における労働者の働き方の実態に関する調査」結果(労働者調査、企業調査)(2021年7月9日)

 調査結果からは、新型コロナ感染拡大下で「業務の継続を求められている分野の
労働者(いわゆる、エッセンシャルワーカー)」において、職場で感染リスクを感じた労働者は、
「医療業」で8割弱、「社会保険・社会福祉・介護事業」で7割強、「生活関連サービス業」で
7割弱、「小売業」で65%前後、「宿泊・飲食サービス業」で6割強など、相対的に
高くなっていることなどが分かりました。
https://www.jil.go.jp/press/documents/20210709.pdf

4.コロナ禍における諸外国の最低賃金引き上げ状況

◇資料シリーズ No.239『コロナ禍における諸外国の最低賃金引き上げ状況に関する調査―イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、韓国―』(2021年6月30日)

 イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、韓国の5カ国を対象に、コロナ禍における
最低賃金の引き上げ状況について情報収集を行いました。その結果、いずれの国においても、
労働市場や経済状況を考慮しつつ、各国の事情に応じた要素を加味しながら最低賃金の
引き上げを実施していることなどが明らかになりました。
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2021/239.html

▽関連の成果
 資料シリーズ No.181『諸外国における最低賃金制度の運用に関する調査―イギリス、ドイツ、フランス、アメリカ―』(2017年3月31日)
 https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2017/181.html

5.関連出版物

◇ブックレット『テレワーク コロナ禍における政労使の取組』(2021年6月発行)

 各種調査結果や情報収集の研究成果を活用して取りまとめた「テレワークの労働法政策」と
「テレワークの現状と今後」という2つのレポートにより、注目の高まっているテレワーク
に関する現状と課題を提示しています。
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/booklet/02.html

◇『データで見るコロナの軌跡』データブック国際労働比較2020 特別編集号(2021年4月発行)

 新型コロナウイルスの影響により各国が直面している経済や雇用の大きな変化
について、約1年にわたり収集した統計データを「データで見るコロナの軌跡」
として取りまとめました。
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/f/documents/2021-04_covid-19.pdf

◇ハンドブック『新型コロナウイルス感染拡大の雇用・就業への影響2020』(2021年3月発行)

 「新型コロナウイルス感染症関連情報」に掲載されている、連続パネル調査
(個人調査・企業調査)結果、リサーチアイ、緊急コラム、統計情報等、
2020年の成果を一冊のハンドブックとして取りまとめました。
https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/booklet/booklet2020.html

◇ブックレット『新型コロナウイルスと労働政策の未来』(2020年12月発行)

 東京労働大学特別講座「新型コロナウイルスと労働政策の未来」(2020年8月20日開催)
の内容を、関連する背景資料と併せてブックレットとしてとりまとめました。
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/booklet/01.html

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■デジタル技術の進展と働き方の変化■
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◇調査シリーズ No.210『新しいデジタル技術導入と労使コミュニケーションに関する研究』(2021年5月31日)

 AI、IoT、ロボット、RPA、ビッグデータ等の新技術導入の際の労使コミュニケーションの
傾向と課題について調査しました。その結果、新しいデジタル技術を導入する目的は、
「定型的な業務の効率化、生産性の向上」であり、導入の「効果」もそうした点に
注目していること、企業は「経営判断」であることを理由に、新技術導入に際して
従業員側との協議が必須だとは考えておらず、過半数は事前協議を「行っていない」
ことなどが分かりました。
https://www.jil.go.jp/institute/research/2021/210.html

 ▽関連の分析結果
  ☆リサーチアイ 第52回「デジタル技術導入の際にも、労使コミュニケーションの実施割合は低い
   ─「AIなど新しいデジタル技術導入と労使コミュニケーション」調査結果─」(2021年2月3日)
   https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/052_210203.html

 ▽ビジネス・レーバー・トレンド2020年11月号
  ICT やIoT 等を活用した働き方
  https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2020/11/index.html

 ▽日本労働研究雑誌 2020年1月号
  特集「AIは働き方をどのように変えるのか」
  https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2020/01/index.html

◇記者発表「ものづくり産業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)に対応した人材の確保・育成や働き方に関する調査(2021年5月21日)

 調査結果からは、5割近くの企業が、デジタル技術の活用に向けたものづくり人材の
確保に向けて、自社の既存人材への研修・教育訓練により人材を確保していること、
新型コロナウイルス感染症の拡大により、3割以上の企業でオンラインを活用した研修が
増加していること、などが分かりました。
https://www.jil.go.jp/press/documents/20210521.pdf

 ▽関連の成果
  調査シリーズ No.204『デジタル技術の進展に対応したものづくり人材の確保・育成に関する調査結果』(2020年10月30日)
  https://www.jil.go.jp/institute/research/2020/204.html

◇労働政策研究報告書 No.209『第四次産業革命と労働法政策―“労働4.0”をめぐるドイツ法の動向からみた日本法の課題』(2021年3月31日)

