最近の統計調査結果から2011年2月
統計調査報告
景気動向指数 ―12月速報―
12月のCI(速報値・平成17年=100)の一致指数は0.7ポイント上昇の103.1で2ヶ月連続の上昇、3ヶ月後方移動平均は0.34ポイント上昇し4ヶ月振りの上昇、7ヶ月後方移動平均は0.16ポイント上昇し2ヶ月連続の上昇となった。一致指数の基調判断は、引き続き「景気動向指数(CI一致指数)は、足踏みを示している」となった。なお、先行指数は0.8ポイント上昇の101.4で2ヶ月連続の上昇、遅行指数は1.3ポイント上昇の89.1で2ヶ月振りの上昇となった。
国民経済計算 ―平成22年10~12月期・1次速報―
平成22年10~12月期の実質GDP(国内総生産)成長率(季調値)は前期比-0.3%(年率-1.1%)となった。
平成22年10~12月期の実質GDP成長率の寄与度は、国内需要(内需)が-0.2%、財貨・サービスの純輸出(外需)が-0.1%となった。
図表1:国内総生産の前期比(季調値)と内外需の実質寄与度
(平成22年10~12月期1次速報)
平成23年3月高等学校卒業予定者の就職内定状況(平成22年12月末現在)
平成22年12月末における高等学校卒業予定者の就職内定率(就職内定者の就職希望者に対する割合)は77.9%で、昨年同期の74.8%から3.1ポイント上昇した(一昨年同期は82.3%)。また男女別にみると、男子は82.4%、女子は71.4%で、昨年同期と比較すると、男子は2.7ポイント、女子は2.9ポイント上昇した。
労働力調査詳細集計 ―10~12月期平均・平成22年平均―
2月21日(月)総務省発表(PDF:603KB)/平成22年平均
)
平成22年10~12月期平均の雇用者(役員を除く)(5,152万人)のうち、正規の職員・従業員は3,354万人と、前年同期に比べて11万人増と7期ぶりの増加となった。非正規の職員・従業員は1,797万人と、前年同期に比べて37万人と4期連続の増加となった。
平成22年10~12月期平均の完全失業者(317万人)のうち、失業期間が「3か月未満」の者は84万人と、前年同期に比べて11万人の減少となった。「3か月以上」の者は224万人と、前年同期に比べて7万人の減少、このうち「1年以上」は122万人と、23万人の増加、「6か月~1年未満」は57万人と、24万人の減少、「3~6か月未満」は45万人と、6万人の減少となった。
平成22年平均の正規の職員・従業員は3,355万人と、前年に比べて25万人減と3年連続の減少となった。非正規の職員・従業員は1,755万人と、前年に比べて34万人増となり、内訳を見ると、パート・アルバイトは39万人増の1192万人、契約社員・嘱託は9万人増の330万人、労働者派遣事業所の派遣社員は12万人減の96万人となった。
平成22年平均の完全失業者は334万人、うち失業期間が「1年以上」の者は121万人と前年に比べて26万人の増加となり、比較可能な平成14年以降で最も多くなった。「3か月未満」の者は94万人と、前年同期に比べて23万人の減少、「3~6か月未満」は51万人と、8万人の減少、「6か月~1年未満」は58万人と、2万人の減少となった。
平成22年賃金構造基本統計調査(全国)
一般労働者の賃金(平成22年6月分の所定内給与額をいう。以下同様。)は男女計で29万6,200円(平均41.3歳、勤続11.9年)、男女別には、男性は32万8,300円(平均42.1歳、勤続13.3年)、女性は22万7,600円(平均39.6歳、勤続8.9年)となっており、前年と比べると男女計では0.6%、男性では0.5%それぞれ上昇し、女性では0.2%低下している。
一般労働者の雇用形態別の賃金をみると、正社員・正職員31万1,500円(平均40.7歳、勤続12.6年)、正社員・正職員以外19万8,100円(平均45.0歳、勤続6.8年)となっており、前年と比べると正社員・正職員では0.4%、正社員・正職員以外では1.8%それぞれ上昇している。男女別にみると、男性では正社員・正職員33万8,500円(平均41.5歳、勤続13.8年、前年比0.3%増)、正社員・正職員以外22万8,800円(平均47.4歳、勤続7.6年、前年比3.1%増)、女性では、正社員・正職員24万4,000円(平均38.7歳、勤続9.7年、前年比0.3%減)、正社員・正職員以外17万900円(平均42.9歳、勤続6.0年、前年比0.7%減)となっている。
短時間労働者の1時間当たり賃金は、男性で1,081円(前年比0.5%減)、女性で979円(同0.6%増)となっている。
平成22年度能力開発基本調査
企業での正社員に対する教育方針については、「全体の能力を高めることを重視」及び「全体重視に近い」とした企業の割合が5割を超え(53.5%、前回49.5%)、「選抜した労働者を重視」及び「選抜者重視に近い」の46.5%(前回50.5%)を上回った。
平成21年度に計画的OJTを実施した事業所の割合は正社員では57.8%(前回比0.6ポイント増)、正社員以外では27.7%(同0.6ポイント減)となった。またOFF-JTの実施率は、正社員で67.1%(同1.4ポイント減)、正社員以外では31.4%(同1.8ポイント減)といずれも低下した。
