大手企業の回答・妥結額は1万9,964円、1976年以降で最高水準に
 ――経団連の2026年春季労使交渉の大手企業業種別回答状況

各種調査からみる賃上げ等の状況

経団連(筒井義信会長)が5月27日に公表した「2026年春季労使交渉・大手企業業種別回答状況(加重平均)」の第1回集計結果によると、大手103社の回答・妥結額の加重平均は1万9,964円、アップ率は5.46%となり、引き上げ額は現行の集計方法(加重平均)に変更した1976年以降で最高水準となっている。

調査は、原則従業員500人以上の、主要23業種に属する大手248社を対象に実施。21業種153社から回答があり、平均金額が不明な企業などを除く18業種103社(約65万人)の結果を集計している。回答・妥結額は定期昇給(賃金体系維持分)などを含む。

非製造業平均の引き上げ額・アップ率は4年連続で過去最高を更新

それによると、大手103社の回答・妥結額の加重平均は1万9,964円で、同一企業の昨年実績(1万9,356円)と比べると608円増加した(図表)。アップ率は5.46%と昨年(5.45%)から0.1ポイント増加している。引き上げ額は3年連続で1万9,000円台、アップ率は3年連続で5%台となった。また、引き上げ額は、第1回集計ではあるものの、現行の集計方法(加重平均)に変更した1976年以降での最高額を更新した。

図表:2026年春季労使交渉・大手企業業種別回答状況(加重平均)第1回集計
画像:図表

注1:平均欄の( )内は1社あたりの単純平均。

注2:(従)は従業員平均の数値を含む。

注3:集計社数が2社に満たない場合など数字を伏せた業種があるが、平均には含まれる。

注4:上記回答・妥結額は、定期昇給(賃金体系維持分)等を含む。

(公表資料から編集部で作成)

製造業87社の平均は、回答・妥結額が1万9,378円(昨年1万9,112円)、アップ率が5.29%(同5.39%)。非製造業16社の平均は、回答・妥結額が2万1,341円(同1万9,976円)で、アップ率が5.85%(同5.60%)。

製造・非製造業別での集計を開始した1997年以降でみると、製造業は引き上げ額が過去2番目、アップ率が過去3番目に高い水準を記録しており、非製造業は引き上げ額・アップ率ともに過去最高を4年連続で更新している。

回答・妥結額が最も高い「建設」は昨年から1万円超増で唯一4万円台に

業種別にみると、回答・妥結額が最も高いのは「建設」(3社)で、従業員平均で4万3,922円となり、昨年(従業員平均で3万2,533円)から1万1,389円の大幅増で唯一4万円台となった。アップ率は7.63%と、昨年(5.85%)から1.78ポイント増加した。

次いで高いのは「情報通信」(4社)の2万4,000円(昨年2万3,900円)で、アップ率は8.28%(同8.24%)となっている。

このほかの業種をみると、「印刷」(2社)が2万3,445円(同1万8,458円)でアップ率6.81%(同5.59%)、「非鉄・金属」(8社)が2万2,466円(同2万796円)で6.48%(同6.21%)、「機械金属」(4社)が2万2,131円(同2万1,484円)で6.12%(同6.21%)、「繊維」(12社)が2万707円(同1万9,901円)で5.72%(同5.69%)、「化学」(19社)が2万707円(同2万868円)で5.66%(同5.96%)などとなっている。

「造船」や「商業」は全体からみて低めの回答・妥結額に

回答・妥結額が最も低かったのは「造船」(3社)で1万6,136円(昨年2万1,003円)で、アップ率は4.45%(同6.05%)。次いで低いのは「商業」(3社)の1万6,210円(従業員平均。昨年も従業員平均で1万5,368円)で、アップ率は3.91%(同3.73%)だった。

(調査部)

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