 新たなデジタルテクノロジーによる産業構造の変化(第四次産業革命)により、
雇用社会はどのように変化するのか?また、それによって、どのような雇用・
労働法政策が必要とされるのか。労働4.0(雇用社会のデジタル化)をめぐり、
活発な議論や立法の動きがみられるドイツを採り上げ、ドイツ法と日本法との
比較を通じて、第四次産業革命下における日本の労働法政策の比較法的な観点
からの評価と今後の課題を明らかにします。
https://www.jil.go.jp/institute/reports/2021/0209.html

 ▽関連の成果
  ディスカッションペーパー 19-02『“労働4.0”とドイツ労働法―Krause鑑定意見を中心に』(2019年2月25日)
  https://www.jil.go.jp/institute/discussion/2019/19-02.html

  ディスカッションペーパー 18-02『第四次産業革命による雇用社会の変化と労働法政策上の課題
  ―ドイツにおける“労働4.0”をめぐる議論から日本は何を学ぶべきか?』(2018年2月26日)
  https://www.jil.go.jp/institute/discussion/2018/18-02.html

 ▽関連の分析結果
  ☆リサーチアイ 第61回「クラウドワーカーは「労働者」か?─連邦労働裁判所2020年12月1日判決」
   https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/061_210507.html

  ☆リサーチアイ 第59回「第四次産業革命と集団的労使関係法政策─ドイツにおける“事業所委員会現代化法”案を素材として」(2021年4月16日)
   https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/059_210416.html

☆リサーチアイ 第66回「EUのプラットフォーム労働の労働条件に関する第2次協議に見える立法構想」(2021年6月22日)

 去る6月15日、EUの行政府たる欧州委員会は、プラットフォーム労働の労働条件に関する労使団体
への第2次協議文書を附属職員作業文書とともに発表した。周知のように、EUでは労働社会政策の
立案に当たってはEUレベル労使団体への2段階の協議が義務付けられており、その第2次協議
においては欧州委員会が検討している措置の内容が示される。今回の第2次協議文書は、具体的な
プラットフォーム労働者保護立法の内容が示されているだけではなく、先日(4月30日)
このリサーチアイ第60回で紹介したEUの新AI規則案とも深く関連するテーマとして、アルゴリズム管理
に関する規制の在り方についても提案がなされており、Society5.0という旗の下にICT、AIの発展を
進めている日本にとっても大変興味をそそられるものとなっている。今回も基本的には速報的意義を重視し、
その議論の詳細は省略して、第2次協議文書で示されている将来のEU立法構想の概略を紹介したい。
https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/066_210622.html

 ▽関連の分析結果
  ☆リサーチアイ 第60回「EUの新AI規則案と雇用労働問題」(2021年4月30日)
   https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/060_210430.html

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■高齢者雇用■
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◇労働政策研究報告書 No.211『70歳就業時代の展望と課題―企業の継続雇用体制と個人のキャリアに関する実証分析―』(2021年6月18日)

 70歳までの就業機会の確保が求められる中で、企業はどのような人事管理施策を行い、
またそれが個人の働き方にどう影響しているかに注目し、厚生労働省及びJILPTの
調査の個票データを用いた二次分析を行いました。2013年施行の改正高年齢者雇用
安定法の影響を受けた企業では2012年からの7年間で60~64歳の常用労働者数、
比率ともに増加していたこと、2010年代は60代前半層よりも65歳以上の労働者の
増加が顕著だったこと、企業の60代前半層の平均賃金は、定年延長を採用している
企業が継続雇用を採用している企業よりも12.8%高かったこと、定年延長採用企業
のほうが、高年齢者の賃金引き下げに批判的であり、全体としての賃金・評価制度に
基づく賃金決定を志向する傾向があったこと、などが分かりました。
https://www.jil.go.jp/institute/reports/2021/0211.html

 ▽関連の成果
  調査シリーズ No.199『60代の雇用・生活調査』(2020年3月31日)
  https://www.jil.go.jp/institute/research/2020/199.html

  調査シリーズ No.198『高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)』(2020年3月31日)
  https://www.jil.go.jp/institute/research/2020/198.html

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■管理職の働き方■
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◇調査シリーズ No.212『管理職の働き方に関する調査』(2021年7月29日)

 管理職の働き方等の実態を把握することを目的としたアンケート調査を実施しました。
管理職の月間総実労働時間の分布をみると、「150時間以上170時間未満」の占める割合
が約3割。次いで「170時間以上190時間未満」の3割弱、「190時間以上220時間未満」
の2割強の順で、「220時間以上」は約1割で、平均は177.4時間となっています。
また、深夜労働の割増賃金について、管理職の約7割が支払われていること、
管理職の深夜労働に対する割増賃金制度の必要性については、管理職の約9割が必要
と回答していることなどが分かりました。
https://www.jil.go.jp/institute/research/2021/212.html

 ▽日本労働研究雑誌 2020年12月号
  特集「変化する管理職の役割と地位」
  https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2020/12/index.html

 ▽日本労働研究雑誌 2020年9月号
  特集「専門・管理職の女性労働」
  https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2020/09/index.html