自己啓発を行った従業員個人の割合は、正社員で41.7%(同0.4ポイント減)、正社員以外では18.4%(同1.6ポイント減)となった。
消費者物価指数 ―1月―
平成23年1月の消費者物価指数(平成17年=100)は99.4となり、前年同月と同水準となった。生鮮食品を除く総合指数は99.0となり、前年同月比は-0.2%と23ヶ月連続の下落となった。
2月の東京都区部の速報は98.5となり、前年同月比は0.1%の下落、生鮮食品を除く総合指数は98.2となり、前年同月比は0.4%の下落となった。
平成22年国勢調査(人口速報集計結果)
平成22年10月1日現在の我が国の人口は1億2805万6千人となった(平成17年から28万8千人増と横ばい)。
鉱工業生産指数 ―1月速報―
2月28日(月曜)経済産業省発表
鉱工業生産指数(季調値)は前月比2.4%の上昇。製造工業生産予測調査によると、2月、3月とも上昇を予測している。「総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移している」との判断となった。
家計調査 ―1月―
3月1日(火曜)総務省発表
二人以上世帯のうち勤労者世帯の実収入は、前年同月比で実質3.5%の減少。
実質増減率への寄与度は、世帯主収入が-3.93%、配偶者の収入が-0.12%、他の世帯員収入が0.27%などとなった。
サービス産業動向調査 ―12月速報・平成22年速報―
平成22年12月のサービス産業の月間売上高は、24.9兆円、前年同月比2.0%の減少となった。従業者数は、2613万人で、前年同月比2.0%の減少となった。そのうち、職業紹介・労働者派遣業の月間売上高は、3665億9500万円、前年同月比5.4%の増加、従業者数は、22.8万人、前年同月比5.5%の減少となった。
平成22年のサービス産業の年間売上高は、284.1兆円、前年比2.2%の減少となった。年平均従業者数は、2612万人、前年比1.0%の減少となった。そのうち、職業紹介・労働者派遣業の年間売上高は、4兆1748億800万円、前年比2.4%(注)の増加、年平均従業者数は23.3万人、前年比7.4%(注)の減少となった。
(注)前年比はJILPT計算。
労働力調査 ―1月―
一般職業紹介状況 ―1月―
平成23年1月の完全失業率(季調値)は4.9%と、前月と同率となった。男性は5.3%と前月に比べ0.1ポイントの低下、女性は4.2%と前月に比べ0.1ポイントの低下となった。
平成23年1月の完全失業者数(季調値)は322万人と、前月に比べ2万人の減少となった。
平成23年1月の雇用者数(季調値)は、5,491万人と、前月差28万人の増加となった。
平成23年1月の有効求人倍率(季調値)は0.61倍で、前月に比べて0.03ポイント上昇した。
図表2:完全失業率と有効求人倍率の推移(季調値)
毎月勤労統計調査 ―1月速報―
3月1日(火曜)厚生労働省発表
平成23年1月の現金給与総額(規模5人以上)は前年同月比0.2%増。きまって支給する給与は前年同月比0.4%減となった。また、所定内給与は前年同月比0.5%減、所定外給与は2.5%増となった。特別に支払われた給与は前年同月比12.3%増となった。
なお、実質賃金(総額)は前年同月比0.1%増となった。
製造業の所定外労働時間(規模5人以上)(季調値)の平成23年1月は前月比3.4%増。
平成21年経済センサス―基礎調査(基本集計 速報)
我が国の事業所数(事業所内容等が不詳の事業所を除く。)は604万5千事業所、従業者数は6293万1千人となった。
事業所数、従業者数共に最も多い産業は「卸売業,小売業」となった。
雇用者に占める「正社員・正職員以外の雇用者」の割合が最も高い産業は「宿泊業,飲食サービス業」となった。
「個人経営」及び「会社以外の法人」を含む企業等の数は447万企業、そのうち「会社企業」は179万5千企業となった。
(参考)
「平成18年事業所・企業統計調査」における平成18年10月1日現在の我が国の事業所数(事業内容等が不詳の事業所を除く。)は591万1千事業所、従業者数は5863万4千人。
※総務省では、調査手法が異なることから、事業所・企業統計調査と経済センサスの統計表の時系列比較を行っていない。
研究会報告書等
月例経済報告 ―2月―
景気は、持ち直しに向けた動きがみられ、足踏み状態を脱しつつある。ただし、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。(前月:足踏み状態にあるが、一部に持ち直しに向けた動きがみられる)
- 輸出、生産は、持ち直しの動きがみられる。(前月:輸出は、緩やかに減少している。生産は、下げ止まりの兆しがみられる)
- 企業収益は、改善している。設備投資は、持ち直している。(前月とかわらず)
- 企業の業況判断は、慎重さがみられる。(前月とかわらず)
- 雇用情勢は、依然として厳しいものの、このところ持ち直しの動きがみられる。(前月とかわらず)
- 個人消費は、このところおおむね横ばいとなっている。(前月:持ち直しているものの、一部に弱い動きもみられる)
- 物価の動向を総合してみると、緩やかなデフレ状況にある。(前月とかわらず)
月例労働経済報告 ―2月―
労働経済面をみると、雇用情勢は、依然として厳しいものの、持ち直しの動きがみられる。(前月とかわらず)