均衡失業率、需要不足失業率
(ユースフル労働統計フォローアップ)(2018年11月1日掲載)

2018年11月1日掲載

均衡失業率、需要不足失業率(ユースフル労働統計フォローアップ)(PDF:415KB)

―  2018年第3四半期の需要不足失業率は-0.45%(2018年9月は-0.47) ―

グラフ:完全失業率、均衡失業率、需要不足失業率
― 季節調整値、2000年第1四半期~2018年第3四半期 ―

需要不足失業率は2015年第4四半期以降四半期でみるとマイナスが続いている。直近である2018年第1四半期は-0.43ポイント、2018年8月は-0.45ポイント。

資料出所:総務省「労働力調査」、厚生労働省「職業安定業務統計」

注1:
基準線(0%)上の目盛線は各年の第1四半期を示す。
注2:
グラフ右端の数字は、2018年第3四半期のもの。
注3:
需要不足失業率が最近で最も高かったのは、2009年第3四半期の1.94%(完全失業率は5.42%)。

いわゆるUV分析と呼ばれる手法で、「完全失業率」を「均衡失業率」と「需要不足失業率」の2つに分解しました。需要が回復すれば解消されると思われる分が需要不足失業率で、労働移動に時間を要するなどの理由で、企業における欠員と同時に存在するような失業の分が均衡失業率です。

「欠員率」(充足されない求人数の割合)と、「雇用失業率」の過去の実績から両者の関係を式で表し、その式により理論上両者が等しくなる(均衡する)率を算出し、それをもとに均衡失業率を得ます。

詳しい説明は、「ユースフル労働統計」各年度版の「8.1均衡失業率」にあります。 

表:直近の状況
  四半期 完全失業率
(%)
均衡失業率
(%)
需要不足失業率
(ポイント)
四半期 2016年 第3 3.06 3.23 -0.17
第4 3.03 3.24 -0.21
2017年 第1 2.87 3.14 -0.27
第2 2.87 3.16 -0.29
第3 2.78 3.12 -0.34
第4 2.73 3.10 -0.37
2018年 第1 2.45 2.88 -0.43
第2 2.39 2.84 -0.45
第3 2.43 2.88 -0.45
2018年 4月 2.51 2.91 -0.40
5月 2.21 2.71 -0.50
6月 2.44 2.89 -0.45
7月 2.52 2.95 -0.43
8月 2.44 2.89 -0.45
9月 2.34 2.81 -0.47

資料出所:総務省「労働力調査」、厚生労働省「職業安定業務統計」

注1:
計算の基礎とする労働力調査や職業安定業務統計の季節調整値は、通常、1月分発表時(2月末頃)に、過去の値が改定(改訂)されます。労働力調査の季節調整値は、2015年国勢調査結果による新基準で遡及改定された値で計算され、均衡失業率や需要不足失業率は、改定(改訂)後の値で計算してあります。
注2:
均衡失業率と需要不足失業率は、一定の考え方に立って計算した推計値です。推計式の見直しに伴い、過去の値を改定することがあります。推計方法は、ユースフル労働統計の各年度版や、ホームページに掲載してあるユースフル労働統計補注3、下のエクセルデータの注をご覧ください。
注3:
月次データは、四半期データで求めた推計式を利用し、参考までに算出したものです。

1970年以降の各四半期の完全失業率、均衡失業率、需要不足失業率、欠員率、雇用失業率(Excel:53KB)

参考グラフ 雇用失業率と欠員率の動き

次のグラフは、横軸に欠員率、縦軸に雇用失業率をとって、各四半期の雇用失業率と欠員率(共に季調値)をプロットしたものです。図中、右上がりの45度線は、欠員率と雇用失業率が等しい線です。欠員率が高まれば雇用失業率は下がる、欠員率が下がれば雇用失業率は上がる、という関係のあることがわかります。この関係を利用して、完全失業率を均衡失業率と需要不足失業率に分解します。なお、雇用失業率と欠員率は、次式で計算した率です。

参考グラフ 雇用失業率と欠員率 (季節調整値)
― 1967年第1四半期から2018年第3四半期 ―

雇用失業率と欠員率の計算式

資料出所:総務省「労働力調査」、厚生労働省「職業安定業務統計」

注1:
横軸に欠員率、縦軸に雇用失業率をとり、各四半期の欠員率と雇用失業率をプロットし、線で結んだもの。縦軸は、完全失業率ではなく、雇用失業率であることに注意。
注2:
入り組んだ線を区別するため、60年代、80年代、00年代は実線で各年第1四半期を●でプロット。70年代、90年代、10年代は点線で各年第1四半期を×でプロット。
注3:
数字は西暦の下2桁(表示のない年もある)。
注4:
右上がりの破線上では欠員率と雇用失業率が相等しい状態となる。

参考グラフの補足説明

雇用失業率と欠員率の推移をグラフにすると、時計回りに渦を巻くような形が目に付きます。これは、景気との関連でみると次のような事情によるものです。

雇用失業率を縦軸に、欠員率を横軸にしたグラフで時系列の動きをみると時計回りに動くことが図で示してあります。
  1. 景気が良いときには求人が増え、つまり欠員率が上昇し、失業率が低下します。
  2. 景気に少しかげりが見え始めると、欠員率が上昇から横ばいないし、低下に転じます。その一方で、まだまだ求人は多いので失業率の低下は続きます。
  3. 景気後退期に入り、欠員率の低下に加え、失業率の上昇が始まります。
  4. 景気に明るさが見え始めると、求人が増え、欠員率は上昇しますが、まだ求人の水準は低いので失業率の上昇は続いています。

以上は、典型的な景気循環の下での推移を説明したものですが、実際には、リーマンショックをはじめとした急激な経済情勢の変化や労働市場の構造的な変化などの影響を受けるので、欠員率と雇用失業率の動きは参考グラフでみるように複雑です。

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