最近の統計調査結果から2008年12月
統計調査報告
労働経済動向調査(平成20年11月)
20年11月1日現在の労働者過不足判断D.I.により、雇用過不足感の動向をみると、調査産業計で正社員は13ポイント、パートタイム労働者は14ポイントとなり、不足超過幅は前期(それぞれ18ポイント)よりも縮小している。
景気動向指数 ―10月速報―
10月のCI(速報値・平成17年=100)の一致指数は2.5ポイント下降の97.6で、3ヶ月後方移動平均は1.83ポイント下降し3ヶ月連続の下降、7ヶ月後方移動平均は0.69ポイント下降し8ヶ月連続の下降となった。一致指数の基調判断は、引き続き「景気動向指数(CI一致指数)は、悪化を示している。」となった。なお、先行指数は85.0で4.2ポイントの下降、遅行指数は98.2で0.3ポイントの上昇となっている。
国民経済計算 ―7―9月期・2次速報―
実質GDP(国内総生産)成長率(季調値)は-0.5%(年率-1.8%)となり、1次速報に対して、0.4ポイント(年率で1.4ポイント)の下方修正となった。
実質GDP成長率の寄与度は、国内需要(内需)が-0.3%、財貨・サービスの純輸出(外需)が-0.2%となった。
図表1:国内総生産の前期比(季調値)と内外需の実質寄与度
(平成20年7~9月期2次速報)
平成20年毎月勤労統計調査特別調査結果の概況
事業所規模1~4人の事業所について、平成20年7月における1人平均きまって支給する現金給与額は、192,630円で、前年と比べ1.1%の増加となった。
平成19年8月1日から平成20年7月31日までの1年間における1人平均特別に支払われた現金給与額は、208,367円で、前年と比べ2.9%の減少となった。
平成20年7月における1人平均出勤日数は、21.2日で、前年差0.1日の増加となった。
同7月における通常日1日の1人平均実労働時間は7.2時間で、前年と同水準となった。
短時間労働者(通常日1日の実労働時間が6時間以下の常用労働者)の割合は、27.0%で、前年差0.1ポイント上昇となった。
平成20年民間主要企業夏季一時金妥結状況
妥結額は842,270円、対前年比では0.29%減となった。(集計の対象は、原則として、資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合のある企業のうち、妥結額等を把握できた349社。)
企業短期経済観測調査(短観) ―12月―
全国大企業の業況判断D.I.(「良い」-「悪い」)は製造業で-24(前期-3、先行き-36)、非製造業で-9(前期1、先行き-14)といずれも低下した。
雇用人員判断D.I.(「過剰」-「不足」)は、大企業全産業で1(前期-6、先行き3)。
図表2:大企業業況判断の推移
平成20年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(10月1日現在)
大学の就職内定率は69.9%で、前年同期を0.7ポイント上回った。
短期大学の就職内定率(女子学生のみ)は39.4%で、前年同期を0.9ポイント上回った。
高等専門学校の就職内定率(男子学生のみ)は94.8%で、前年同期を1.6ポイント下回った。
専修学校(専門課程)の就職内定率は46.2%で、前年同期を2.8ポイント下回った。
平成20年労働組合基礎調査
平成20年6月30日現在における単一労働組合の労働組合員数は、1,006万5千人で、前年より1万5千人減少(前年比0.1%減)となった。
推定組織率(雇用者に占める労働組合員数の割合)は18.1%で、前年と横ばいとなった。
パートタイム労働者の労働組合員数は61万6千人で、前年より2万8千人増加(前年比4.7%増)となった。推定組織率は5.0%で、前年より0.2ポイント上昇した。
平成20年賃金引上げ等の実態に関する調査
平成20年中に1人当たり平均賃金の引き上げを実施又は予定している企業は74.0%で、前年に比べ、8.8ポイント低下した。
平成20年の1人当たり平均賃金の改定額(常用労働者数による加重平均)は4,417円(前年4,378円)、改定率の平均は1.7%(同1.7%)となった。
平成20年上半期雇用動向調査結果の概況
入職率は8.7%(前年同期9.7%)、離職率は8.2%(同9.0%)と、ともに低下したが、依然として0.5ポイントの入職超過。ただし、入職超過幅は前年より0.2ポイント縮小。特にパートタイム労働者の入職率は13.6%(同15.5%)、離職率は13.5%(同15.5%)と低下。
平成20年6月末の未充足求人数は前年の59.9万人から48.3万人に減少。
鉱工業生産指数 ―11月速報―
12月26日(金曜)経済産業省発表
鉱工業生産指数(季調値)は前月比8.1%の低下となった。製造工業生産予測調査によると、12月、1月とも低下の予測となり、「総じてみれば、生産は急速に低下している。」との判断となった。
消費者物価指数 ―11月―
消費者物価指数(平成17年=100)は101.7となり、前年同月比で1.0%の上昇、生鮮食品を除く総合指数は101.6となり、前年同月比で1.0%の上昇と、それぞれ14ヶ月連続の上昇となった。
12月の東京都区部は101.2となり、前年同月比で0.7%の上昇、生鮮食品を除く総合指数は101.2となり、前年同月比で0.8%の上昇となった。
家計調査 ―11月―
12月26日(金曜)総務省発表
二人以上世帯のうち勤労者世帯の実収入は、前年同月比で実質0.3%の減少となった。
労働力調査 ―11月―
一般職業紹介状況 ―11月―
平成20年11月の完全失業率(季調値)は3.9%と、前月に比べ0.2ポイントの上昇。男性は4.1%と、前月に比べ0.2ポイントの上昇。女性は3.8%と、前月に比べ0.3ポイントの上昇。
平成20年11月の完全失業者数は256万人と、前年同月差10万人の増加で、2ヶ月ぶりの増加。
平成20年11月の雇用者数(季調値)は、5,547万人と、前月差21万人の増加。
平成20年11月の有効求人倍率(季調値)は0.76倍で、前月を0.04ポイント下回った。
図表3:完全失業率と有効求人倍率の推移
毎月勤労統計調査 ―11月速報―
平成20年11月の現金給与総額(規模5人以上)は前年同月比1.9%減、きまって支給する給与(規模5人以上)は前年同月比0.4%減となった。
また、前年同月比で所定内給与は0.1%増、所定外給与は6.8%減となった。
なお、実質賃金(総額)は前年同月比3.1%減と8ヶ月連続の減少となった。
製造業の所定外労働時間(規模5人以上)の平成20年11月(季調値)は前月比9.1%減。
研究会報告
月例経済報告 ―12月―
景気は、悪化している。(前月:弱まっている。さらに、世界経済が一段と減速するなかで、下押し圧力が急速に高まっている。)
- 輸出は、減少している。生産は、大幅に減少している。(前月:生産は、減少している。)
- 企業収益は、大幅に減少している。設備投資は、減少している。(前月:企業収益は、減少している。設備投資は、弱含んでいる。)
- 雇用情勢は、急速に悪化しつつある。(前月:悪化しつつある。)
- 個人消費は、おおむね横ばいとなっているが、足下で弱い動きもみられる。(前月とかわらず)
月例労働経済報告 ―12月―
労働経済面をみると、雇用情勢は、急速に悪化しつつある。(前月:悪化しつつある。)