3年以内離職率は高校卒が37%で、大学卒が32%
 ――厚生労働省が新規学卒者の離職状況(2020年3月卒業者)を公表

国内トピックス

厚生労働省が10月に発表した2020年3月に卒業した新規学卒就職者の離職状況によると、就職後3年以内の離職率は、高校卒が37.0%、大学卒が32.3%だった。離職率が最も高い産業は高校卒、大学卒ともに「宿泊業、飲食サービス業」で、高校卒は62.6%と6割台、大学卒は51.4%と5割台に及ぶ。

前年との比較では、高校卒、大学卒ともに率は微増

他の学歴の就職後3年以内離職率は、中学卒が52.9%で、短大等卒が42.6%。前年と比べると、高校卒は1.1ポイント上昇、大学卒は0.8ポイント上昇、中学卒は4.9ポイント低下で、短大等卒が0.7ポイント上昇だった。

3年以内離職率の内訳をみると、中学卒は「1年目」32.1%、「2年目」12.0%、「3年目」8.8%で、1年目に離職する人が3割以上に達している。高校卒は「1年目」15.1%、「2年目」11.7%、「3年目」10.2%で、1年目が最も割合が高いが、中学卒ほどそのウエイトは大きくない。短大等卒は「1年目」16.3%、「2年目」13.5%、「3年目」12.8%。大学卒は「1年目」10.6%、「2年目」11.3%、「3年目」10.4%と、2年目で離職する人の割合が最も高くなっている。

「5人未満」の事業所では高卒は約60%に達する

高校卒と大学卒の3年以内離職率について、事業所規模別にみると、高校卒では「5人未満」が60.7%、「5~29人」が51.3%、「30~99人」が43.6%、「100~499人」が36.7%、「500~999人」が31.8%、「1,000人以上」が26.6%と、規模が小さくなるほど離職率が高く、「5人未満」の事業所に就職した人の3年以内離職率は6割に達する(図表1)。

図表1:新規学卒就職者の事業所規模別にみた就職後3年以内離職率(単位:%)
画像:図表1

(公表資料をもとに編集部で作成)

大学卒は、「5人未満」が54.1%、「5~29人」が49.6%、「30~99人」が40.6%、「100~499人」が32.9%、「500~999人」が30.7%、「1,000人以上」が26.1%で、こちらも規模が小さくなるほど離職率が高く、「5人未満」の事業所に就職した人の3年以内離職率は5割以上に及んでいる。

宿泊業、飲食サービス業に次ぐのは生活関連サービス業

高校卒と大学卒の3年以内離職率について、産業別にみていくと、高校卒については「宿泊業、飲食サービス業」が62.6%で最も高く、次いで「生活関連サービス業、娯楽業」(57.0%)、「小売業」(48.3%)、「教育、学習支援業」(48.1%)、「その他」(47.2%)、「医療、福祉」(46.4%)、「不動産業、物品賃貸業」(45.6%)、「建設業」(42.4%)などの順で高い。

大学卒をみると、高校卒と同じように「宿泊業、飲食サービス業」(51.4%)が最も高く、次いで「生活関連サービス業、娯楽業」および「その他」(ともに48.0%)、「教育、学習支援業」(46.0%)、「医療、福祉」(38.8%)、「小売業」(38.5%)、「サービス業(他に分類されないもの)」(37.3%)、「不動産業、物品賃貸業」(35.9%)などの順で高くなっている。

(調査部)