災害発生の頻度を表す度数率は2.01と前年から0.09ポイント低下
 ――厚生労働省が2025年「労働災害動向調査〈事業所調査(事業所規模100人以上)および総合工事業調査〉」の結果を公表

労働安全衛生

厚生労働省は6月16日、2025年「労働災害動向調査〈事業所調査(事業所規模100人以上)及び総合工事業調査〉」の結果を発表した。災害発生の頻度を表す「度数率」は2.01で前年から0.09ポイント低下。一方、災害の重さの程度を表す「強度率」は0.09で前年から横ばいだった。死傷者1人平均労働損失日数は45.7日で、前年から2.2日増加している。

度数率は5年連続で2%超に

調査は、規模100人以上の事業所を対象とする事業所調査と、総合工事業調査からなる。事業所調査、総合工事業調査ともに、2025年の状況について2026年1月1日~20日に調査を行った。今回の公表内容は、約1万5,000事業所・約5,600工事現場のうち、有効回答を得た9,514事業所・4,644工事現場について集計したもの。

事業所調査の結果をみると、100万延べ実労働時間あたりの労働災害による死傷者数で、災害発生の頻度を表す「度数率」は前年から0.09ポイント低下し、2.01となった。度数率が2を超えるのは5年連続となっている(図表1)。

図表1:労働災害率および死傷者1人平均労働損失日数の推移〈調査産業計(事業所規模100人以上)〉
画像:図表1

注:2018年から調査対象産業に「漁業」が追加されている。

(公表資料から編集部で作成)

強度率は2017年以降0.09が続く

1,000延べ実労働時間あたりの延べ労働損失日数で、災害の重さの程度を表す「強度率」は0.09で前年から横ばい。2017年以降、0.09が続いている。

労働災害による死傷者の延べ労働損失日数を死傷者数で除して算出する「死傷者1人平均労働損失日数」は前年から2.2日増加し、45.7日となっており、6年連続で40日台となっている。

無災害事業所の割合は、前年から2.8ポイント上昇して55.9%となり、2年連続で上昇している(図表2)。

図表2:無災害事業所の割合の推移〈調査産業計(事業所規模100人以上)〉
画像:図表2

注:2018年から調査対象産業に「漁業」が追加されている。

(公表資料から編集部で作成)

「生活関連サービス業、娯楽業」が度数率でトップに

産業別にみると、度数率は「農業、林業」と「漁業」を除けば、「生活関連サービス業、娯楽業(一部の業種に限る)」が6.27で最も高く、次いで、「サービス業〈他に分類されないもの(一部の業種に限る)〉」(4.33)、「宿泊業、飲食サービス業(旅館、ホテルに限る)」(3.72)、「運輸業、郵便業」(3.65)、「卸売業、小売業」(2.10)、「医療、福祉(一部の業種に限る)」(1.90)、「製造業」(1.33)、「鉱業、採石業、砂利採取業」(0.96)、「電気・ガス・熱供給・水道業」(0.93)などの順となっている。

前年と比べると、「サービス業〈他に分類されないもの(一部の業種に限る)〉」は0.44ポイント増、「電気・ガス・熱供給・水道業」は0.35ポイント増と、上昇幅が大きかった。それに対し、「卸売業、小売業」は0.50ポイント減となった。

強度率が最も高いのは「鉱業、採石業、砂利採取業」

強度率は、「農業・林業」と「漁業」を除けば、「鉱業、採石業、砂利採取業」が0.96で最も高く、次いで、「サービス業〈他に分類されないもの(一部の業種に限る)〉」(0.57)、「生活関連サービス業、娯楽業(一部の業種に限る)」(0.17)、「建設業(総合工事業を除く)」および「運輸業、郵便業」(ともに0.12)などの順となっている。

前年と比べると、トップとなった「鉱業、採石業、砂利採取業」が0.96ポイント増で大幅に上昇しており、次いで高かった「サービス業〈他に分類されないもの(一部の業種に限る)〉」も0.17ポイント増と、比較的上昇幅が大きくなっている。

死傷者1人平均労働損失日数は「鉱業、採石業、砂利採取業」が大きく上昇

死傷者1人平均労働損失日数は、「鉱業、採石業、砂利採取業」が1,000.0日で突出して高く、「建設業(総合工事業を除く)」(180.3日)や「サービス業〈他に分類されないもの(一部の業種に限る)〉」(132.6日)でも比較的高くなっている。一方、「電気・ガス・熱供給・水道業」は、前年(316.3日)から大きく下がり、28.2日となった。

前年と比べると、トップとなった「鉱業、採石業、砂利採取業」が997.5日増で大幅に上昇しており、「建設業(総合工事業を除く)」でも148.8日増と大きく上昇しているのが目立つ。

度数率、強度率ともに規模が小さくなるほど高くなる

度数率と強度率を事業所規模別にみると、度数率は「1,000人以上」が0.63、「500~999人」が1.43、「300~499人」が1.97、「100~299人」が2.69と、規模が小さくなるほど高くなっている。

強度率は「1,000人以上」が0.02、「500~999人」が0.07、「300~499人」が0.08、「100~299人」が0.12で、こちらも規模が小さくなるほど高くなっている。

総合工事業の度数率、強度率、死傷者1人平均労働損失日数はいずれも前年から低下

総合工事業調査によると、総合工事業の度数率は前年から0.02ポイント低下して1.89、強度率は前年から0.28ポイント低下して0.29となっている。死傷者1人平均労働損失日数は151.8日で、前年から144.8日低下した。

(調査部)

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